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【熊本地震】熊本学園大が独自に避難所 障害者らを受け入れ

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障害者らのために講堂が開放された。中央は日隈さん(4月19日午後5時)

4月14日以降、大きな揺れが続いている熊本地震で、熊本学園大学(熊本市)は独自に避難所を開設した。社会福祉学部の教授を中心とした60人態勢で、地域の高齢者や障害者などを受け入れている。発災直後から医療体制も整備し、学生ボランティアも配置。避難所運営を想定していなかった中での迅速な対応に、避難者からは感謝の声が上がっていた。

14日午後9時26分に起きた震度7の地震。発災直後から地域住民や学生が、同大のグラウンドに集まってきたという。そのうち住民からは、寒さを訴える声も聞こえてきた。

そのため、同大にいた教授らは理事長や学長に相談。校門そばの「60周年記念会館」の教室を開放することが決まったという。

「最初は熊本市内の被害は大きくないと思い、教授同士で震源地の熊本県益城町へ学生ボランティアをどう送るかを話し合っていた」と花田昌宣・同大水俣学研究センター長は振り返る。

ところが、16日午前1時25分に本震が発生。熊本市内でも多くの地域で断水などの被害が出る事態に。

そこで同大に助けを求めたのが在宅で暮らす障害者たちだ。避難の経緯について、車いすユーザーの日隈辰彦・ヒューマンネットワーク熊本代表は「余震もあり、ヘルパーも被災した可能性を考え、これまでつながりのあった同大に避難を要請した」と話す。

避難所となった会館は大学の創立60周年を記念して、2007年に建てられた。施設内はバリアフリーで、多目的トイレもある。

同大は、障害者を対象にした避難所として講堂を開放。舞台に近い部分にスペースを設け、男女を分ける仕切りも作った。16日から滞在した植田洋平さんは「住民を平等に扱う通常の避難所では、長期滞在が厳しかったと思う」と感謝する。

16日時点では、同大に避難した人は約700人。うち、障害者は30人に上った。花田教授は「もともと大学が避難所になることは想定していなかった。しかし社会福祉学部の教授と協議し、16日時点で避難所としてきっちり運営すると覚悟を決めた」と話す。

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避難してきた人たちのために炊き出しを行った(4月19日午後6時)

避難所を運営する上で、一番問題になるのが避難者の健康管理だ。そこで、医師免許を持つ下地明友・同大教授や看護師など7人で、医療チームを結成。定期的に避難者への声掛けを行った。「避難所運営では弱者へのサポートが何より大切。医療機関へ何人かつなぐこともでき、非常時にしてはうまく機能した」と下地教授は語る。

一方、人材不足も課題となった。

14日に同大へ避難した学生の中には、そのまま避難所の運営側に回り、帰宅しなかった人も少なくないという。当然、学生にも疲労の色が見えてくる。

被災当日からボランティアとして活動していた同大院生は「16日は余震に備え、学生は誰も寝ずに見守りを行った。プールの水をくんだり、釜で米を炊いたり、みんな必死だった」と証言した。

その後、同大は18日に学生5500人以上にボランティアを呼び掛けるメールを発信。300人が応じたことから、1日に30人ずつローテーションを組む態勢が取れるようになったという。専門職の応援もあり、本震から1週間の時点で、1日60人での支援態勢が固まった。

同大の避難所は、発災から10日たっても運営は続く。多くのメディアも取り上げたことから、「自分も入れてほしい」という障害者や、「断水が続いており施設から移動させたい」という福祉関係者からの要請が相次いでいるという。

宮北隆志・同大社会福祉学部長は「大学には、これまで水俣病の研究などを通じ住民に寄り添う風土があった。また、医療体制の確保や多くのボランティア志願者など、さまざまな要因が重なったからこそ生まれた避難所。地域の大学としての使命感を持ち、最後まで責任を持って運営したい」と語った。

被災障害者の支援へ、県内20団体でセンター発足へ


熊本地震で被災した障害者を支援する「被災地障害者センターくまもと」が4月20日、発足した。県内の障害者関係約20団体が連携。会長には倉田哲也・くまもと障害者労働センター代表が、事務局長には弁護士の東俊裕・熊本学園大教授が就任した。

今後センターは、関係団体を通じて被災状況を調査するほか、避難所などで支援ニーズを掘り起こす。支援ボランティアの派遣など生活再建をサポートする。支援物資や寄付金の募集と配分も行う。

同センターの野尻健司さんは「さまざまな団体と連携し、当事者にとって足りないところを支援していきたい」と話している。

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