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「自分の仕事が否定された」 津久井やまゆり園の建替問題で職員が反論

2017年05月31日 16時59分 JST | 更新 2017年05月31日 16時59分 JST

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左から入倉園長、山田・支援部長、北嶌・日中支援課長、葛西・主任支援員

神奈川県立の障害者支援施設「津久井やまゆり園」(相模原市)で昨年7月に発生した殺傷事件に関連し、県の障害者施策審議会の専門部会(部会長=堀江まゆみ・白梅学園大教授)は17日、同園の建て替えをめぐり職員と入所者の家族から意見聴取した。

元通りの大規模施設に建て替えることへの批判に対し、職員・家族は反論した。堀江部会長は6月に報告書をまとめる予定がずれ込む可能性を示唆した。

「職員は千木良に戻ることをモチベーションにしている。施設が否定される報道を見て、自分の仕事が否定されたと思う職員が多い」「今回の事件を機に施設規模を小さくしないでほしい。千木良を去る時、短期入所の利用者に後ろ髪を引かれる思いがした」「利用者が施設を選んでくれる以上、私たちは寄り添うだけだ」。

相模原市緑区千木良から横浜市内に移転した同園職員の山田智昭さん、北嶌大洋さん、葛西直子さんが同日の部会で、同園の再生について意見を述べた。これまで入倉かおる園長以外の職員が公の場で発言することはほとんどなかった。

同席した入倉園長は「他施設に移った人には、しばらくしたら千木良に戻れると説明し理解してもらった。もし、戻れなくなったら意思決定支援どころではない」と強い口調で話した。元の場所で暮らせるよう再建を求めた上で「今日の意見は聞くだけでなく必ず文字に残してほしい」と念を押した。

入所者の家族は5人が発言した。大月和真・家族会長は事件前の園での暮らしぶりを11分間の映像で紹介。「津久井やまゆり園は私たちがやっとたどり着いたかけがえのない家だ」とし、元の場所での再建を求めた。

一方、5人のうち1人は大規模施設に否定的な意見を披露。「施設をなくして良いとは思わないが、できるだけ少なくしていくべきだ。施設での暮らしは自由がきかない。横浜にこの先4年もいたら千木良に戻りたいとは言わないだろう」と話した。

部会は(1)入所者がどこに住みたいと考えているかの意向確認(意思決定支援)(2)同園の建て替え(定員規模、施設機能)--の在り方を6月に県に提案する。

2020年度の建て替え完了を目指すとした昨年9月の県の方針に対し、今年1月の公聴会で「大規模施設は時代に逆行している」と異論が出たため2月に設置され、議論してきた。

事件当時、同園の定員は短期入所10人を含めて160人。入所していた知的障害者157人のうち131人が、4月に移転した「津久井やまゆり園芹が谷園舎」(横浜市、定員114人、短期入所なし)や県内の他の施設で暮らしている。

大規模施設に建て替えることを前提とせず議論する構えだった堀江部会長は終了後、報道陣に対し「議論すべき論点がかなり明確になってきたので、もう少し時間をかけて丁寧に議論していきたい」と話した。

(2017年5月29日「福祉新聞」より転載)