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中東不安でも原油高にならない時代を作った米国

2016年01月14日 02時05分 JST | 更新 2017年01月12日 19時12分 JST

原油安が止まらない。私は年末年始、アラブ首長国連邦に行っており、帰国直後にサウジアラビアとイランが国交を断絶するというニュースが流れたので、これは石油ショックでも起きるのかなと頭をよぎったがこの考えは一昔前のものだと再認識した。

一昔前なら中東地区の戦争は石油ショックに繋がっていた。

73年の第4次中東戦争勃発による第1次石油ショック。

80年のイラン・イラク戦争勃発で第2次石油ショック。

90年、イラクのクウェート侵攻や03年、米国のイラク戦争による原油価格高騰等。

ただ昨今、イスラム国の台頭で同地域がテロ等で不安定化でも、今回のサウジアラビアとイランの空爆や国交断絶による不安定化でも石油ショックが起きるどころか、原油価格の値段が下げ続ける逆石油ショックになっている。

中東情勢が不安定化しても原油高にならない理由はこれだ!と一言では説明できないのであろうが、こういった状況を作った功績の一つは米国にあるだろう。

具体的には1983年にニューヨーク証券取引所に上場したWTI(ウェスト・テキサス・インターミーディエート)の登場とシェールスガスの発見である。

このWTIという先物市場は米国の原油を先物で売買するのであるが、これが登場したことで、たとえ、OPECが減産によって原油価格を釣り上げようとしても米国でとれる原油価格の方が中東の原油価格より相対的に安ければ、米国の原油のほうが売れてってしまうのである。

さらに、シェールスガスの発見である。石油に代わるエネルギーの発見により、OPECは原油とシェールスガスの価格競争を余儀なくされてしまった。

もちろん、現状は中国経済の減速による原油需要の減少など様々な要因があるのだろうが、もう少し大きな目で見て、この中国経済減少やイスラム国などの中東不安が起こってもOPECが減産できない状況を作ったのは米国だと思うわけである。