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ムニューチン財務長官「強いドル」vs トランプ大統領「弱いドル」

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米財務長官がようやく決定しました。元ゴールドマン・サックス証券共同責任者のムニューチン氏です。彼はトランプ大統領の目玉政策である税制改革(法人減税、国境税等)や金融規制緩和(ドット・フランク法)、為替問題(人民元や日本円)に対応する責任者です。

その責任者の就任時の発言が注目されてましたが、各種報道を見てみてもムニューチン財務長官は宣誓式で具体的な構想を示してはいないようです。宣誓式に立ち会ったトランプ大統領は「不当に利益を得る者から米製造業の雇用も守る」と発言しているようです。

この「不当に利益を得るものから」という部分は紛れもなく中国(貿易赤字の相手国2位の日本も心の中では入っている可能性は高い)です。先日、トランプ大統領は「一つの中国」を認めたので今後の米中関係は良好路線に切り替えたのかなと思いましたがそうではなかったようです。

ということは日米首脳会談で演出された友好的な会談も「為替や貿易問題は一時的に棚上げしただけだよ」と捉える必要もありそうです。繰り返しますが、米貿易赤字の相手国2位は日本だからです。麻生太郎副総理兼財務大臣もムニューチン財務長官とは為替問題について意見交換をしていく旨を発言しています。

よって現在は一旦落ち着いているドル円相場も、今後どうなるかは先の日米首脳会談で決定された麻生副総理ーペンス副大統領の「新経済枠組」と麻生財務大臣ームニューチン財務長官の意見交換の中で方向付けられていくので、方向性はまだ不透明と言えるでしょう。

特にムニューチン財務長官はどちらかと言うと「強いドル」発言を繰り返しており、「ドルは強すぎる」と発言し続けるトランプ大統領とどう折り合いをつけていくのかという点が不透明です。今一度、ムニューチン財務長官とトランプ大統領の発言を振り返ってみましょう。

「ムニューチン財務長官とトランプ大統領のドルに対する発言2017」

01月17日
トランプ大統領「ドルが高すぎる」(WSJインタビュー)

01月19日
ムニューチン「強いドルは長期的に重要」「強いドルを維持し米雇用を創出する様な通商政策を実施」(上院財政委員会の指名承認公聴会)

01月23日
「時折、過度に強いドルは経済に短期的にマイナスの影響を与える可能性がある」(上院議員への書簡)

01月31日
トランプ大統領「日本や中国は通貨安誘導をしている」(米大手製薬会社会合)

02月13日
トランプ大統領「不当に利益を得る者から米製造業の雇用も守る」(ムニューチン財務長官の就任宣誓式)

時系列に並べてみると「強いドル」志向の発言は1月19日の指名承認公聴会以降、控えられており、23日には一転して「強いドルは短期的にマイナス」とも発言しています。大統領もムニューチン財務長官の宣誓式で「不当に利益を得る者から米製造業の雇用も守る」と発言しているので、やはり「強いドル」よりは「弱いドル」に重点を置いている筈でしょう。

ただ、トランプ大統領は「ドル高とドル安どっちがいいんだ?」と側近補佐官に電話で相談したり、「一つの中国」をいきなり認めたのも側近のティラーソン国務長官に説得されて態度を変えた結果だいう報道もされています。

つまり、トランプ大統領は側近のアドバイス次第で今後も態度が変わる可能性があります。よってムニューチン財務長官の大統領へのアドバイス次第で「強いドル」容認路線にも傾く可能性も否定できないのでドル/円は引き続き、彼らの一挙手一投足に振り回されることでしょう。

直近でムニューチン財務長官が注目される日程は下記です。

03月15日
連邦債務上限引き上げ?

03月17日
G20財務相・中央銀行総裁会議

04月15日
為替報告書公表予定、中国や日本の位置付けは?

特に4月15日の為替報告書が注目されています。中国が為替操作国に指名されるのか否か、日本は監視対象国に入るのか否か。

東猴史紘

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