女児のスカートめくりという性的虐待を父親の知人や親戚がしている日本の実態

性的虐待に寛容な社会にNOを叩きつけて、子供たちが安心して過ごせる環境を実現していきましょう。

少し前になりますが、2017年1月4日放送の「ホンマでっか!?TV 」(フジテレビ系)のお正月スペシャルを観ていたところ、タレントのIMALU氏がスカート嫌いになったのは、幼い頃に俳優の堤真一氏等がスカートをめくって「パンツ丸見え~」とからかったからだと明石家さんま氏が笑って語っており、私は唖然としてしまいました。なぜこれが笑いになるのでしょうか? しかも被害を受けたのは自分の娘にもかかわらず...

大人による少女のスカートめくりは重大な性的虐待です。大人の女性にすれば犯罪であり、相手が少女だからと言って許されるはずがありません。むしろ青少年の健全な育成の観点からすれば、被害者が成人である場合よりも悪質であるとも言えるでしょう。決して笑い話にするべきものではありません。

番組内では、堤氏は「めくったのではなくて、めくれているのを指摘した」のような内容の主張をしていましたが、東スポの連載でIMALU氏は「私のスカートをペロッとめくってきた」と記述しています。主張が食い違っており、どちらが真実かは分かりませんが、一連の出来事が子供心にどれだけのダメージを与えたか想像に難くありません。

実際、IMALU氏はそのトラウマのせいで、バレエを習っていたけど舞台衣装のチュチュがイヤで辞めた、小学校6年間はズボンしかはけなかった、制服のブレザーのスカートに抵抗があったと大変苦労した過去を公表しています。

そして私がこの話についてTwitterで批判的な投稿したところ、似たような被害に遭ったことがあるという返信が続々と届きました。

「知り合いのおじさんにスカートをめくられてからスカート一切履いてなかった」

「スカートをめくられて嫌だったのでズボンに履き替えたら今度はずり下ろされた」

「祖父から無理やり肌着を脱がされそうになった」

「レスリングと言う名目で胸を揉まれた」

何ということでしょう!父親の知人や親戚によって少女たちへの性的虐待が日常的に行われているのです。とりわけ、お正月等の親戚や知人が集まる場で数多く被害が発生しているように感じました。

そして多くの場合、少女がそのような性的虐待に遭っている際に、父親は加害者を制止しようとすらせず、ただ笑っているだけというのです。信じられません!目の前にいながら自分の娘を性的虐待から守れないなんて、その親自身も虐待に加担していると言って良いでしょう。

もちろん親戚や父親の知人によるこれらの行動は、性欲が原因でも無ければ、好意が原因でもありません。単なる暴力欲や嗜虐欲です。小さな虫を殺して遊ぶように、まともに抵抗のできないからこそ、小さな幼児を相手に行っているわけです。卑劣以外の何者でもありません。

本人は「悪気は無い」なんて言うのかもしれませんが、イジメている意図無くイジメをする人や、セクハラの意図無くセクハラをする人がごまんといるように、悪気があるか無いかは一切問題ではありません。自分のしていることを「悪気は無い」と捉えるのであれば、それは単に自分のしていることが暴力であるということに関して無知なだけです。何が「虐待」になるかということに対してあまりに無頓着過ぎます。

ちなみに日本人女性は欧米の女性に比べて露出を嫌う傾向にありますが、それはファッション文化における影響だけではなく、このような性的虐待に幼い頃から晒されているということも理由の一つではないかと思うのです。

さらに状況を悪化させているのは、虐待を矮小化する日本の文化です。IMALUさんは虐待の被害に関して、「じゃれ合おうとしてくれただけ」「今では笑い話」と表現しています。女性が社会で"穏便に"生きて行くためにはそうやって被害を受けたことを矮小化しなければならない、それが今の日本社会と芸能界なのでしょう。

もちろん表に出る人間がそのように矮小化した言動を繰り返せば、当然市民はそれを模倣します。声を荒げて被害を訴えれば、「いちいちそんなに騒ぎ立てるなんて見苦しい」「まためんどくさいフェミがギャーギャー言っている」というセカンドレイプにも遭うわけですから、泣き寝入りを強いられているケースが大半でしょう。

とにかく、スカートめくりに限らず、様々な形で性的虐待をする父親の知人や親戚を絶対に許してはなりません。行政や立法が厳しく対応することは当然ですが、まずはこれが虐待であるという認識を広めて社会全体の問題意識や機運を高めるためにも、どうかこの記事を拡散して頂けると幸いです。私もそうだったように、おそらくこの問題に対してこれほど被害が発生しているということを知らない人が大半でしょうから。性的虐待に寛容な社会にNOを叩きつけて、子供たちが安心して過ごせる環境を実現していきましょう!

Author 勝部元気(Katsube Genki)

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恋愛氷河期』(扶桑社)

(2017年1月14日「勝部元気のソーシャルアップデート論」より転載)

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