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4歳以上年齢の離れた人とタメ口で会話することが大切な理由

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...come in all shapes and sizes. Black cutout on cream background.Different views of the friends: | timsa via Getty Images
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あなたには常語(以下:タメ口)で話せる、4歳差以上年の離れた友人がたくさんいるでしょうか?

おそらくそういう人は珍しいのではないでしょうか。仮にいたとしても、知人全体のパーセンテージからすれば、少数派だと思います。

◆敬語が人間関係の壁を作っている


日本では上下関係が厳しく、中学校に入った段階から、1つ年齢が違うだけで後輩たちは先輩たちに敬語を使わないといけなくなります。年功序列の厳しい運動部に入ったらその傾向はさらに強い。

生まれた日がたった数百日違うだけで偉そうにするなんて個人的にはとてもばかばかしいと思うのですが、多くの人がそれを当たり前かのように受け入れ、社会全体に「年上のほうがエライ」という年齢的役割が出来上がっています。
 
ですが、そのような一方的な敬語関係が存在するからこそ、年齢差のある関係に壁ができて、共感性を失い、腹を割って話す機会を減らしていると思うのです。そして、世代間の対立を招いていることに繋がっているのではないでしょうか?
 
実際、しっかり年下の本音を聞けずに嫌われてそれに気が付かない年上があまりに多いように感じています。特に、共感性が皆無になったおじさん上司たちが、女性部下が嫌がっているのも知らないケースは少なくないはずです。本人が哀れというだけならまだしも、それがセクハラ等に発展していたら最悪です。
 
他にも、先輩が後輩をマウンティングしたり、自分も通ってきた道だと言って理不尽を年下にも平気で押し付けたり、その悪影響は枚挙にいとまがありません。
 
さらに、シルバーデモクラシーに陥ることもこの延長だと思います。日本は西欧先進諸国に比べて社会保障の分配率や労働制度において若者を冷遇する傾向にありますが、その原因は歳の離れた相手に対する共感性の低さと、世代間意思疎通の少なさ、同じ社会に住む仲間だという意識の低さ等が根本的な原因にあるのではないでしょうか?

◆年下に尊敬されなくなる原因は年上自身にある


「最近の若者には年上を敬わないやつが増えている!」と言う人もいますが、私にはその原因は彼ら自身にあると思うのです。というのも、そういう人に限って「年上であること」に胡坐をかいて、年下に心から尊敬されるような振る舞いをして来なかったことも多いはずですから、敬われなくて当然でしょう。
 
その手の話になると必ず「若者に礼儀を教えろ!」と主張する人が現れますが、そのような解決策は180度間違っています。そんな表面的な強制をしてところで、年上はますます尊敬されなくなるだけです。
 
年下に上下関係を強要する人が、上の世代からの悪い影響しか受けず、どんどんネガティブな意味での「おじさん化」「おばさん化」が進行する。日本社会が、若いことを異常に賛美して歳を取ることに対して否定的な考え(≒エイジズム)の傾向が欧米以上に強いのは、そのように「年長者が自ら嫌われる仕組みにしている」ことと表裏一体のように思うのです。
 
そんなことを言うと、「日本人は礼儀を重んじる民族であり、年上を敬うこともその一つだ!」という反論が飛んできそうですが、本当に礼儀を重んじるのであれば年齢関係無く礼儀正しくあれば良いと思います。年下に礼儀正しくしなくて良いと考えている人が、本当に礼儀正しい人とは決して思えません。

◆問題なのは敬語そのものではなく「非対称性」


以上のことから、可能な範囲で常語(タメ口)を用いることが重要ではないかと考えています。
 
もちろん仕事の関係では雰囲気的に厳しい場合も多々あります。付き合いは長くとも、あくまで仕事だけの関係を保つためにあえて敬語を使い続けているパターンもあるでしょう。
 
また、職場で年下や同い年相手でも敬語や「さん付け」を使用することがようやく定着してきましたが、それ自体は良い傾向です。ちなみに私も偉そうな態度にならないために、このような論説文を書く時にあえて「ですます調」の敬語にしています。
 
さらに、中には年上にタメ口で話すことに対して抵抗感を持つ人もいますし、人との距離を縮めることに抵抗感があって敬語のほうが一定の距離を保てるから好きという人もいます。その一方で、中には敬語を使いながらも距離を縮められている人たちもいます。
 
誤解しないで頂きたいのですが、敬語の価値を否定しているのではなくて、あくまで年齢差等、非対称性な状態で表面的に使用されることが壁を作りやすい要因の一つとして認識し、可能な範囲で取り除くよう心掛けてみてはどうかという主張です。

◆年上から切り出してみよう


なお、常語(タメ口)を用いることは、年下側にもメリットがあるかと思いますが、それ以上に年上側にメリットが大きいでしょう。

また、同性以上に異性の年下と敬語抜きの抜きの友人関係を構築することがより重要だと思います。お分かりのように、異性というのは同性以上に共感性に乏しくなりがちです。特に男性は相手の心情を読み取るのが女性に比べて不得意な傾向にあると言われていますから、努力を怠ったらすぐ「年下から嫌われるオジサン」化してしまいますので要注意です。

年下側としてはいきなりタメ口で話すと嫌われるのではないかと考えてしまうと思いますので、まずは年上側から提案を積極的にすると良いと思います。ただし、その提案自身が年上からの押し付けになってはいけません。

もちろんタメ口でも、相手に対して敬意の無い言葉遣いはタメ口ではなく、ただの「ダメ口」です。やめましょう。また、形だけタメ口にすれば良いというわけではありません。しっかりお互い尊敬・尊重できる関係を作ることが大事です。
 
最後になりましたが、あなたは小さな子供に遠慮なくタメ口で話しかけられたこと無いですか? 彼ら彼女らのように純粋無垢な気持ちを忘れてしまった私たち。是非ともその心を取り戻して行きたいものです。どうか世代間対立が少しでも減ることを願っています。
 
※なお、タイトルで「4歳」としたのは、中学、高校、大学に通っている時に被らない層という意味です。
 
(2015年1月15日「勝部元気のラブフェミ論」より転載)