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シェアリングエコノミーを推進しよう

2015年08月25日 14時15分 JST | 更新 2016年08月24日 18時12分 JST

2015年8月22日付の公明新聞に、シェアリングエコノミーについての特集記事が掲載された、僕へのインタビュー部分の見出しは「経済活動の拡大に貢献」であった。公明新聞を手にする機会はなかなかないと思うので、インタビューの際に強調したことを、記事に残らなかったことを含め書き記しておく。

第一は、シェアリングエコノミーは新しい流れではないということである。遠くに旅をするのに野宿していた時代に他人と宿泊場所をシェアするビジネスが生まれ、野宿の不便が解消された。プライベートジェットがなければ海外旅行できない不便は、他人と席をシェアする定期旅客便によって解決する。自由貿易の価値を証明したリカード理論は、各経済主体が自身の得意な分野に特化することで、より高品質の財をより多く消費できるようになるというものだが、これは、経済主体が生産した財を他の経済主体とシェアする利益を示すものだ。このように、経済社会はシェアリングエコノミーによって発展してきたのだ。

第二に、既存ビジネスの商機を奪うと恐れるよりも、新しい機会を生み出すことの重要性である。カーシェアの例が記事に書かれている。高額の維持費が負担できない都会の若者も、カーシェアなら利用できると会員数は増加の一途を辿っている。これは、自動車会社にはカーシェア用の車両を販売する機会を与え、しかも、使用頻度が高いので買い替え周期が早まる可能性もある。佐賀市が定住促進事業として市営住宅を「お試し定住」用に提供しようとしたところ、佐賀県が旅館業法違反を理由に「待った」をかけたことがあった。民家を宿泊用に提供する民泊には旅館・ホテル業界からの反対があるが、お試し定住は既存ビジネスの商機を奪っているだろうか?

第三は、最近のシェアリングエコノミーに典型的な、サービス提供者と利用者の相互評価システムである。「集合知」という考え方を応用したもので、誰でも見えるように評価を公開することで、おかしな振る舞いをする人の情報は即座に共有され、場合によっては、排除される。シェアリングエコノミーは、情報通信技術を利用した相互評価システムによって、新たな発展期を迎えたのである。

シェアリングエコノミーには経済を発展させる可能性がある。これを阻害することがないように、旅館業法などの個別の関連法の改正や規制緩和が必要だ。それと同時に、シェアリングエコノミーを促進する立場からの一般法(基本法)を制定するというのも検討に値する。