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変わりゆくミャンマーと変わらない私たち

最近のミャンマーへの海外からの投資には、凄まじさを感じる。

2017年11月02日 16時52分 JST | 更新 2017年11月07日 15時41分 JST

最近のミャンマーへの海外からの投資には、凄まじさを感じる。

「まだまだこれからですよ」という人もいるが、寂れていた頃を知る私としては、これでもかなり凄いと思っている。

面白いもので、このようなことが起こると、人の心もすっかりと変化する。

ミャンマー人達は、俄然態度がでかくなり、自信も持ち始めている。

「自分たちの国は遅れている」いくらプライドが高くても、貧しい途上国だという現実を認めざるを得なかった人々が、プライドの裏返しから、すっかりとイメージを変えてしまった。特に、都会では。

 

私達は、貧しいミャンマーで特に貧困層の人たちへ医療を提供してきた。

幸か不幸か、第2の大都市マンダレーから車で1時間程のところに私達が医療活動を行う病院が位置している。

別に悪いことをしている訳ではなく、医療を受けることのできない人たちに医療を提供している。

一般のミャンマー人や、かつての軍政の時代の政府の人間、権威の中心である仏教僧侶達からは非常に好意的に受け取られてきた。

 ...当たり前?

ところがどこの世界にも、当たり前が当たり前でない人たちが存在する。

実はこの私達にとって当たり前でない人たちとは、ミャンマーでは"医者"と呼ばれる人たちであった。

かつては"医者"がヒエラルキーの頂上にいた。

しかし今は、一般の貧しいミャンマー人でもミャンマーは遅れていることは知っている。ミャンマーがどれ程遅れているか知らない人でも、日本が進んだ先進国だと知っている。だから、日本の医者に診てもらえるならば診てもらいたいのが人情というものだろう。

特に貧しい時代のミャンマーの"医者"たちは、金儲け主義の人も多く、政府の病院の給料が1か月1000円程度であった(まじで!)ので、彼らは毎日、午前中で公務をさっさと終了し、午後からはアルバイトへと出かけていった。おかげで患者たちは、主治医を捕まえるのがホントに大変だった。

そんな具合だから、日本の医者が治療し、日本の看護師達が一生懸命看病してくれる病院を、彼らは喜んでくれた。 

ところが患者たちが期待すればするほどに、面白くない人たちがいた。

その人たちこそが"医者"であった。

私達は現地ではマイノリティだ。弱い立場で、国籍もミャンマーではない。弱い立場の人間がいくら悪いことをしていないといっても、強い立場の人間から、あたかも悪いことをしているようにされてしまうものだ。

ミャンマー人の"医者"たちからの干渉は凄いものがあった。何度も、治療をできなくされそうになった。言いたいことは山のようにあっても、「それを言ったらおしまいよ!」の世界でマイノリティは黙っておいた方が賢明な方が多いのだ。

 

彼らを刺激しないように極力注意しながらやって来た。

アメリカ人ならば絶対にしていないだろう。アメリカ人ならばきっとお金の力で最新の設備を整えてやっただろう?

私達は日本の文化がバックにあり、どうしてもそれができなかった。それはお金の問題ではなく。

患者にとっては最新の設備を使うことの方がメリットがあると理解はできても、どうしても、ミャンマーの"医者"達のプライドも立てなければと思ってしまうのが日本の文化なのだ。

だから、いつもマンダレーの病院にある設備よりもランクが低い医療機器を使い続けてきた。手術用ライトも中国製で薄暗い。目が悪くなる。それでも我慢して、ミャンマー人の"医者"たちのコンプレックスを刺激しなかった。

 

結果、致命的となるような大きな対立も起こさず、何とか20年やって来た。

その間に治療できた患者たちの数はかなりになると思う。喧嘩して辞めていたら、これらの成果は全てこの世から消えていただろう。

我慢して良かった。

政府が代わり、時代が変わり、少しずつミャンマー人が自信を持ち始めている。自信を持ち始めて来ると、"医者"達の干渉も弱くなってきた。

海外からの支援が彼らの元にどんどん入り、最新の医療機器が当たり前に自前で持てるようになったのだ。

ふと気がつくと、私達の設備はまだ昔のままではないか!

手術用ライトも暗く、こちらが時代に取り残されたようだ。

そろそろ新しい今の時代に見合ったライトに替えてもいいかな?

そうしないと、今度は古い医療機器で治療をしているとクレームをつけられそうで。

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