「仕事が順調だな」と感じたら、今すぐ仕事を変わりなさい

外資系の考え方の一つに、「常に全速で成長し続ける」というものがあります。あなたが何となく「順調だ」と感じているなら、今すぐ仕事を変わることを考えた方がいいです。
足立光

外資系で叩き込まれる考え方の一つに、「常に全速で成長し続ける」というものがあります。会社での自分のキャリアステップを討論する時も、「そのキャリアに進むための経験やスキルを最短で身に付けるためには」という観点からされることが多いですし、同じ仕事を長く続けすぎないこと、どんな高いポジションになってもトレーニング・研修や自己研鑽を求められること等も、同様の考え方から来ます。

この「常に全力で成長し続ける」という考え方を「是」とするならば、もしあなたが今の仕事で何となく「順調だな」と感じているのであれば、今すぐ仕事を変わることを考えた方がいいです。別に転職しなくても、同じ会社の中で仕事を大幅に増やすなり、新しい知見が必要とされる仕事に移る、というという方法もあります。この理由は3つ。

1)仕事が順調ということは、あまり大きな困難が無くても、結果が出てしまうということです。確かに生活は安定するかもしれませんが(これまでの経験値で仕事が回るようになるので)、その仕事では全く新しい経験や困難に当たることはありません。「仕事が順調」ということは、「自分の成長が止まっている」のと同義です。

2)日本には「苦労は買ってでもしろ」ということわざがあります。実際、今までの考え方や経験が通用しないような「修羅場」をくぐり続けることこそが、新しい「経験」を積んで「全力で成長し続ける」には一番の近道です。「修羅場の数」こそが「経験」です。普通に回る仕事を何年続けていても、それはキャリアに繋がる「経験」ではありません。

3)自分のキャリアを作るのは、結局のところ自分です。自分の成長スピードが「全力」なのかどうかも、自分にしか判断できません。なので、仮に会社が自分のキャリアのために次のステップを用意してくれていたとしても、それを受け身で待つのではなく、自分自身で自分のキャリアのリーダーシップをとる(この場合では、仕事を変わろうと自ら動く)方が、間違いありません。

私自身も、「常に全力で成長し続ける」ために、「現状に安住せず、常に新しい経験を追い求める」ことを実践してきたつもりです。米国系消費材メーカー時代は、日本人として初めての韓国赴任を実現しました。コンサルティング会社時代は、担当プロジェクトのパートナーとマネージャーが突然退職する中で臆する事なく(当時アシスタントであった私が)プロジェクトのリーダー役を引き継ぎました。ドイツ系消費材メーカー時代は、全世界で初めて一般と業務用の責任者を兼任したり、日本人として初めてアジア複数国の責任者となりました。現在の厳しいビジネスの状況と、日本企業で働いたことがないというハンディキャプを理解した上で、現在のワールドに転身しました。そして今年10月からは、今話題の日本マクドナルドで、新たなチャレンジに挑戦します。

是非みなさんも、自分が「常に全力で成長し続ける」ためには、今の状況が最適なのか、適宜立ち止まって、冷静に分析してみて下さい。もし今の仕事が「順調」だと感じているのならば、それはあなたのキャリア・成長のためには、もしかして黄信号が灯っているのかもしれません。

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