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人気ランキング上位の日本企業に就職して一生安泰に過ごせると考えているのなら、今すぐ考えを改めた方がいい

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Gaishikei Leaders
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もしあなたが学生さんか、まだ20代の社会人で、就職人気ランキング上位にあるような日本企業に就職しようとしていて(すでに就職していて)、それで一生安泰な生活ができると考えているなら、今すぐその考えは改めた方がいいと思います。日本経済と日本企業が成長していた時代ならともかく、今の時代は「日本や日本企業だけではなく、世界で通用するようなスキルや経験を獲得できるようなキャリア」、すなわち「グローバルキャリア」を目指さなければ、将来の活躍の機会は限られています。その理由は3つあります。

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まず第1の理由は、今後、世界の中で、日本市場の存在感が圧倒的に低下していくという事実です。世界のGDPに日本市場が占める占有率は、1990年には15%あり、日本はアメリカに次いで世界第2位の経済大国でした。ところが2013年にはこの占有率は7%まで低下しており、2040年には3%程度まで低下すると予測されています。低下の比率やスピードには諸説ありますが、日本市場の規模としての存在感が、世界の中で低下していくことは間違いありません。これは、日本市場・日本企業だけで通用するキャリアを歩むと、1990年には世界の15%で勝負できたものが、2040年には世界の3%でしか通用しないということを意味しています。

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実際、世界に占める日本企業の存在感も、残念ながら低下しています。2005年には81社の日本企業が「フォーチュン500社」にランキングされていたのに、2011年には68社に減っています。

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日本企業がグローバルで元気が無い大きな理由は、グローバルキャリアを積んだリーダーが、日本企業の中で育っていないことです。実に、7割以上の日本企業が、「グローバルリーダー(グローバルな異動の対象となり、世界の各地域や本社の経営を担う人材)の育成がうまく進んでいない」という認識を持っています。日本企業は世界で戦っていくための人材不足、というわけです。

今後、日本や日本企業でだけ通用するキャリアを積んでも、ビジネスで成長・活躍する機会は限定的であり、日本企業のグローバルでの活躍にも貢献できない、ということがわかります。

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第2の理由は、ビジネスに加えて、情報や人材が国境を越えてグローバル化していることです。ビジネスのグローバル化は既知のことと思います。いわゆるメガシティ(人口1000万人以上の都市圏)は、2010年時点ではほぼ北米・ヨーロッパそして東アジアやインドに固まっていますが、今後は南米も含め、世界中で誕生していきます。ビジネスのチャンスが世界に広がっていくことを意味しています。

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またインターネットにより、世界の情報格差が無くなったというのは一面で真実ですが、情報格差が更に開いた、というのも真実です。というのは、2013年時点で、インターネット上で使われている言語の半分以上は英語と中国語であり、日本語は4%に過ぎません。これは、日本語しかわからなければ、インターネット上の情報の4%しか理解できないことを意味します。英語と中国語がわかればインターネット上の半分以上の情報を理解できるのと比較すれば、大きな格差であることは一目瞭然です。

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加えて、国境を越えた人材獲得競争、特に熟練(高度な)労働者の、グローバルでの移動も、既に始まっています。グローバル企業が、世界で勝っていくために世界中の優秀な人材を獲得しようという「War for Talent」という動きは、もう何年も前から始まっていますし、国を超えた異動を伴うようなヘッドハントも今では珍しくありません。

つまり、語学も含めて、世界を舞台にした活躍ができるようなキャリアや経験を積めば、世界の舞台で大きな活躍の機会が待っているわけです。

第3の理由は、「想定外」なことが起こるのが「普通」の時代になったからです。2010年の欧州通貨危機、2011年の東日本大震災やアラブの春、2012年にアメリカを襲った大型タイフーンのサンディ、中国での反日デモ等、想定もしてなかった大事件が毎年、世界のどこかで起こっています。2014年にも、政治的に安定していると信じられていたタイや香港でデモが起き、都市機能が麻痺したりしました。

今の時代、いつ何が起きるかわかりません。どんな日本の大企業に入っても、ある日突然にリストラされるかもしれませんし、外資系企業に買収されてしまうかもしれませんし、部署ごと売却されてしまうかもしれません。少し調べればわかりますが、ここ数年、そんな事例は無数にあります。就職ランキングで上位にいるような人気の日本企業は、決して安泰な選択肢ではありません。

何かあった時に路頭に迷わないためにも、世界のどこでも通用するようなキャリアを、会社や社会に頼ること無く、自分自身の責任で構築していかなくてはならない時代が来ています。

これらの3つ理由は、世界の「メガ・トレンド」とも言うべき、誰もが逆らうことのできない時代の流れです。ここまで将来が明確に推測できる中で、グローバルキャリアを目指さない理由がありません。なのに、相変わらず就職人気ランキングの上位の大半が伝統的な日本企業で占められていることには、正直疑問を感じずにはいられません。

グローバルキャリアを目指すには、日本企業でも可能かもしれませんが、他にも有効な選択肢があるはずです。これから就職しようとしている学生の皆さん、またこれからキャリアを積んでいこうとしている若い社会人の皆さん、自分の選択を再考してみてはいかがでしょうか?

GAISHIKEI LEADERSは、外資系企業での仕事等を通じて日々グローバル社会とかかわってきたメンバーが、自らの『和魂洋才』を一層磨き上げ、社内外で活用し、グローバル社会と調和した、開かれた元気な日本の未来を実現することを目指し、設立されたコミュニティ・プロジェクトです。『和魂洋才』の梁山泊となり、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞等の課題に対して、新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動を展開しています。

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