生理中の女性は不浄----ネパールの慣習「チャウパディ」罰則化の次に求められること

ネパール議会は、月経中の女性を不浄な存在と見なして屋外の小屋に隔離する「チャウパディ」を犯罪として規制し、違反者に刑罰を課す法案を可決した。

8月9日、ネパール議会は、月経中の女性を不浄な存在と見なして屋外の小屋に隔離する「チャウパディ(Chhaupadi)」を犯罪として規制し、違反者に刑罰を課す法案を全会一致で可決した。

参照:【8月10日 AFP】ネパール、生理中の女性を隔離する慣習「チャウパディ」を犯罪化

前回のブログに書いたが、チャウパディは2005年に廃止されたものの、地域社会に根強く残り、隔離中の少女が暖を取ろうとして窒息死したり、蛇に噛まれて死亡したりといった事故が後を絶たなかった。

ここにきてやっと罰則化されたわけだが、併せて女性たちに衛生的な生理用品を頒布する必要がある。

ネパールに限らず、月経小屋に隔離されている女性たちは、布や古紙のほか、砂や枯れ葉、わら灰の上に座り、経血を吸収させるという方法を取っている。そして意外なことに、当地の医師によれば、これら"生理用品"の中で最も体に悪いのは布だそうだ。

なぜなら、他のものは使い捨てだが、布は何度も繰り返し使うからである。不衛生な水で洗い、"不浄だから太陽の下に干せない"雑菌だらけの布を使うことで感染症にかかり、不妊になる女性もいる。

厄介なことに、月経不浄視が強い地域では、生理用ナプキンに対するタブーも強い。例えば、「使用済みナプキンの上を蛇が通ると結婚できない」といった迷信もある。しかしこうしたタブーは、一旦ナプキンが普及すれば、その利便性の前に短期間で解消されていくだろう。

ナプキンに限らず、経血の漏れなどがない適切な生理用品が普及すれば、女性たちは月経中であることを周囲に悟られなくなる。そして自身も月経中であることを忘れ、ついタブー(宗教関連施設に入る、漁具に触れるなど)を犯してしまうということもあるだろう。その結果、何ら"障り"がなければ、女性たちのみならず地域社会もそれが迷信であるということに気づき、月経不浄視は徐々に廃れていくに違いない。かつて日本がそうであったように。

女性たちの生活を支えるためだけでなく、月経不浄視を解消するためにも、適切な生理用品の普及が望まれる。

田中ひかるのウェブサイト

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