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冬の北海道での医療 初期研修医の報告

2016年03月09日 02時44分 JST | 更新 2016年03月09日 02時44分 JST

私は北海道北見市にある北見赤十字病院の初期研修医1年目です。昨年の秋頃には当院やオホーツク地域の医療について簡単に紹介させていただきました。

http://www.huffingtonpost.jp/hiroaki-saito/kitami-city-hospital_b_8248576.html

今回は福岡出身としての私から見た真冬の北見と、初期研修医としての私から見た冬のオホーツクの医療について簡単に紹介させていただきます。

冬の北見にまず驚いたことは、「冬は洗濯物が外に干せない」ことです。

今年1月の“最高”気温の平均はマイナス3.3度。頭ではわかっているつもりでしたが、よく晴れた日の日中に、「さすがに晴れていれば大丈夫だろう」と、外に干した私の洗濯物は数十分後にはカチンコチンに固まってしまいました。そのくらい寒い地域です。

北見市には11月の下旬から雪が積もりました。12月以降は積もった雪が解けることはなく(根雪というそうです)、病院から眺める北見市街は常に真っ白です。オホーツク地域の積雪量は多くないほうと聞いていましたが、1月の中旬に全国的な大雪に見舞われた頃は道沿いに背丈ほどの雪がどんどんと積まれていました。

医療に関しては基本的に暖かい時と変わらないと思いますが、やはり厳しい冬の気候ということで全体的に冬の方が病院は忙しく動いている印象があります。例えば整形外科。

積雪後は雪道での転倒や雪かき中の転落などで病院に運ばれるという冬ならではの受傷が増えます。整形外科を回っている同期は連日のように臨時の手術が入るためにてんてこ舞いです。

かくいう私も積雪した初日に凍った道路で転倒して怪我をしました。職員の方には「雪道の歩き方がわかっていないから、、」と笑われたものです。

救急当直をしている際にも冬国らしさを感じることができます。雪の積もり始める時期にはスリップして、対向車と衝突し交通外傷、という例を何件か経験しました。なまじ真冬よりも積もり始めたくらいの時期の方が運転手も慣れていなくて、雪にハンドルを取られて滑ってしまう、ということのようです。

近くの網走湖では冬になると氷上にテントを立ててワカサギ釣りをするというのがこの地域の冬の風物誌の一つですが、テント内の暖房で年に何回か一酸化炭素中毒が起きる、ということを知り合いの消防士の方に聞いたことがあります。

実際にワカサギ釣りのテントで、ということを私は見たことがありませんが、暖房器具やその他の理由で一酸化炭素中毒の方が来られることはありました。

研修医の勉強会でも、例えば「もし雪崩に巻き込まれた低体温症の人がきたらどうすれば良いのだろうか」などこれから体験しうる事態も想定して学びの機会を増やしています。

本州では早くも「春一番」が吹いたというニュースを聞きながら、まだまだ冬真っ盛りの北見市の研修医の報告でした。

(2016年2月23日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)