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諜報活動の民間委託?-ニュースの定点観測(5)

2013年07月22日 00時45分 JST | 更新 2013年09月20日 18時12分 JST

今世界を騒がせているスノーデン元CIA職員。といっても実は、CIAに派遣された契約社員だったらしい。

ニュース・ウェーブで紹介されたところでは、アメリカの情報機関は世界で最も開かれていて、国家情報長官のもとで情報を分析する専門家の多くは外部から来た民間人とのこと。諜報活動の外注化も進み、そういった大手諜報企業を買収する投資ファンドもある・・。

日本では民営化や民間委託を進めようとすると、利潤追求を目的とする民間企業に公共の仕事は任せられない、とする考え方がいまだに根強い。

しかし、鉄道、郵便、情報通信サービスだけでなく、刑務所はじめ多くの公共施設の運営が民間企業によって行われているし、いまや民間の専門知識なしには法律を作ることさえ難しい。審議会だけでなく、最近は立法作業に弁護士や現場に詳しい民間人を含めた専門家が参加するようになった。

役所の情報システムを維持するのに、ITの専門家を公務員として育てるのは無理だし、一般事務にしても相当数の有期の非常勤職員によって支えられている。かたちの上では公務員でも、終身雇用と身分保障を引きずった公務員だけではもはや公務を維持できないのが現実だ。

そもそも広く国民や利用者の公共の利益を考えて仕事をするのは、公務員だけではない。民間人や企業も「公」の大事な担い手である。守秘義務については法律で課すか契約で縛るかの違いだけだ。

アメリカは、世界最高の情報機関にするため、情報漏洩のリスクはあっても、最先端の民間の知恵を活用し続けるに違いない。

日本は役所に限らず会社も終身雇用と引き換えに高い忠誠心を求める。アメリカのように契約に基づいて広く人材を組織に取り込むのは、すぐには難しいかもしれないが、少なくとも役所は身分としての公務員制度から早く脱却しないと、高い専門的能力をもった統治機構は維持できないだろう。