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保育士の激務を緩和するために、政府が今すぐできる規制緩和

2016年03月24日 23時35分 JST | 更新 2016年03月24日 23時42分 JST

保育士不足で最も大きい理由は、給与の低さですが、「激務で体力的にしんどい」「休みづらい」という労働環境に関する要因も、かなりあります。

nursery workers

子ども相手に一日中走り回ったり、だっこしたり、動き回ったりする保育士さんなので、体力的に大変というのは想像しやすいですが、「休みづらい」というところは、一般の方が気づきづらいポイントです。

保育園というのは、平日だけでなく土曜日も運営しなくてはならない制度になっています。よって、保育士さんたちの勤務は、月曜日から金曜日までではなく、月曜日から土曜日までです。

しかし、働くのは週5と決められていますので、平日どこかで振り休を取る形になります。よって、休みがまず安定しないわけです。

また、人員をギリギリで回していると、平日例えば保育士さんが風邪をひいてしまうようなことがあると、休みのはずの保育士さんに召集をかけて、「ごめんけど回らないからやっぱりシフト入って」ということになります。こうしたことが、休みづらさと体力的なきつさを生み出します。

(ちなみにフローレンスでは、こうした事態でも休めるよう「ヘルプマン制度」をつくりました。 )

つまり、土曜保育が労働環境を劣化させる要因の一つとなっているのです。

那覇市では、市長が「土曜保育使わないで」とお願いまでする始末

那覇市:保護者に「土曜は家庭保育を」 保育士負担減へ協力願 /沖縄 - 毎日新聞 http://bit.ly/1LIoqt

とはいえ、土曜日仕事の人もいるので、土曜保育は間違いなく必要である、ということはちゃんと言っておきたいと思います。

一方で、土曜保育の利用率を見てみましょう。川口市の調査(http://bit.ly/1LIonNP)によると、ほぼ毎週利用したい人が7.9%、月に1〜2回利用したい人は20.3%。合わせて全体の3割弱の利用率です。100人の園だとしたら、15人〜20人が利用する形となります。12人の小規模認可保育所だと、2人〜3人。

この3割の家庭のために、保育園側は保育士を規定の人数を配置すると同時に、給食を出すとしたら調理スタッフをいつものように配備します。

しかし、ここに無駄があります。

例えば、こうしたシチュエーションを想定してみましょう。

小規模保育所Aで2人の子どもが土曜保育を利用するとします。保育士は2人必要です。なぜなら、1人の保育士がトイレに行ったりすると目が離れてしまうし、体調が悪くなったらヘルプできないからです。しかし、保育士2人だと6人は子どもをみれるキャパがあるのです。そうすると、2人÷6人で33%の稼働となり、キャパを生かしきれていないわけです。

nursery integration

では、この土曜保育を、お隣の小規模保育所と一緒にできるとどうでしょう?

お隣の小規模保育所Bでも、2人の子どもをお預かりしていて、保育士が2人います。2つの保育所合わせて、4人の子どもをお預かりすることになりますが、必要な保育士は2人です。

別々に行うと4人の保育士が必要になるところを、2人の保育士で大丈夫になりました。そうすると、差分の保育士2人はお休みできるようになります。保育士は休みを取りやすくなり、体力的にも少し楽になります。

これは保育の質の向上にとっても、良いです。普段は触れていないお隣のベテラン保育士と触れ合えて、意外な学びを得ることもできるかもしれません。お隣の保育所の様子を聞いて、「ああ、そういうやり方もあるんだ」と勉強になることもあるでしょう。

先例もあります。医療でも、休日や夜間、年末年始をそれぞれの病院で行うと非効率なので、「休日・夜間窓口」や「年末年始窓口」を設け、開業医の方々が輪番で詰める、ということをしていますね。需要に合わせ、供給側が個別の壁を超えて協力し合う、ということは、すでに他分野で行われているのです。

保育でできないわけがありません。そんなわけで、「土曜保育の共同実施」の解禁、ぜひ宜しくお願いします!!

(2016年3月24日「駒崎弘樹公式サイト」より転載)