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駒崎弘樹 Headshot

東京都議選、各党の子育て支援公約を見比べる

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都民であり、東京都で保育事業をしている認定NPO法人フローレンスの駒崎です。
公示日を迎え、東京都都議会選挙戦が始まりました。

本日は、内閣府子ども子育て会議という有識者会議の委員であり、現場で保育事業を営む専門家の立場から、東京都議会選挙の各党の公約を見比べてみたいと思います。

僕が今の東京にとって重要なトピックだな、と思うものを縦軸に、横軸に各党を入れてみました。

すると、以下のようになります。

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それぞれ具体的に評価していきましょう。

【自民党】http://www.togikai-jimin.jimusho.jp/wp-content/themes/tjimin/images/seisaku2017.pdf

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・「保育サービスを大幅に拡充し、待機児童をゼロにします」と待機児童問題に触れたり、「女性がいきいきと活躍できる社会を実現」と謳っています

・一方で、政策集のようなものはなく、一行だけのお題目だけ掲げている印象は否めません。

・保育士処遇改善、病児保育、障害児保育、子どもの貧困等、言葉すら出てこず、あまりにカバーしていないテーマが多すぎます

・具体的なもので、唯一有効性が感じられるのは、「都営住宅を活用し、子育てしやすい住環境を積極的に整備」という点で、住宅のセーフティネットは、特に低所得層で大変重要になります

【公明党】https://www.komei.or.jp/news/detail/20170512_24152

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・「在宅で(障害児を)ケアをする保護者のレスパイトケアを目的とした一時受け入れ施設を増設」「産後の不安定な状態をケアするため、宿泊型の産後ケアセンターを拡大」等、インフラが行き渡っていない領域への言及を行なっています

・また、放課後子ども教室や病児保育等、ニーズが明白だが、サービスが追いついていないところについてもしっかりと押さえています

・全体的に最も取りこぼしなく、幅広く子ども政策を網羅していると言える公約内容となっています

・難を言えば、待機児童対策については、「認可保育所や認証保育所、認定こども園、保育ママ(家庭的保育)などを拡充」としていて、最も増加率の高い小規模認可保育所が入っていないことに詰めの甘さを感じます

・また、こうした既存類型の保育所を、「どのように」増やしていくか、に踏み込めるともっと良かったです

・例えば認可園を増やすためには、土地や物件が必要なので、都有地を積極的にオープンにしていったり、保育園用の土地を出してくれた物件オーナーへのインセンティブを明示したり、ということですね

【都民ファースト】https://tomin1st.jp/wp/wp-content/themes/tomin1st/seisaku.pdf

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・公約の方は「待機児童解消条例」という曖昧なものですが、政策集では政策の詳細に踏み込んでいます

・手法としては、都所有の土地・建物の有効活用、保育所併設による容積率緩和、保育士の処遇改善、基礎自治体と事業者への財政支援と、手堅いものが並びます

・また病児保育や障害児保育の充実等、待機児童解消以外の周辺課題についても、きちんと押さえられています

・特に医療的ケア児やダウン症等、障害児に対する記述は他党より多く、マイノリティへの配慮が伺えます

・全体的にテーマのカバー率は最も大きかったと思います。一方、他の政党もそうですが、児童虐待対策への言及がないのが残念

【共産党】http://www.jcp-tokyo.net/2017togisen_uttae/

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・公約を印刷すると28ページあって、そのうち4分の1以上を豊洲に割いていて、完全に豊洲移転中止が優先順位となっています

・その中で、子育て支援項目では主に待機児ゼロに言及していますが、「認可保育所を9万人分増やす」と言っています

・認可保育所はつくるのに大きなハードルがあるため、多様な保育を、という流れで来ているのですが、多様な保育への言及は特になく、認可保育所一択なのは実現性に乏しい、と言わざるを得ません

・一方で、保育士の処遇改善、土地の確保、保育の質確保について言及している点は、評価できます

・また、子どもの貧困についても項目を立て、ひとり親家庭に出される児童育成手当の増額に触れているのは、唯一共産党のみです

【維新の会】https://goo.gl/aqJrNA

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ベビーシッターバウチャーに触れているのは、着眼点が良いです。認可保育所等には公的資金が多く投入されているのに対し、ベビーシッターのような居宅訪問型の保育については、いまだ税投入はほとんどなされていません

・また、「不妊症・不育症の経済支援等」も重要で評価できます

・一方で、病児保育・学童保育・障害児保育等に一切言及がなく、昨今深刻さを増す子どもの貧困等にも触れていないので、マイノリティへの視点が欠けていると言わざるを得ません

【民進党】http://www.dp-tokyo.jp/wp-content/themes/minsyu/pdf/tokyo_manifesto_2017.pdf

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・都議選において退潮著しい民進党ですが、意外に、といったら失礼ですが、公約については非常に光るものを感じます。

重点公約のトップに「子どもファースト」をあげ、保育士処遇の改善、保育士の労働負担軽減等、待機児童のボトルネックが保育士数であることをしっかり理解した上での施策を出しています

・また、保育所用の公有地の洗い出し、近隣住民対策等ハード面にも触れているのは、新規園設置の難しさについて分かっている人が書いているな、と思わせます

・また子どもの貧困対策は、小中学校での給食無償化、都独自の給付型奨学金拡充、学習塾の受講料支援、居場所作り等、各党と比較しても最も充実しています

・児童虐待防止についても、唯一と言って良いほど詳細に言及しています

あとは実行力ということで、公約以外の部分が課題というところですが、今回は純粋に公約での比較ということで考慮には入れません

【まとめと課題】


・全体的には、公明党・都民ファースト・民進党の公約が、子育て支援における各領域をカバーしていると言って良いでしょう

・しかし、全ての党に言えますが、単なる言及が多く、具体策がないのは本気感が見えてきません

・さらに、児童相談書は東京都の管轄なのだから、児童虐待対策についてはもっともっと取り上げてもらいたいのですが、民進党以外は触れてもいない、というのは由々しき自体です

・いくら虐待されている子どもには票がないからと言って、軽視して良いはずはありません

・また、これらの公約については、言ったかららには全ての項目でロードマップを選挙後つくって、「実際に」やってもらわなくてはいけません。これは、有権者である我々が、「受からせっぱなし」で終わるのではなく、たえず「あれどうなった?」と問うことで尻を叩いていかねばなりません

・こうした政策比較が、7月2日、皆さんが投票用紙に向かう際に、参考になれば幸いです

(2017年6月26日「駒崎弘樹公式サイト」より転載)