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望月優大 Headshot

情報発信主体としてのNPOのポテンシャル

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細々とですがNPO支援のようなことをやっている身として、いつも思っていることを書いてみます。

NPOの方は現場での活動だけでなく、対外的な広報活動についても力を入れて行っていることが多いと思います。そのために、自分たちが関わる社会問題、その問題に対する自分たちの活動について、どんな方法で、どんな伝え方をすればよいか。支援者を集めるために、どのような切り口でどのようにお願いをすれば良いか。そういったことを日々考えているかと思います。

こうした文脈において、NPO側の視点から見た広報活動は「現場」の活動に対する後方支援という意味合いが強くなります。支援者のために活動する現場に対して、お金や人をしっかり送り込む。そのために現場の活動をしっかりと社会にアピールする。それは言い方を変えれば「自分のため」に行う情報発信とも言えると思います。でも、その同じ情報発信が別の意味で社会をとても豊かにする、私はそう考えているんですね。

私は、NPOによる情報発信が、彼らが日々戦っている現場の支援だけでなく、様々な意見やメッセージが飛び交う「公共圏」自体を豊かにしていくという大きな力を持っていると思っています。もちろんNPOのスタッフの方は職業ライターではないので、ものを書くプロフェッショナルではありません。

しかし、それぞれが関わる社会問題についての知識や経験に関して言えば、大きな新聞の記者さんや国家官僚だって全然しのぐこともありえると思います。毎日その問題に関わり、現場で人の顔を見ているから当たり前といえば当たり前なのですが、そのことが世の中ではまだまだ知られていないかもしれません。

私はいまインターネットやメディアに近いところで働かせていただいているので、NPOの皆さんの情報発信をお手伝いすることで、こうした点に微力ながら貢献していけたらいいなと考えています。NPOが既存メディアから取材されるのを待っているのではなく、良質な情報をみずからどんどん出していく。そんな社会になったらいいなと思っています。

以下、いくつか最近自分が関わったり、会ってお話伺ったことで上の内容に関わるかなと思ったことを書いてみます。

ハウジングファーストイベント(つくろい東京ファンド/世界の医療団)


ホームレス支援の新しい形である「ハウジングファースト」に取り組むつくろい東京ファンドの稲葉剛さんと世界の医療団の森川すいめいさんとイベントをしました。

空き家で貧困を解決する!?「ハウジングファースト」とは

少年院スタディツアー(育て上げネット)


若年無業の問題に取り組む育て上げネットの工藤代表がコーディネイトしてくださった、茨城農芸学院という少年院のスタディツアーに参加させていただきました。ツアーという形で発信力や社会的影響力がある人たちを現場に連れていく試みとして素晴らしいと感じました。こちらに個人的な感想を書いています。

少年院訪問記

スゴいい保育(フローレンス)


フローレンスのオウンドメディア「スゴいい保育」の運営について聞かせていただく機会がありました。病児保育や小規模保育、障害児保育、養子縁組に取り組むフローレンスさんは駒崎代表個人の情報発信力がすごすぎることも去ることながら、団体としてもオウンドメディア運営までやっていてほんとにすごいです。

駒崎さんが登壇されたイベントにモデレーターという形で参加させていただく機会も最近ありました。

社内ランチも一つの情報発信の場


少し毛色が違うのですが、いま勤めている会社で学生インターンをしてくれている松岡くんがReBitというNPOのメンバーでもあるので、社員みんなでランチを食べるタイミングでLGBTをテーマにした発表をお願いしました。社員も数十人いるので、社内ランチでの発表も一つの立派なイベントになります。とてもわかりやすくて勉強になりました。

それ以外にも、関わりをもたせていただいているNPOの方たちが様々なオンラインメディアで積極的に発信しているのを陰ながら応援しています。駒崎弘樹さん工藤啓さん大西連さんなど、NPOを運営されながら情報発信主体としても凄まじい活動をされている方がたくさんいますし、ジャーナリストや学者の方たちに加えて、NPOの方たちがどんどん情報発信していくことで、良質な情報がどんどん増えていくことを願っています。

私自身も、情報発信主体としてのNPOのポテンシャルが開花していく未来のために自分なりにできる支援を継続していきたいと思いますし、みなさんもぜひそういった目線でNPOやソーシャルセクターのプレイヤーの活動に注目してみてください。

(2016年8月25日「HIROKIM BLOG」より転載)