かわいい父子には旅をさせろ!~父子旅行のススメ~

夏休みは子どもとじっくりと向き合うことができる時間。そこでおススメしたいのが「父子旅行」だ。
Gerry Thomasen/Flickr

海の日が訪れ、本格的な夏休みが始まった。

なかなか日頃子どもとの時間を作ることができないパパにとって、夏休みは子どもとじっくりと向き合うことができる時間。そこでおススメしたいのが「父子旅行」だ。

パパにとっての効用

子どもが未就学児だと、パパがいきなり子どもと宿泊を伴う旅に連れて行くのは少々ハードルが高いかもしれない。なので、日帰り・近場から始めてみるのがいいだろう。パパと子どもだけで出かけることで、パパは自分で何でもこなせなければならなくなる。子どもが小さければ、オムツやミルクなどの育児系のスキルが必要になるし、子どもといろんな接し方を学ぶことで遊び系のスキルも向上させることができる。

目の前にいる子どもとスキンシップを取りながら関わっていくことがパパにとってかけがえのない時間になるはずだ。ママが普段どうやって子育てしているかをパパが体感することで、夫婦で子育ての大変さを共有することにもつながり、パートナーシップを高めるチャンスにもなる。

子どもにとっての効用

子どもにとっても、父子旅行を体験することで、パパの「生態」をじっくりと観察できるチャンスとなる。平日は、パパが帰宅が遅くて、いるんだかいないんだかわからなくなってしまっている家庭にとって、父子旅行を通じてパパがどういう人間なのかを垣間見ることができるようになる。場合によっては、パパじゃなきゃ面白くない「遊び」も生まれたりすることだろう。

ママとパパがいれば、ママを選択するが、パパと知らない人がいればパパを選択する。そうした機会を持つことで子どもはパパに信頼を寄せるようになり、「ママ、ママ~」の状態から脱し、ママがいなくても乗り越えていけるようになる力を身に付けていくことになる。

ママにとっての効用

一方、ママの中には、普段子どもと接していないパパに子どもを託すのは「とてもじゃないけど怖くてできない」という声をまだまだ多く聞く。子どももママにべったりで、パパには寄りつこうとしない。しかし、その関係性がママの負担を一方的なものにしてしまっているという面もある。

なので、最初は1時間でもいいから、パパと子どもでお出かけをさせてみてはどうだろうか。たった1時間でいい。その1時間を乗り越えたら、ママの気持ちの中にも「パパには1時間預けても大丈夫なんだ」という安心感・安堵感が生まれる。それが慣れてくれば、2時間、3時間と時間を増やしていくことで、ママにとっても時間的な余裕が生まれてくる。

その余裕がママにとっては「次」への原動力になるに違いない。普段は子育て一辺倒で自分の時間が持てないママにとって、その余裕を生み出すのがなかなか難しいもの。政府が「女性の活躍推進」などと声高に叫んでいるが、まずはその時間的な余裕を確保していくことが、ママにとっての「次」を考える好機となる。特に、専業主婦のママの中には、「子どものため」だけに身を投じてしまっている人もいる。自分のことはなるべく考えないように訓練をしてしまうことで、ママが自分の人生を考える力を弱めてしまう。父子でお出かけをしている間に、ママが考える機会を作ることで、自分が何をしたいかという未来を描き出す力を育てることができるようになる。

パパが父子旅行をする社会的な意義

日頃から父子旅行をしておくことで、家族旅行も楽しくなる。子どもがママにべったりだと、旅行中もママはリラックスできずに気が気じゃない時間を過ごすことになるが、父子旅行の経験が活かされて、家族旅行でもパパと子どもとの時間が増えるようになる。

パパ、子ども、ママにとって、父子旅行は貴重な時間を与えてくれる。

そして、この夏休み。父子旅行は小学生からでも遅くはない。育児的なことをする必要もなく、とことん子どもと向き合い「遊び」を実践することができるのだ。

できればお盆のトップシーズンをずらして、年次有給休暇を取得し、その前後に父子旅行をするのが理想だ。観光庁が提唱した「ポジティブオフ」は若干トーンダウンしてしまったようだが、年休取得率が依然として5割に留まり、2020年に70%という政府目標にも遠く及ばない状況を考えれば、もっとパパたちに父子旅行の大切さや楽しさを訴えて、年休取得率向上にも貢献したいものだ。

長時間労働を抑制することは是が非でも必要だが、その一歩として父子旅行のために年休を取ることで、働き方を変わるきっかけにもなるだろう。

駆け抜けていく子どもの成長に寄り添うために、パパと子どもの関係がギュッと縮まる父子旅行を是非、この夏休みにトライしてみてはいかがだろうか。

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