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中国で日本車販売が絶好調

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中国で2012年に巻き起こった日本車排斥騒動、デモ隊が日本車を取り囲み破壊する映像がまるで嘘だったかのように、その後は中国での日本車販売は回復し、また好調を続けています。そしていかにも破綻寸前だともいわれる中国経済ですが、自動車販売は、日本市場の前年割れとは対照的に1-3月は6%増と伸びていました。

しかも、絶好調なのは日本車です。1-3月は前年比で19.6%も伸びました。中国国産車の11.1%増を上回りもっとも販売を伸ばしたことになります。ドイツ車はVWの排出ガス不正問題の影響もあって3.1%増にとどまり、朴槿恵政権が、あれだけ中国寄りの政策をとったにもかかわらず、韓国の自動車は16.3%減と失速してしまっています。

そして、中国で販売台数が多いのは日産ですが、日本車好調を牽引しているのはトヨタとホンダの2社です。とくにトヨタは1-3月で27.8%増でした。また4月は9.2%増と、3月の40.6%増という驚異的な伸びからは大きく減速したとはいっても4ヶ月連続のプラスです。日産が伸び悩み始めているので、まもなくトヨタが販売台数で抜きそうな気配です。

中国経済が今にも崩壊しそうな論調も目立っていますが、さあ、どうでしょうね。中国が産業構造の転換期にさしかかったことを考えれば成長鈍化は自然なことで、欧米や日本と一人あたりのGDPでまだまだ差が大きいことを考えれば、もはや力強い成長エンジンはないにしても、まだまだ成長の余地はあるのでしょう。

それよりも、中国からの訪日旅行者数の増加だけでなく、中国での日本車の販売が好調だということは見逃してはならない重要なサインではないでしょうか。

(2016年5月10日「大西 宏のマーケティング・エッセンス」より転載)