子供保護強化の法整備を

深夜に子供だけで外出させることは親の保護責任の放棄でしょうし、深夜に子供がたむろしているのを目撃して通報しないのは社会の保護責任放棄じゃないかと思います。

寝屋川市の平田さんと星野くんが山田容疑者に殺害された事件はほんとうに痛ましく、犯人の残虐さには怒りがこみ上げてきます。テレビに繰り返しおふたりの画像が流されていましたが、まだほんとうにあどけなく、そのことがなおさら事件の痛ましさを感じさせます。若くして命を奪われたおふたりに心からご冥福をお祈りします。

寝屋川市といえば、「火花」で芥川賞を受賞された又吉直樹さんや米国のレッドソックスで活躍している上原浩治投手の出身地です。「火花」のなかで頻繁にでてくる方言はまさに寝屋川市近辺でつかわれる北河内弁を感じさせています。もうずいぶん昔の話になりますが、この地域の子どもたちにラグビーを教えていたこともあって身近な地域で、肩肘の張らない、庶民的な土地柄でした。

それだからよけいに、心の隙も生まれたのでしょう。まだ幼いふたりが、無邪気に深夜の商店街を歩く姿、また近隣で子供たちが日常的に深夜に群れている様子が報道され、また猫爺なる人物も登場していましたが、そこに映されていたのは安全を信じきっている子どもたちの姿です。

しかし、この事件は、ほんとうに身近な、ごく日常の世界に潜んでいるという現実を思い知らせたのです。しかも、山田浩二容疑者は、2002年に同じ寝屋川市で、手錠をかけ男子中学生を車中に監禁し逮捕された過去、また男子高校生を粘着テープで縛り監禁し再逮捕された過去を持っていたとなると、誰もが安全だと信じている街に、ほんとうは危険が潜んでいたのです。

この痛ましい事件の詳細は今後の捜査であきらかになっていくのでしょが、子供の安全保護に対する対策強化の動きにつながってくれればと思います。今回の防犯カメラ画像を解析する捜査はたいへんな手間がかかったと思いますが、平田さんの遺体発見からは速いといえる逮捕につながりました。警察の捜査力が示されたと感じます。事件の全容もおいおい判明してくるのでしょうが、やはり事件は未然に防がないといけません。

まだ幼い子供が深夜に保護者なしに街を彷徨するというのはどう考えても異常です。この種の事件だけでなく、炎天下の車中に子供を放置し、命を落とすという事件もありますが、親や社会の保護責任をより明確にする法律を整備する必要があるのではないでしょうか。諸外国にくらべ、保護責任を果たさなかった時の処罰も明確でないように感じます。

すくなくとも、深夜に子供だけで外出させることは親の保護責任の放棄でしょうし、深夜に子供がたむろしているのを目撃して通報しないのは社会の保護責任放棄じゃないかと思います。

しかし、法律でルール化しておかなけば、近隣の友達と一緒なら大丈夫と思ってしまいがちでしょうし、また深夜に子供を目撃してもおそらく通報する人はないと思います。

かつて中高生の監禁事件があり、その犯人がいまだに近辺に住んでいることを、おそらく周辺住民にどれだけ周知されていたかも疑問で、行政に周知徹底させる義務を追わせれば、また子供の保護強化につながります。ぜひ国と地方が連携して、家庭と社会が子供をまもることにとりくんでいただきたいものです 。

(2015年08月22日「大西 宏のマーケティング・エッセンス」より転載)

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