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悪化した世界の中国国家イメージ。日本も要注意

2013年05月29日 18時39分 JST | 更新 2013年07月29日 18時12分 JST

英国のBBCが各国の国際社会における影響力について、世界25カ国2万6299人を対象に行った調査結果を発表していました。中国はプラスが前年の50%から42%に、マイナスが31%から39%へと評価を下げる結果となっています。

中国は貿易依存度が高い国のひとつです。中国の貿易依存度は2006年の67%あたりからは低下してきているとはいえ、2012年で47%といまだに高く、海外での国家イメージの悪化は決して望ましいことではありません。

worldpublicopinion.org/2013 Country Rating Poll(pdf ):

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中国のイメージ悪化は、当然だと思われる人がほとんどでしょう。特に日本の場合は、尖閣問題が続いており、反日暴動の影響もしこりとして残っています。さらに環境汚染問題では環境汚染物質PM2.5が日本にも飛んできています。鳥インフルエンザの流行が広がる不安もありました。

しかし、意外なことに、中国に対してマイナスの評価を下した割合が最も高かったのはフランスで68%、米国、ドイツ、スペインが67%と続き、日本の64%、韓国の61%よりも高いというのです。価格破壊を行い、また雇用に影響を与える中国産業への警戒感でしょうか。

以前、中国で反日暴動が起こった時に、国内不満の高まりを対日批判で抑えようとした中国はやがてツケを払うことになることは当然予測できたことです。中国の成長を支えるひとつの要因であった日本からの直接投資は、中国からASEANに流れが変わり、また雇用情勢が悪化してきたなかで、日本の現地法人での雇用も減少することになりました。 当然、海外の対中国イメージにも影響してきます。

海洋利権を強硬に主張すればするほど、ナショナリズムを煽ることはでき、高まる国内不満のはけ口にはできたとしても、それは両刃の剣になって、中国の国際イメージに悪影響は免れず、やがてボディブローのように経済にもマイナスに働いてきます。

実に賢くない選択をやっているように感じます。 中国はその後にいろいろと関係を改善しようとするサインは送ってきているのですが、一方では尖閣の領海侵犯をくりかえしています。それでは日本の不信感は消えませんし、日本の引きこもりナショナリズムに火をつけるだけです。

中国もようやく目が醒める兆しか - 大西 宏のマーケティング・エッセンス :

そして、面白いのは、このBBCの調査結果を受けて、中国紙・環球時報(電子版)が「中国に対する欧米のイメージはマイナス、意外に思いますか?」と問いかけたアンケートを行った結果です。「意外」と答えたのがたった3%で、97%が「意外ではない」と回答していることです。 その理由をアンケートのコメント欄から探ってみると主に3つに集約されているようです。

■社会問題が山積だから当然

■偏向報道があるから当然

■嫉妬の気持ちもあるから当然

3つ目の中国の台頭への欧米からの嫉妬というのはどうなのかと思いますが、中国国内での政府への不満が高いことがよく伝わってきます。

レコードチャイナ:中国に対する欧米諸国のイメージが過去最悪、意外に思います... :

さて、中国のイメージ悪化は当然として、気になるのは日本のイメージです。ランキングではドイツ、カナダ、英国につづいて第四位にプラス評価が高い結果になっていることは間違いないのですが、評価が昨年よりも低下したことです。

2005年からの「プラス評価」から「マイナス評価」を引いた割合の推移を調査結果が揃っている12カ国で見たグラフが報告レポートにありました。こちらを見ると日本(オレンジ線)は、2012年まで評価があがってきていたにもかかわらず、2013年になって大きく評価を落としています。

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安倍内閣や自民党の戦後への歴史観、とくに「侵略の定義」をめぐっての発言、また閣僚の靖国参拝などで中国や韓国からの批判が強まってきたこと、また憲法改正を掲げる安倍内閣への警戒心が反映した結果なのでしょうか。気になるところです。杞憂であればいいのですが。

個人的には憲法改正は反対ではありません。国民が自ら憲法を考え、自ら改正していくのはいいことだと思いますが問題は中味です。歴史観で言えば、日本がなぜ敗戦国から奇跡的に立ち直ることができたのかの歴史的事実を直視する必要があるというエコノミストの指摘にも共感を感じます。

(この記事は2013年5月27日の「大西 宏のマーケティング・エッセンス」からの転載です)

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