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急ブレーキがかかり始めたか。訪日観光ラッシュ

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4月に海外から訪日した客数の速報値が発表されました。

3月に続いて2ヶ月連続の200万人超えで過去最高ですが、もう記録更新は目新しいことでなくなりました。こう書くと、まだまだ外国人観光客が増え続け、あちらこちらが今以上に占拠されていく印象を受けます。しかしご安心ください。中国人観光客のマナーの悪さに眉をひそめ、これ以上の外国人観光客の増加に懸念を感じている方には少しは安心な材料があります。

人数では過去最高と言っても、実は今年に入って外国人旅行者数増加に急ブレーキがかかりはじめているのです。グラフをご覧いただければ、2月から急降下していることがおわかりいただけると思います。

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おそらく、円高に振れ始めた影響がでてきたのでしょうが、4月は熊本地震の影響があったにもかかわらず、18%伸びているので、この3年ほどが異常だったと考えたほうがいいのかもしれません。

あまりに急激な増加は受け容れのキャパシティを超え、ホテルの宿泊代の高騰や路上を観光バスが占拠するなどの問題を起こしましたが、ゆるやかに伸びてくれたほうが、受け入れに無理がかからず、海外からの旅行者の人たちの満足を損なわないように思います。

そして、いかに海外からの観光客が増え、本年に2,000万人超えを実現したとしても、世界の観光ランキングでは、おそらくまだ15位程度で、アジアでも中国、香港、マレーシア、タイには及びません。

また観光消費の市場規模でいえば、インバウンド消費は2兆円規模ですが、日本人による国内旅行消費額は19兆円とはるかに大きいにもかかわらず、むしろ縮小してきています。そろそろインバウンド消費や、爆買いに目を奪われるよりも、観光価値を高め、観光総需要をどう伸ばすかに視点を移したほうが健全です。

その点では、訪日観光ラッシュがやや落ち着いてきた今年はそんな動きがでてくる絶好のタイミングになるのではないでしょうか。いや、円安やLCC増加、ビザ緩和などが巻き起こしたある意味で神風ではなく、本当の意味での観光戦略が求められてくるのだと思います。

(2016年5月19日「大西 宏のマーケティング・エッセンス」より転載)