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もう更地のままでいいんじゃないか

2015年06月07日 00時26分 JST | 更新 2016年06月06日 18時12分 JST

なんだかもめにもめている国立競技場建て替え問題だが、設計者との契約解除みたいな話まで出ているらしい。

新国立設計ザハ氏と契約解除へ...文科省など検討」(スポーツ報知2015年6月6日)
ザハ・ハディド・アーキテクツ側と設計を変更するよう交渉を行い、不調に終わった場合、契約を解除する方針だ。

元のデザインからずいぶん変わっちゃった状況じゃそれもしかたないんだろうが、「で、このあとどうすんの」という点は残る。

下の記事とかも含め、議論百出のさまを見れば見るほど迷走感しか感じない。

建築家ら、新国立の抜本的見直し提言 開閉屋根なくす」(日本経済新聞2015年6月5日)

とはいえ、この件についてはもともと関心がない(前に書いたのはこれとかこれとか)ので、もはや悪乗り回路しか働かない。で、超適当に放言。何建てるかでそんなにもめるんなら、もう、更地のままでいいんじゃないだろうか。

以下、基本ネタなのでまじめに「いかがなものか」とか「ムキ―」とかされても反応しようがない。あらかじめ念のため。

国立競技場はメインスタジアムになる予定であるわけだが、考えてみれば競技を行うのは平らな場所なわけで、舗装だのなんだのは必要だろうが、そもそも観客席自体は競技には必要ない。取り壊された元の競技場はレーン数が足りず、陸上競技場としての国際規格を満たさなかったそうだが、観客席がなければそのくらいの広さはとれるだろう。何なら2階建てとかにすれば、下に同じ大きさのサブトラックを作ることもできよう。

聖火台なんか、人が見上げられる位置にあればいいんだから、ちょっとした台を作っとけばいい。観客席がないのはさびしいかもしれないが、競技場のまわりに大きなスクリーンでも並べてパブリックビューイングっぽくしとけば、その場で応援したい人たちが集まってくるだろう。8万人は収容できないかもしれないが、そこらで人ごみができて「ワーッ」とか歓声を上げてれば賑わいは演出できる。どうせ地方の人は大半がそうやってテレビだのパブリックビューイングだので見るんだろうから、それと同じと思えばあきらめもつくんじゃないか。

そういえば、関係者の皆さんはもう忘れちゃったのかもしれないが、リオデジャネイロに決まった2016年のオリンピック招致レースの際、東京側はパンフレットにこんなことを書いていたのだった。パンフレット自体がネットから消えてるのでそのときに書いたブログ記事から孫引き。

もうお金をかけて過剰な施設建設や豪華なだけのイベントをやる時代ではありません。
まさか「旗」を下ろすのではあるまいね
(2009年10月4日)

我らがWikipedia先生によれば、他の例では「メインスタジアムの総工費はロンドンオリンピックが約800億円、リオオリンピックが約550億円、北京オリンピックが約500億円、シドニーオリンピックが約680億円、アテネオリンピックが約350億円」なのだそうで、その意味では、もともとの計画の1300億円だって「そんなにかかるの?」というところだろう。まあいろいろ事情はあるだろうし、1625億円だかの予算で承認されたあたりまではまだおとなしいものだったのに、それがいつの間にか3000億円までふくらんで、それを圧縮しようとすったもんだのあげくが現在の混迷というわけだ。

もちろん、更地のままでいいなんていう意見が採用されるわけもなく、どうにかこうにかして建て替えるんだろう。少なくとも前回の東京オリンピックが開かれた高度成長期の日本人はそういう無茶な制約がつくと異様に燃えるというか、ものすごい創造性と突破力を発揮して、奇跡のように計画を実現してみせた。今の日本はそういう状況でもないように思えるが、実際どうなるかはまだわからない。がんばってもらいたい、といいたいところだが、上記のとおり私はこの件にはすこぶる冷淡なので、「都民に迷惑かけんでくれ」と声高に主張しておく。

(2015年6月6日「H-Yamaguchi.net」より転載)

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