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SmartNewsが300万ダウンロード突破、読売新聞が「ソチ五輪」チャンネル開設で業界に衝撃

2014年02月03日 20時22分 JST | 更新 2014年04月05日 18時12分 JST
Hiroyuki Fujishiro

ニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」のダウンロードが300万を突破、読売新聞社が「ソチ五輪」チャンネルを開設した。2月3日同社が発表した。スマートニュースをめぐってはウェブ上からコンテンツを集め、独自のインターフェイスで表示する際に広告を非表示にしていたこことから「ただ乗り」批判が起きていた。ネット事業に慎重とされる読売新聞社との協業が公開されたことにより、流れが変わる可能性がある。

2014-02-03-2014020300032289roupeiro00132view.jpg 読売新聞社の提供による「ソチ五輪」関連ニュースの特設チャンネルは、2月28日までの期間限定。競技結果の速報、詳細や現地情報などを豊富に提供するとしている。スマートモードで記事を読むと、読売新聞ビル開業記念のアプリ「YOMISORA(ヨミソラ)」と読売新聞の五輪アプリが表示される仕組みとなっている。

藤村厚夫執行役員は「昨年から地道な取り組みを行って来た。媒体社にはアクセスだけでなく、マネタイズについて支援していく」と語った。

媒体が独自に設ける事ができる「チャンネルプラス」は2013年4月に始まった。スマートニュース内のアクセスログツールや指定広告の掲出が提供される。購読者は延べ400万を突破、チャンネルプラスを開設したメディアは既に、毎日新聞、産經新聞、共同通信、ハフィントンポスト、ロイター、日刊スポーツなど21社32媒体にのぼっており、現在55社102媒体と提供や協業が進行している。最大の購読者を抱えるチャンネルはギズモードの30万。100万ページビューを超える誘導があったのは66メディアとなっていることも明らかにした。

スマートニュースの動きについてはネット媒体だけでなく新聞社が大いに関心を持っていた。新聞各社は、電子新聞により会員化、課金など囲い込みを進めているだけに、ウェブ上にあるコンテンツを「勝手にクロールし、広告を非表示とし、ユーザーに提供する」スマートニュースに批判的な声もあった。既にパートナーとなっている新聞社は毎日、産経などネット展開に積極的な社だったが、読売新聞が協業に動いた事で、他の新聞も方針転換する可能性もある。

今回発表があったダウンロード数と媒体へ誘導数は、スマートニュースが媒体社にとって無視できなくなるレベルになりつつあることを示す。

鈴木健取締役による事業進捗の説明によると、300万ダウンロードユーザーは14ヶ月で達成。MAU(月間アクティブユーザー)は75%、DAU(デイリーアクティブユーザー)は38%となっている。体制は、経営陣が3人、開発陣は5人で「理系、数学のエキスパートと、世界的プロダクト開発者の融合」と語った。

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藤村執行役員は「メディアパートナーへの問い合わせがたくさん有り、対応が不十分だった」とお詫びした。スマートニュースではパートナープログラムに対応する人員を増大したという。「クロールを断られていた媒体社に説明を行い再開するところも出ている。媒体社と良い仕組みを作りたい」と話した。

会場にはテレビ、新聞、ニュースサイトの記者など多数が詰めかけ、業界の感心の高さを示した。

以下は会場からの質疑。「媒体社のマネタイズ支援は分かったが、スマートニュース自体のの収益化はどうなっているか」。「収益化を急いではいない」(鈴木取締役)。「媒体社との記事利用料はあるのか」。「稼いでいないので基本はお支払いできる状態にはないが、コンテンツにお支払いしている場合もある。お金だけでない返し方もあり得る」(藤村執行役員)。「ユーザー数はどう伸びているのか」。「口コミによる流入が多い」(浜本社長)。

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スマートニュースは、2012年12月にリリースしたニュースアプリケーション。GooglePlayの「アプリオブザイヤー 2013」や日本国内における「App Store Best of 2013 今年のベスト」にも選ばれている。

(2014年2月3日Yahoo!ニュース 個人「メディアとジャーナリズムの未来を追いかける」より転載)