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町民の熱意-北海道新幹線奥津軽いまべつ駅-

2014年06月15日 19時04分 JST | 更新 2014年08月13日 18時12分 JST

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青森県東津軽郡今別町の町民は、この駅名が現実になる日を待っていた。

JR北海道は2014年6月11日に北海道新幹線の駅名と信号所名を発表した。当面の終着駅は「新函館北斗」という"複合駅名"で一件落着。本州側の駅名も町民の熱意が天に通じた。

【協力:青森県東津軽郡今別町】

■北海道新幹線と海峡線

北海道新幹線は新青森―札幌間を結ぶ路線として計画されている。このうち、新青森―新函館北斗(現・渡島大野)間148.8キロが2015年度末に開業する予定だ。これに伴い、江差線木古内―五稜郭間は第3セクター鉄道に転換される。

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上の高架と鉄橋は北海道新幹線、下の高架は海峡線。

北海道新幹線の特徴は、新中小国信号所―湯の里知内信号所間で海峡線(在来線)と共用すること。同区間の線路は、在来線の狭軌と新幹線の標準軌を敷設した「3線軌条」にして、どちらも通行を可能にする。ただし、架線電圧などは新幹線に合わせなければならない。さらに新幹線列車が超高速走行した場合、すれ違った在来線列車が風圧の影響で、脱線事故が発生する恐れもあり、当面は140km/h運転に抑える。

■「津軽今別」から「奥津軽いまべつ」へ

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津軽二股と津軽今別は、目と鼻の先。

JR東日本津軽線津軽二股駅の傍(かたわ)らに、JR北海道海峡線津軽今別駅がある。目と鼻の先なのに、なぜか乗換駅ではない。

津軽今別は「陳情駅」として建設される予定だった。しかし、国鉄はこの駅の開業と引き換えに、津軽線の一部区間を廃止する意向を持っていたという。青森県東津軽郡今別町は諸費用を負担する「請願駅」に切り替え、近隣の17町村も協力し、「新津軽二股」という仮称で駅の建設が正式に決まった(参考までに、津軽二股駅の由来は、今別町の二股地区に設置されるから)。

その後、今別町内における協議等において、"「津軽」の中の「今別」"という地名をアピールするため、「津軽今別」に決めた。「今別」にしなかったのは、津軽線に同名の駅が存在するためだ。

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特急〈スーパー白鳥〉は、特急〈白鳥〉とともに、快速〈海峡〉の後継列車として登場した。

今別町は「津軽今別」の採用をJR北海道に要望したところ、快く受け入れてくれた。しかし、現在、津軽今別に停まる列車は特急〈白鳥〉のみ(特急〈スーパー白鳥〉は全列車通過)で、利便性はよくない。

北海道新幹線開業に伴い、津軽今別は「奥津軽いまべつ」に名称変更される。当初は「奥津軽」という仮称だったが、2013年2月に今別町が町民を対象にアンケートを実施したところ、「奥津軽今別」がもっとも多かった。しかし、「駅名が堅いイメージがある」という意見があり、やわらかさと温かみのある自然に溶け込みやすいイメージにするため、「今別」をひらがなにして、「奥津軽いまべつ」に正式決定した。こちらもJR北海道に要望した。

■奥津軽いまべつは"奥津軽観光の入口"として発展してほしい

今別町では、北海道新幹線の駅名が正式に決まる以前から、JR北海道に1本でも多くの新幹線列車を停めていただくこと、併せて旅行商品の企画などの協力をお願いしている。後者については、2016年夏にデスティネーションキャンペーンの実施が決まり、函館方面への観光客が増加するのは間違いない。

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奥津軽を歩く。

しかし、奥津軽方面となると、正直わからない。竜飛岬、階段国道、青函トンネル記念館という観光地があるものの、すべて津軽線の終点三厩(みんまや)から、バスやタクシーなどを利用しなければならない。特に津軽線の非電化区間は列車の行き違い可能な中間駅がないので、増発が容易にできない難点もある。

奥津軽への観光客を増やすには、運輸事業者や自治体などが一体となり、利便性を向上させるしかない。

■今後はJR東日本の判断に注目

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津軽線蟹田―三厩間の普通列車は、すべて気動車で運行。

先述したとおり、津軽二股と津軽今別は、ほぼ同じ位置に駅がありながら乗換駅ではない。

現在、津軽線の駅から木古内方面へ向かうには、蟹田で特急〈白鳥〉〈スーパー白鳥〉に乗り換える。海峡線の旅客列車は優等列車のみのため、蟹田―木古内間は乗車券のみで自由席に乗車できる。

北海道新幹線が開業すると、在来線旅客列車の消滅が考えられるため、津軽二股で乗り換えとなる。乗車券は津軽線内の乗車駅―津軽二股間、奥津軽いまべつ―木古内間の2枚と新幹線特急券を購入しなければならない(乗車券のみで利用できる特例はないと仮定)。三厩方面から乗車の場合、蟹田乗り換えより安いが、青森方面からだと高くついてしまう。

JR東日本は北海道新幹線を機に、津軽二股を「奥津軽いまべつ」に改称し、乗換駅にしてほしい。無論、北海道新幹線列車の接続を考慮したダイヤにして、利便性も向上してほしい。

コラム

国鉄が青函トンネルを構想した当初は、在来線規格で建設する青写真を描いていたが、のちに新幹線規格に変更され、全長も36.4キロから54.2キロまで延びた(その後、青函トンネルの全長は、53.85キロに変更された)。

青函トンネルは、国鉄分割民営化から1年たった1988年3月13日に開業。当時運輸大臣(現・国土交通大臣)を務めていた石原慎太郎は、快速〈海峡1号〉函館行き乗車後、函館市内のホテルで記者会見を行ない、北海道新幹線の開業を心待ちにする発言をした。

★備考

(2014年6月13日、Yahoo!個人より転載)