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【地下鉄走って90年】銀座線01系くまモンラッピング電車

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青空に映える銀座線01系くまモンラッピング電車。


営団地下鉄時代の1983年5月に登場し、1984年元日にデビュー。長らく"銀座線の顔"として親しまれた東京メトロ01系が、地下鉄開業90周年の2017年3月10日に引退する。引退が間近に迫っている中、同年元日から「くまモンラッピング電車」が登場し、2月24日まで営業運転されている。


■2014年に始まった、くまモンの電車

東京メトロ01系が期間限定で営業運転されている「くまモンラッピング電車」は、熊本電気鉄道(以下、熊本電鉄)の6000形(元東京都交通局6000形)「くまモン電車」、01形(元東京メトロ01系)の「くまモンのラッピング電車」が"アニキ分"にあたる。

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6000形「くまモン電車」(熊本電鉄提供。Ⓒ2010熊本県くまモン♯13143)。


その歴史を紐解くと、熊本電鉄が6000形1両の台車を新型の「efWING」(川崎重工開発)に履き替えたことをPRするため、当該編成にくまモンのラッピングを施したのが始まりで、「くまモン電車」として、2014年3月14日から営業運転に就いた。

当時、くまモンは日本だけではなく、台湾でも人気を博していた。そこに注目した熊本電鉄の旅行部門が台湾への営業強化に努め、台湾から九州への観光ルートとして、「6000形くまモン電車の乗車」を企画し、台湾側の旅行会社も同調したという。

この企画は好評を得て、台湾からの乗客が増えていく一方、熊本電鉄はある課題に直面していた。6000形くまモン電車は、2015年7月から3か月間の検査を予定していたことだ。

熊本電鉄にとっては絶対的な存在ゆえ、「目玉である、くまモン電車が運行できない状態はまずい」(鉄道事業部運輸課談)と判断し、2014年12月頃に01形(当時未搬入)のラッピングが検討され、2015年3月頃より準備に入った。


■くまモンの電車は、復旧と復興の願いを込めたシンボル的存在に

01形のラッピングについては、女性職員の企画などを盛り込んだ華やかなデザインとなり、長い準備期間が終わりに近づこうとしていた2016年4月14日、熊本地震が発生。熊本電鉄も一時全線不通を余儀なくされた。

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01形「くまモンのラッピング電車」(東京メトロ提供)。


震災発生から2か月後の同年6月11日、01形「くまモンのラッピング電車」が営業運転を開始。

奇しくも復旧、復興の応援の意味合いも込められるシンボル的な存在となったほか、くまモンの電車を2編成にすることで、片方の車両が検査を受けても、もう片方が運行できる態勢を整えたのだ。

熊本電鉄によると、現在、台湾からの月間利用客は約3,000人だという。

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01系「くまモンラッピング電車」先頭車のラッピングデザイン。


01形「くまモンのラッピング電車」は反響が大きかったようで、東京メトロでも追随するかの如く、01系「くまモンラッピング電車」を構想。

"熊本電鉄の弟分"としての意味合いもあることから、先頭車のデザインについては、可能な限り熊本電鉄と同じデザインを採用すべく協議したという。中間車については、熊本復興の応援を込めて、東京メトロのオリジナルデザインとした。

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くまモンは2016年度の日本PR大賞に輝いた。


ラッピングは1日かけて行ない、様々な表情で人々を楽しませるくまモンのほか、「ガマダゼ熊本!!」(ガマダセは「頑張れ」という意味)、「WE LOVE KUMAMOTO」、「ファイト!」の応援メッセージが見られ、熊本への想いを01系第30編成に託した。


■現役最後の01系は第30編成

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東京メトロの方向幕車両も01系と03系(第1~15編成)のみ。


01系は2013年4月から廃車が始まり、わずか3年8か月のあいだに36編成が銀座線から姿を消した。

現時点、"貴重な存在"となった01系は、冷房取りつけ改造及び暖房未装備の第22編成、最初から冷暖房完備の第30編成の2編成のみ。すでに、本年初の廃車は第22編成に決まっている。

一方、第30編成は、「くまモンラッピング電車」終了後、ラッピングをはがしたのち、営業運転に復帰。そして、2017年3月10日に引退。銀座線の車両が引退するのは、1993年の2000形と1500形以来、24年ぶりとなる。

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■コラム 01系のおもなラッピング

東京メトロによると、01系のラッピングは1992年7月の隅田川花火大会開催日に、丸ノ内線荻窪―銀座線浅草間に運転された臨時列車〈花火ライナー〉が最初。

車体にラッピングが施されたほか、先頭車に電飾のヘッドマークを掲出された(この列車は1999年まで運転)。

その後、1993年からU LINERという広告貸切電車の運転を開始。ヘッドマークがラッピングされ、特に「U」の字はフロントガラスにはみ出すほどの力の入れようだった。

運転開始当初は東京都の条例により、都電を除く鉄道車両の車体広告は認められておらず、車内広告のみ一社独占というかたちをとっていた。現在は規制緩和により、車体にも広告のラッピングが施されている。

画期的だったのは、1997年に地下鉄開業70周年記念の一環として、第22編成の1・6号車に限り、旧1000形を再現したことで、フルラッピングの嚆矢(こうし)となった。

1000系特別仕様車両で"割愛"されたリベット、東京地下鉄道(営団地下鉄の前身)の社紋もあり、レトロな雰囲気を醸し出す。

一方、中間車は戸袋部分に開業当時をイメージしたイラスト、側窓下に風船を配した。

旧1000形を再現したフルラッピングは、2007年にも第17編成すべての車両で実施され、レモンイエローはひときわ明るくなった。
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【取材協力:東京地下鉄、熊本電気鉄道】