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注目の新型車両-東武鉄道500系&大阪市交通局200系-

2015年06月24日 23時44分 JST | 更新 2016年06月23日 18時12分 JST

近い将来に登場する東西2つの新型車両を御紹介しよう。

☆東武鉄道500系

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フロントガラスを囲った黒色(こくしょく)は、翼をイメージしているように映る(東武鉄道提供)。

東武鉄道では、2017年春の予定で新型特急車両500系がデビューする。この車両のポイントを解説してみよう。

■東武特急では久々の分割併合が可能な車両

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現在、東武特急の車両は、臨時特急〈スカイツリートレイン〉用の634系を除き、固定編成(350系は4両、それ以外は6両)のため分割併合ができず、ホーム有効長の関係で乗り入れができない路線も存在する。

一方、500系は様々な運行形態が可能にできるよう、3両編成としている。2本つなぐと6両編成となり、途中駅で分割併合ができる。もちろん、6両とも同じ行先でも運転できるので、フレキシブルな対応ができる。

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アクティブサスペンション概念図(東武鉄道提供)。

エクステリアはシャンパンベージュをベースに、フォレストグリーンとフューチャーブルーのカラーリングを配した。前面のデザインと、フロントガラスを囲った黒色は、スピード感を強調しているように映る。また、現代の新幹線電車などで実績を持つアクティブサスペンションを採用し、乗り心地の向上を図る。

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500系の客室イメージ(東武鉄道提供)。

インテリアは東京スカイツリーのイメージカラーである白を基調に、木目を客室とデッキの仕切りドアなどに配置。天井は鬼怒川や隅田川の流れをイメージした造形で、照明は間接式のようだ。リクライニングシートの表皮は江戸紫をモチーフとして、ひじかけの袖部分に印伝をモチーフとした柄をあしらう。このほか、AEDや客室にパソコン用コンセントの設置などを行なう。

今回、24両を投入し、2017年春にデビューの予定。東武鉄道創立120周年に花を添える存在になりそうだ。

ここからは500系の注目点を述べてみよう。

■特急料金

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現行の特急料金(JR線直通列車を除く)は、車両&列車ごとに分かれている。

もっとも高いのは臨時特急〈スカイツリートレイン〉で、平日に運転されていた71・62号(〈スカイツリートレイン南会津号〉と案内)でも、特急スペーシア〈けごん〉〈きぬ〉の土休日料金を適用した。土休日ダイヤでも午後割、夜割の設定がない。

もっとも安いのは、特急〈きりふり〉〈しもつけ〉、臨時特急〈ゆのさと〉で、車内設備に格差があるのと、元急行形電車なので、安く設定してある(特急格上げの際、旧急行料金を踏襲)。上記列車の料金は、特急スペーシア〈けごん〉〈きぬ〉、特急〈りょうもう〉の午後割、夜割にも適用しており、通常料金よりも安く乗車できる。

500系の特急料金は、既存列車のいずれかを適用、もしくは新しい料金を設定するものと考えられる。

■分割併合運転

昔の特急は浅草―下今市間で東武日光・鬼怒川温泉行きを併結しており、"目的地の駅まで乗り換えなし"という、利便性の高い列車を走らせていた。一方、急行(現・特急)〈りょうもう〉も赤城・伊勢崎・葛生行きを各2両併結し、館林と太田で分割併合していた。その後、固定編成車両の投入により、2つ以上の行先を途中駅まで併結する優等列車が消え、現在に至る。

500系の投入により、分割併合の優等列車が復活するそうなので、私は3つの可能性を考えてみた。

1.下今市方面

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下今市―東武日光間の各駅停車などは、2両編成の運転が多い。

先述したとおり、500系は3両編成なので、2本つなぐと「1~3号車は浅草―鬼怒川温泉間、4~6号車は浅草―東武日光間」が考えられる。現在、日光線の定期特急は原則として、下今市で他方面列車の接続をとっているとはいえ、座席に坐れる保証がない。乗り換えなしで目的地へ行きたい乗客が多いと思われる。

2.新栃木方面

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特急〈しもつけ〉は、宇都宮線ホーム有効長の関係により、4両編成で運転。

特急〈しもつけ〉は浅草―東武宇都宮間を1日1往復設定している。平日の下りは北千住―春日部間で通勤特急と化すが、春日部以北はガラガラ。30分後に浅草を発車する特急スペーシア〈きぬ131号〉鬼怒川公園行きは、春日部を過ぎても乗車率が高いほうなので、乗車距離が長いほど乗客のスペーシア志向が強い。

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仮に特急〈しもつけ〉を500系で運転する場合、1~3号車を浅草―下今市方面の列車、4~6号車を特急〈しもつけ〉にすることが考えられる。浅草―新栃木間を併結することで、座席数が増加し、北千住―春日部間の利用客増加も期待できる。加えて新栃木で編成を分割し、前者を浅草―新鹿沼・下今市方面の列車にすることで、所要時間の短縮と利便性が向上する。

3.館林方面

東武本線(東上本線、越生線を除く、各線の総称)で、特急が運転されていないのは、亀戸線、大師線、小泉線の3つ。このうち亀戸線、大師線は2両編成の列車しか入線できず、運行ルートの関係もあり、特急新設の可能性は低そう。

小泉線はホームの有効長が4両編成分あり、500系の運転が可能と見る。列車については、「1~3号車は浅草―葛生間、4~6号車は浅草―西小泉間」を仮定してみよう。現行の特急〈りょうもう〉は浅草―葛生・伊勢崎間のダイヤが下り夜、上り朝となっているので、小泉線直通列車も同じ時間帯になると思う。

■野田線船橋・柏方面から特急の運転は可能なのか

東洋経済オンライン(東洋経済新報社刊)で、野田線に関する記事があり、ピックアップしてみよう。

千葉方面から東武沿線の観光地域である日光・鬼怒川や佐野、館林方面への直通列車も、今のところない。たとえば、船橋発・日光行きのスペーシアが走れば、観光への効果も絶大だ。

出典:東洋経済オンライン「アーバン+パークで東武野田線はこう変わる 関東私鉄で唯一の外縁周回路線を強化」

行楽向けに船橋・柏方面から日光・鬼怒川方面へ直通列車も生まれるかもしれない。

出典:東洋経済オンライン「野田線がカギを握る東武鉄道の成長戦略 急行運転の開始や伊勢崎線との直通運転も」

野田線船橋・柏方面から特急を運行させるには、課題も多い。

1.待避可能駅が少ない

野田線船橋・柏方面から特急を運転させるには、途中駅で各駅停車を追い抜き、スピードアップを図るのが理想だと考える。現在、春日部―柏間で待避可能な駅は運河のみ。以前は野田市、清水公園も待避設備として活用できる可能性はあったが、高架化工事に伴い、使えなくなった。

無論、平行運転も可能だが、所要時間が各駅停車と変わらないようでは、「特急」としての速達性に不満や疑問を持つ乗客も多いだろう。

2.地上設備の改良

土曜日に臨時特急〈スカイツリートレイン4号〉を大宮―浅草間で運転されている。大宮―春日部間は地上設備の関係により、通過駅では一旦停止してから発車の繰り返しで、"純粋な通過駅"が1駅もない。以前、東武ファンフェスタの団体列車で、柏―大宮―春日部間を走行した際も同じだった。

2014年度から同区間で踏切制御回路の改修、曲線改良などの工事が行なわれており、2016年の急行運転開始を目指している。臨時特急〈スカイツリートレイン4号〉もスピードアップされるはずだ。

一方、春日部―柏―船橋間は、清水公園―梅郷間の高架化工事を除き、改良の予定はない。

3.可動式ホーム柵

現在、柏と船橋に可動式ホーム柵を設けており、ドアの配置を20メートル4ドア車に合わせている。私は特急が可動式ホーム柵設置駅に停車できるかについて、東武に問い合わせてみた。

「仮に停車させる場合は、駅側でも様々な改修が必要となると思われますが、導入線区につきましては現在検討中です」(東武談)

全国的に有料特急は乗降用ドアを端に設置している車両が多く、可動式ホーム柵設置駅に停められないのが現状だ。JR西日本などが実用化を進めている昇降式タイプだと、制約もなくなる。

蛇足ながら、西武鉄道は特急レッドアローの東京メトロ副都心線、東京急行電鉄東横線、横浜高速鉄道みなとみらい21線直通を検討しているという(http://bit.ly/1LnqVPs)。副都心線は全駅、東横線は一部の駅で可動式ホーム柵を設置したので、実現に向けてのハードルも高い。

■500系導入で東武の歴史に新たな1ページを刻む

東武によると、500系の運行区間、特急料金、どの列車に充当させるのかなどについては、検討中だという。それを承知で私は様々な可能性を綴ってみた。

特急の性格も二十数年前に比べると、「高嶺の花」(ノンストップ)から「気軽に乗れる」(停車駅増加と特急料金値下げなど)イメージに変わり、特に"着席志向"が強い通勤客の心を射止めた。近年は日光・鬼怒川方面へ向かう外国人観光客の増加により、特急の存在感がますます高まっている。

500系は"マルチ特急"として、縦横無尽の活躍を期待したい。

☆大阪市交通局200系

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デザインにこだわった200系。実車の登場が待ち遠しい(大阪市交通局提供)。

大阪市交通局は、新交通システム「ニュートラム」南港ポートタウン線用の新型車両200系が2016年4月のデビューを予定している。イメージパースを見る限り、「斬新」かつ「親しみやすい」印象を持つ。

■エクステリア

南港ポートタウン線用の新型車両200系は、2016年4月のデビューを予定しており、2016年度は4両編成7本を投入する。

前面は「笑顔で南港のまちを元気に走り回る子ども」をイメージしており、楽しい雰囲気に満ちあふれている。連結器の右隣に小さな穴があり、デザイン上あえて、エクボに見立てた。しかし、公式プレスリリースを受け取った報道関係者の多くは「ホクロ」、このほか「小豆」や「食べかす」などと思っていたそうだ。

外観の特長は前面だけではない。「何度でも乗りたくなるようなデザイン」のひとつとして、7色のカラーバリエーション(ブルー、ピンク、レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、パープル)を用いている。同局によると、「子どもに元気を与えるイメージ」、「南港のまちに元気を与えるイメージ」で、ブルー以外は果物などの楽しくなる色から選定している。

車体はステンレス製(前面のみFRP)で、車体側面などのカラーバリエーションはシールで貼付。屋根上は塗装を施す。

■インテリア

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客室のテーマカラーを妻壁、床、手すりなどに用いている(大阪市交通局提供)。

200系の室内デザインは、桜のピンク、もしくは公園のグリーンを各2両に採り入れ、南港ポートタウンの自然を表現。座席配置の工夫により、通路幅を拡大している。ロングシートは着席区分を明確化、吊り手は首都圏の電車では標準の三角形でつかみやすい。窓も従来の100A系より大きく、より明るい車内を乗客に提供する。

乗降用ドアの上に旅客情報案内装置を設け、多言語表示に対応。イメージパースを見る限り、妻壁に情報発信装置を設置して、南港の魅力を乗客に伝えてゆく。

■7色のカラーバリエーションを御紹介

「エクボに見えるくらい愛されてほしいです」(同局広報談)

今回、同局の御厚意で7色のカラーバリエーションを御提供いただいたので、御紹介して結びとする。"大阪南港の顔"200系に対する意気込みが大きいという表れで、実車の登場が待ち遠しい。

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【協力:東武鉄道、大阪市交通局】

(Yahoo!ニュース個人「注目の新型車両-東武鉄道500系-」「注目の新型車両-大阪市交通局200系-」より転載)