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COP19ツバル国首相の感想

2013年12月07日 00時23分 JST | 更新 2014年02月05日 19時12分 JST

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今回のCOP19の成果については、失望の念を隠しきれません。話し合いは停滞し、つい会合の2週間前にフィリピンで大惨事があり多くの尊い命を失ったにも関わらず、環境問題が緊急の課題であるという認識が参加国の間で薄れてきており、会合を重ねるたびにその雰囲気が通常化してきている感がいなめません。

京都議定書を締結した際には、多くの国が参加し、温室効果ガス削減目標を掲げましたが、目標に到達した国がありましたか?私の国ツバルは、今現在、海面上昇の危機に瀕し、ココナッツの木がなぎ倒され、土地が奪われています。ツバル以外の国々でも今実際に被害を受けているところがあるにも関わらず、会合では毎回次の削減目標に関わる協定についてのただの"話し合い"が行われるだけです。

日本政府は今回の会合で、京都議定書締結時の目標1990年比25%を撤回し、2005年比3.8%削減という新たな削減目標を提示しました。原発の再稼働の目処が立たないことなど、彼らの国内事情も十分に理解していますし、そのような状況で可能な限りの目標を立てたことについて、日本政府の姿勢を尊重します。

しかし、最初の削減目標である25%に到達できなかったことは事実としてあり、目標を下げることで温暖化がより一層進み、それによって世界中で多くの人が被害を受けることについて、念頭に置いておいてもらいたいのです。

今会合が停滞状況にあるのも、このように協定への参加、削減目標の設定が任意であり、法的拘束もないため目標に到達できなかった国に対して法的な処置がされないことに原因があると私は考えています。この会合は環境問題で被害を受ける国、地域、人々のためのものであるべきであるにもかかわらず、昨今の会合は全体的に、それぞれの国々の産業を守り、政情に配慮する傾向にあります。

今回の会合で締結された「損失と被害-Loss and Damage-」については、ツバル政府としても期待をしていますし、これまでに締結された基金のように机上の空論に終わらず、効果的な成果をあげるため、国として積極的に国際社会に働きかけていかなければならないと考えています。

私たちが今失いつつある土地やプラカ畑、海岸を奪い去っていっているのは私たちではなく、温室効果ガスを大量に排出している先進国であり、これらの代償を支払う義務も先進国にあるはずです。私たちは温室効果ガスもほとんど排出していませんし、失った土地を取り戻すための資金も技術も国内に持っていません。

来年ペルーで開催されるCOP20では2020年からの約束期間?に関する協定を結ぶための話し合いを完結させなければなりません。今回は会合に途中から参加したため十分にツバル国の現状を伝え、国際社会に働きかけることができませんでしたが、次回の会合ではツバル国のサイドブースを用意し、台湾大使館やTuvaluOverviewの代表であり私の友人でもある遠藤秀一氏とも協同し、遠藤氏が撮影したツバルの人々や海面上昇の被害を伝えられる写真、動画などをブースに展示するなどして今の停滞した状況を打開するためにツバル国として戦略を立てていきたい。そのために今から十分に計画を立て、準備をしていきたいと考えています。

最後になりましたが、ツバルを救うことは世界を救うことにつながるということを、忘れないでいてください。

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2013年11月11日から23日まで、ポーランドのワルシャワで開催された国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(以下:COP19)に参加していたツバル国首相Enele Sopoaga氏に、帰国後会合について、現地職員の北添春菜が話を伺いました。

(ツバルオーバービュー 2013/12/6の記事より)