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G20 首脳は開催国ロシアの人権問題に注視を

2013年09月06日 01時40分 JST | 更新 2013年11月04日 19時12分 JST

(モスクワ)-20カ国・地域(G20)主要国はサンクトペテルブルグで開催される首脳会議期間中、人権と市民社会への支援を示すために確固たる行動を取るべきだ。具体的には、NGOとの会合などが挙げられる。

ロシアは議長国として2013年度G20首脳会議の優先議題を設定。「雇用と投資を通じた経済成長」「透明性と信頼に基づく経済成長」「実効性のある規制の下での経済成長」を掲げた。首脳会議は9月5から6日にサンクトペテルブルグにて開催される。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのロシア代表タニヤ・ロクシナは「堅固で開かれた社会の礎は透明性にある」と述べる。「ロシアの指導層はG20同盟諸国の声に耳を傾け、厳重な取締りは開かれた社会の利益を促進するどころか、それに相反するものであることを認識する必要がある。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは首脳会議に先立ち、G20首脳国の中のアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル等に書簡を送付。ロシアで過去16カ月の間に行われた人権に対する厳重な取締りについて、反対意見を表明するよう要請した。加えて、同国内のNGOと会合を持ち、取締りによる活動への影響について直接話を聞く機会を設けるよう求めた。

ロシア議会は、公の集会をめぐる新たな規制の導入や名誉毀損の犯罪化、インターネットの規制強化に関する法律を複数採択している。また、「国外」の影響を抑えることを目的とする法律もいくつか成立させた。国家反逆罪の新たな法的定義を採用し、海外から資金援助を受けている団体や、大まかな定義に基づく「政治活動」に携わる団体に「外国の代理人」として登録する義務を課した。ロシアで「外国の代理人」が意味するところは、「スパイ」か「反逆者」である。それを特定するためのNGOに対する全国一斉査察キャンペーンが政府によって実施されたが、これは市民社会団体を脅し、社会の隅に追いやることを目的としていたようにみられる。

前出のロシア代表のロクシナは「この16カ月間に行われた人権の弾圧は、旧ソ連崩壊以降最悪である」と指摘する。「独立した団体に対する取り締まりは、本来なら尊重され、支援されるべき市民社会を傷つけることを目的とするものだ。」

ロシア政府はまた、「非伝統的な性的関係」を助長し、「伝統的、非伝統的性的関係は社会的に同等であるという歪んだ概念」を提供する情報を、子どもに向けて普及することを禁ずる法律を採択した。ロシアにおける「非伝統的な性的関係」は、概してレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、またはトランスジェンダー(LGBT)の関係を指している。

ロクシナ代表は「これは、LGBTの権利に関して、いかなる肯定的な情報あるいは対話も許されない、ということを意味する」と述べる。「G20首脳国は、この現状が差別的で悪影響を及ぼすものであることを明確に表明すべきだ。」

(この記事は、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のサイトで9月3日に公開された記事の転載です)