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直感に従うということ

2014年09月27日 23時43分 JST | 更新 2014年11月27日 19時12分 JST

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 『直感』って大事だと思う。

 僕はあまりオカルトやスピリチュアルな話は信じないほうだが、やはり直感ってあるのだと思う。

 理由は説明できないけど、それが正しいと思うとき。

 たぶん、脳は自分が意識していない情報をもインプットして、そこから経験的に正しいと思われる判断を上げてきているように感じる。

 たとえば、昨日も紹介した着物の業者間の競り市場だけど、猛烈なスピードで進むのでじっくりとその品質やサイズや傷みの状態を見る時間がない時が多い。

 しかし、直感力の優れた買い手は、「良い」「悪い」の判断を瞬時に下して、ぎりぎりの値段まで買う。もちろん、ハズレもあるが、「そんな良い物が入っていたのか」とあとで思うようなものを買っている場合のほうが多い。

 ほかの買い手も同じように出されたものを見ていて、同じようなレベルの商品知識を持っていても、そのものに食指が動かなかったのは、直感が働かなかったからだ。

 よく知られているように人間の脳は、ありのままの情報だけをそのままに受け取って理解するだけでなく、受け取った情報を処理して理解している。

 たとえば、下の有名な動画は、僕らの脳がいかに情報を処理して、ものごとを見たいように見ているかを示している。(同じ色のタイルを違う色に見ている)

 こちらのページの静止画像も劇的だ。上は濃いグレー、下は薄いグレーに見えているけど、真ん中の線を指で覆うと、まったく同じ色だったことに気がついて、仰天する。

 こんなシンプルなことで、人間は錯覚するのだから、現実社会の日々の複雑な事象においても、人間は自分の都合の良いように情報を処理しているに違いない。

 それは、もちろん、マイナス方向だけでなく、プラス方向へも作用する。

 『直感』というのは、それがプラス方向へ作用するのが、直感と言ってもよいのかもしれない。

 だから、ある人たちは、着物の市場で同じものを見ていても、無意識に様々な付帯情報(たとえば、他の買い手の顔色、雰囲気、売り手の経歴、そのものが包まれていたたとう紙の様子などなど、挙げれば無数の付帯的な情報が存在している)を瞬時に把握して、無意識に良い・悪いを判断しているのだと思う。

 そういった『直感力』を磨くためには、長い職業的な経験が必要になる。そして、ある種のプロたちが、一歩先んじて、いわゆる「カンが利く」状態になる。

 たとえば、僕は一時渓流釣りに熱中していたのだが、渓流釣りで経験の長い人は、入るべきでない渓を『直感』することがあるという。入ってみて、なにか異様な雰囲気のする渓があって、そこで釣りをするべきではないと感じるのだという。

 僕自身はそういうことを感じたことはないが、もしその話を信じるとすれば、深山でリスクと隣合わせで長く渓流釣りをしている人には、科学的には説明できないようなかすかなリスクを感じ取って、それを「危険である」という直感に変えるチカラが宿るのではないかと思う。

 きっと、それだけでもなく、人間は追い込まれたり、何ヶ月も考えて答えが見つからないときなど、『直感力』が研ぎ澄まされることがあるように思える。

 僕と嫁が、13年前、「この古い着物をebayで海外に売ったら絶対に売れる」と思って即座に銀行へ走った時も、それの成功を裏付けるデーターも情報もなかった。

 クリスチャンの嫁は、それを神様のおかげと思っているが、無神論者の僕は、何年も起業のアイディアを考えては諦め、いよいよ追い込まれた挙句に、研ぎ澄まされた直感力がそれをやれと示したように思える。

 なぜこんな話になったかと言うと、今朝読んだ海外記事「Intuition's Placebo Effect」(直感のプラシーボ効果)に、『直感』をめぐる不思議な話が紹介されていたからだ。筆者は、マクドナルド理論*1という記事が話題になったJon Bellさんという方で、彼もどちらかといえば科学的なものの考え方をする方だ。

 彼の不思議な話はこうだ。

 14才のとき、Jonさんのガールフレンドが夢を見た。

 「本屋さんのニューエイジのセクションで、ある本が自分を呼んでいるように思えた。その本を手にとって見ると、余白にJonさんの好意的なメモがたくさん書いてあった」

 彼女は目を覚ますとその話をJonさんにした。普段はニューエイジやスピリチュアル関連の本にはまったく興味のない二人だったので、おかしな夢だなと思った。

 彼女は『Living in the Light』という本の題名も覚えていた。調べてみると、驚いたことに、その本は実在していた。

 その本は、直感に従うことの大切さを説く本だった。(下のアマゾンのリンク)

 それは、こんなふうに直感を働かすことを勧めていた。本を閉じ、目を閉じて、つぎに何をすべきか自分の心に聞く。そして、そのとおりのことを実際におこなう。すると、それがとても心地よく感じる。

 Jonさんは懐疑的だったが、面白がってそのとおりにやってみた。

 最初、Jonさんがそうやって心の声にしたがって実行したのは、「シンクを洗う」とか「水を一杯飲む」というようなつまらないことだった。彼は嫌々それをやってみたのだが、実際に自分の直感に従った行動をしてみると、それがとても快適に感じられたという。

 

 以来、彼は、自分の直感に従うことの正しさを確信している。

 そもそも、不思議な話だし、科学的に説明はできないのだけど、やはり、自分には直感に従うことがものごとは上手くいくのだそうだ。

 この話は、前半がオカルトめいているが、おそらく、ガールフレンドはその本をどこかで見て知っており潜在意識で気になっていたのだと思う。

 そう考えれば、とくに不思議なこともなく、いわばふたりの『直感力』の連鎖が、『直感力』のもつチカラに到達した話であって、納得しやすい話となる。

 その点はともかく、たしかに、彼が言うように、直感に従うことは、論理的な僕らが軽視しがちな、ひとつの重要な判断基準であることは、間違いない。

photo by jay mantri

*1:「ランチどこ行く?」と仲間内で悩んでいるときに「マクドナルドにしよう」という言うと、途端に全員がより良い案を次々出すようになるというもの。「想定される最低の選択肢」を提示することで、議論を活発化できるという理論。

(2014年9月27日「ICHIROYAのブログ」より転載)