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誰かの困ったを解決することから始めよう

2015年05月31日 01時59分 JST | 更新 2015年05月31日 01時59分 JST

komatta

リスクのとれない中年期の起業なら、地べたから始めようと何度も書いた。

それはあくまで僕の体験や周囲で起きていることを見て僕が得た確信なのだけど、もし、ご自分の体験や考え方でシェアしたことがあれば、教えてくださいとこのブログでお願いしたら、時々、メールをいただけるようになった。

今日はドマケンさんという、僕より少し年配の方の体験談をご紹介しよう。

私には、妻と小さな子供2人がいて、自宅マンションのローンも払っていた時に会社を辞め、1年ぐらい色々な仕事をしました。

インターネットもまだほとんど流行っていない時代、もちろん携帯電話もほとんどの人が持っていない頃の事です。(ポケベルの時代です)

その中の1つに「中古自動券売機」の販売会社を作ったことがあります。(もちろん新品も扱いました)

駅の”立ち食いそば屋”や”ラーメン屋”などにある、お金を入れてお好みのメニューのボタンを押すと食券が出てきてお釣りがもどってくる、あの機械です。

「自動券売機」は、5年で償却する装置です。

当時「新品の自動券売機」の価格は、千円札が使えるもので約200万円、1万円札を使えるものは約400万円もしました。(今は半値です)

それを5年経過した店から1万円ぐらいで買い取って、クリーニングし、キズを塗装し、悪い部品等を交換し欲しいお店のメニューを打ち込み、ボタンにメニューを貼ってほとんど新品状態にして約100万円で販売していました。

1万円札のものだと約200万円で売れました。半額ですし、私どものアフタービスもよかったので喜んで買ってもらえました。

メニューに印刷するロール紙も消耗品ですので毎月沢山売れました。

点検に店に寄れば「ご苦労さん 終わったら食事していって」と作ってくれて点検に行けば食事には困らなかったです。(笑)

「自動券売機」は一人だと約300台分の顧客がいれば買い変えサイクルにのって継続して売れるのでいい商売でした。

それに東京に事務所を構えてやっていましたので訪問するお店には困りませんでした。

この仕事の難しいところは、店にいる店長が必ずしも決裁権をもっていない事です。ほとんどが雇われ店長ですのでその会社の決裁権を持った人と知り合わなければいけないのです。

そのために系列の店全部に行き食券を買って、1日に何度もラーメンを食べ、座席配置や数、メニューの種類を覚え店から出たらすぐにメモをとり、どの券売機がこの店に向いているのかを考えその店の社長に会うためにその社長が通うスナックを探し出し、一緒にカラオケを歌うために演歌も練習しました。

週3日は飲んで会社に泊まってました。

土日でも機械が止まったらその店の売り上げ集計が出来なくなるのでよく呼び出されました。無茶苦茶忙しかったです。

当時は足でお店の情報を得ていたのです。刑事ドラマみたいに。今はPCやスマホもあるのである程度の情報はすぐに見つけられます。その分競争は激しいです。

 

   

なんだか胸踊る起業ストーリーではないか。

ドマケンさんがこの商売をみつけた経緯もシンプルなものだ。次に何をしようかと考えていた時に、これをやっていた人を知り合いに紹介された。その人は、安い中古があればと行きつけのお店の人に言われたそうで思いついたそうだ。ドマケンさんはすぐに会いに行き手伝ってみてやれる!と判断したという。

じつはドマケンさんは、もともと大手電気メーカーでエンジニアとして就職されたそうだ。しかし、当初からひとつの会社を勤めあげる気はなく、仕事を覚えたら次覚えたら次とスキルを積み上げるために転職を繰り返された。ドマケンさんにとってそうやって転職するのはとても簡単で正社員での就職で困ったことはなく、同年代の社員より給料も高待遇だった。また、どこの会社に入っても「(ご本人いわく)運のいいことに」自分の希望する仕事をさせてもらったという。

高度成長期からバブルにかけてのいい時代だったんだろう、という人もいるかもしれない。

でも、僕もほぼ同時代を生きてきたが、ドマケンさんのようにより高給でやりたい仕事への転職が「とても簡単」だったことはけっしてない。

 

上の商売の例でいえば、ドマケンさんは、回路図も読めて、装置の修理はお手のものだったからこそ始めることができた仕事である。

たまたま自分のスキルと商売のチャンスのラッキーな出会いがあったからとみる向きもあるかもしれない。

だけど、ドマケンさんは有利な転職を繰り返しただけでなく、10種類以上の業界で仕事をしてきて、すでに中古自動券売機の会社は友人にゆずり、現在も「工学系のネットショップ」を運営して約3年半になるのだという。

ドマケンさんは、一種の天才なのだと思う。

僕などとてもかなわない。

世の中には頭の良い人がたくさんいて、ドマケンさんのように大手電気会社のエンジニアとしてキャリアをスタートされる方も何人もおられる。

だけど、大手電気会社でキャリアを積んだかたの中年期の起業や再就職が容易だという話はあまり聞かない。

ドマケンさんは、いったい、どこが違うんだろうか。*1

もちろん、ひとつは、ドマケンさんはさまざまなスキルを学ぶことにとても積極的であることがあると思う。10種類以上の業界で仕事をして、それぞれの業界で必要となるスキルを身につけられている人というのは、探してもなかなかいないように思う。

 

そして、もうひとつ。

ドマケンさんがメールの中に書いてくださった一文に、僕はドマケンさんのスタイルのもっとも大きな成功の哲学のようなものをみつけたような気がした。

ドマケンさんはこう書いておられる。

(相手が)人でも会社でも、困っていることを解決してその対価をもらえば、食べるぐらいは大丈夫です。

つまり、そういうことなのだ。

会社にいても、個人事業をしていても、誰か困っている人や会社を助ける、そのことで対価をいただく。

そして、その「困ったことの解決」に、圧倒的に便利であるとか、圧倒的に安いということを提供できる方法がないかと考えぬく。

そのために必要なスキルは、現実に誰かを助けている間に学び、常に上書きしたり、あらたに獲得していく。

そういうスタンスで、ずっとやってこられたことが、ドマケンさんのまるで蝶のような自在な生き方を可能にしているのではないだろうか。

さて、ドマケンさんは僕の問、「どんな業界なら地べたから商売を始めて成功できるのだろうか?」「あなたの業界では「地べたから商売を始める」チャンスはありますか?(アンケート結果)」に力強く、こう答えてくださっている。

私が思う結論は、

自分の好きな業界で覚悟を決め、継続すれば 

地べたから商売を始めても成功できるです。

PS ドマケンさんありがとうございます! ドマケンさんのお話を聞きたい人は多くいると思います。早くブログ始めてください。始められたら紹介します!

photo from New Old Stock

*1: 記事を読んでくださったドマケンさんからこの点に関しメッセージいただきました。以下転載です 「私より、優秀なエンジニアが何故 起業や再就職が難しいのか?

答えは簡単です。

会社に入って言われた仕事をしているだけなので 稼ぐという意識で仕事をしていないからです。 技術の事しか分からないからです。

与えられた仕事だけをやるのは楽です。

自分の会社のつもりで この仕事を受けたらいくらになるからいつまでに終わらせないと赤字になると考えて仕事をするのとでは大違いです。

それに自分で作った会社以外は、他人が作った会社ですよ。

どんなに会社のためにがんばっても切られる時には切られます。

一人でも食べれる様にしておかなきゃね

意識の違いですね。」

(2015年5月29日「ICHIROYAのブログ」より転載)