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一部リーグにも入れなかった「足の遅い」高校生が、史上最高の選手になれた理由は

2014年04月22日 00時27分 JST | 更新 2014年04月22日 00時34分 JST

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 何かを達成する、激しい競争のフィールドで競争相手をぶっちぎって、最高の結果を残すためには、才能と、そして誰よりも多くの練習をする必要があると、みんなわかっている。

 2010年の「最も偉大な100人のNFLプレーヤー」で第1位に選出された、歴史上最高のワイドレシーバーと言われるジェリー・ライス選手の言葉に、「今日、ほかの連中がしたくないことを私はする、だから、明日、ほかの連中ができないことを達成することができる」という有名なものがある。

Today I will do what others won't, so tomorrow I can accomplish what others can't.

 

たしかに、とてつもない練習も虫だったようだ。

 練習では、普通の選手がレシーブした時点で全力疾走をやめるのに、彼はいつもゴールラインまで全力疾走したという。みんなが練習を終えて帰ってからもエクストラの練習を続け、オフシーズンも1週間に6日、その練習につきあったプレイヤーたちが根をあげるほどの練習を続けていたそうだ。

 だが、彼の偉業の陰には、もうひとつの秘密がある。

 彼はNFLのプレイヤーとしては、「遅い」。

 大学時代の記録は、40ヤード走で4.71に過ぎなかった。そのため、高校時代から活躍したにもかかわらず、大学時代は一部リーグの大学から声がかからず、二部リーグでプレーしていたのである。

 彼はワイドレシーバーとしては「遅かった」が、誰よりも正確に走れ、誰よりも急に方向を変えたり止まったりできた。彼は全力で走りながら、兆候なしに角度を変えるため、ディフェンスの選手たちはついていけなかった。

 また、持久力にすぐれ、とくに第4クォーターになると、相手選手が疲れているのに、彼はまだ試合が始まったばかりであるかのように、フレッシュでぴんぴんしていた。

 ジェリー・ライス選手は、足が速くないという、ワイドレシーバーとしては致命的と思える弱点を抱えたまま、誰よりも抜きんでることができた。

 それは、誰よりも多い練習量を、自分の持ち味をさらに活かすためのものに、フォーカスしたことによって達成されているのである。

 急な動作ができるように筋力トレーニングに力を入れたし、彼の練習につきあってみんなが根をあげた、坂道ダッシュを繰り返した。

 「足が速い」ことは、ワイドレシーバーとしては必須であるように思えるが、その弱点を修正しようとはせず、彼の強み、「正確さ」「動作の素早さ」「持久力」を伸ばすことに注力したのだ。

 この話は、いつも読ませていただき、ヒントをもらっているジェームス・クリアさんのブログの最新記事(Masters of Habit: The Deliberate Practice and Training of Jerry Rice)やWikiを読んで知ったのだが、わかっているようで忘れがちな大切なことを教えてくれる。

 たとえば、ブログを書くことを例にあげる。

 誰かのブログ記事を読んで、その分析力、文章力、テーマ設定の巧みさ、専門知識などに驚嘆する。

 そして、自分もそうなりたいと思う。

 そのためには、がんばって多くの記事を書いてみるしかないが、ついつい、誰かのブログを念頭において、そのような記事を書きたいと思ってしまいがちだ。

 しかし、それが上手くいかない、そうしてもアクセスが伸びないとなると、「アクセスなんか少なくても自分流で書けばよい」となるか、「アクセスさえあれば、自分の書きたいものとはかけ離れたものでも仕方がない」となってしまいがちだ。

 だけど、ほんとうは、「自分が一番得意とする分野、自分が一番書きたいこと、自分のスタイルにあった書き方」を磨きあげることで、「自分ならではのブログ」と「望んでいたアクセス数」は達成できるのかもしれない。

 ジェリー・ライスは、スピードは諦めたけれど、ゲームそのものを諦めていない。

 ブログだって、「分析力」を諦めても、それぞれの書き手ならではの強みをいかした、人気記事が書けるはずだ。

 ジェリー・ライスの方法は、スポーツだけでなく、仕事や人生のさまざまなことにも、使えそうだ。

1.自分が持っていないものを悲観して、ゲームそのものを諦めない

2.たとえ一般的にもっとも重要と思われていることを捨てても、自分の強みにフォーカスする

3.誰よりも練習する

photo by Rafa Bahiense

(2014年4月12日「ICHIROYAのブログ」より転載)

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