あなたのキャリアの中で、最高に幸せを感じた時間とはどんなものだったでしょうか?

2015年02月06日 19時05分 JST | 更新 2015年02月06日 19時05分 JST

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僕は会社員として18年、自営業者として13年ほど仕事をしてきた。

30年以上にわたるので、そこには喜びや悲しみや苦しみがあったが、ときどき、そのなかで僕が一番幸せを感じたときはいつだったかなと考えることがある。

それを思い出すことによって、ほんとうに自分が何を望んでいるのか、どちらへ向かったらいいのか、ということを考えるヒントになるような気がするからだ。

友人や、これを読んでくださっているかたの、そういう話をぜひ聞いてみたいと思っている。

僕の場合、たったひとつ挙げるとしたら、この時だ。

百貨店時代、催事担当の課長だった時。

イギリスフェアを開催することになった。

僕は以前のイタリア展かをすでに担当者として経験しており、そのイギリス展は部下のひとりにまかせた。

部下はよくやる人で安心してまかせていたが、相当な仕事量である。横目で彼のことを見ながら、求められること以外は口を出さずに見守っていた。

あと3日だか、2日だかという時に、みんなでミーティングをした。

ミーティングで聞いてみると、やるべき仕事がオーバーフローしており、彼が溺れる寸前であることが判明した。

その場で彼から残っている仕事をすべて聞き出し、それらの仕事を別の部下に振り分けていった。

ミーティングは短時間で終え、自分もふくめ、部下のみんながそれぞれの与えられた仕事に散っていった。

30年以上も仕事をし、挫折も味わい、徒手空拳の状態から自分の商売を立ち上げたあとでも、僕がそのキャリアのなかで最高に幸せを感じた場面を挙げるように訊ねられたら、その時を挙げる。

たった、それだけのささやかな場面なのだが、僕はそのミーティングの時に、ほんとうに仕事をしてきて良かったと、至福感といってよいようなものを感じたのである。

最後の最後まで良いものにしたいと課題を自分で抱えすぎて、ぎりぎりのところで立ち往生した信頼する部下。

彼のほっとした表情。

彼の重荷の一部を渡されたほうも、その仕事を片付けるために、喜々として部屋を飛び出して行った。

その使命感に満ちた明るい表情。

たった、1時間弱の短い、しかも、スケールも大きいとはいえない出来事である。

 

しかし、僕はその時のことを、今でも昨日のように生き生きと、思い出すことができる。

そして、僕は思うのだ。

はっきりと自覚しているわけではなくても、きっと、今でも、あの素晴らしい時間のような体験がしたいために、僕は働き続けているのだと。

 

あなたのキャリアのなかで、最高に幸せだった時間とは、どんなものだっただろうか?

あなたは今もそれを求めているだろうか?

photo by markus spiske

(2015年2月6日「ICHIROYAのブログ」より転載)