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「それでもクールか!?」 レポートその5

2013年11月21日 01時08分 JST | 更新 2014年01月20日 19時12分 JST

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■「それでもクールか!?」 レポートその5

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2013年10月11日、慶應義塾大学KMDポリシープロジェクトのニコ生番組「それでもクールか!?」。稲田朋美クールジャパン戦略担当大臣、ホリプロ堀義貴社長とぼくです。

その模様は以下のURLでご覧いただけますが、ちょいとかいつまんで、レポート最終回。

http://www.youtube.com/watch?v=uhx6Rc_6lWo

中村

東京オリンピックに向けて「お・も・て・な・し」をしなければなりません。開会式はどうしたらいいですか。ロンドンオリンピックはスゴかった。ポール・マッカートニーが出てきてMr. ビーンが出てきて、モンティ・パイソンが出てきたと思ったら、あろうことかWorld Wide Webを作ったティム・バーナーズ・リーまで出てきて、さすがイギリス、やるなと思ったんですけど、日本はどうしますかね。

堀社長

開会式をやる時に、ゴスロリファッションは入っていいのか悪いのかっていうところからスタートしてしまうと、できなくなっちゃうんです。そうすると日本の祭りみたいになっちゃいます。普通に日本人が面白いと思っているものをそのままやればいい。オーロラビジョンのすごいのができるでしょうから、最高のアニメーションの3Dを見せるとか、初音ミクがセンターで踊ったっていいじゃないか。ガンダムが聖火リレーをやるとか。最高に最先端のものを見せるってことが一番。世界がびっくりすることをやる。

中村

やりたいですね。コンテンツとテクノロジーを組み合わせて。

稲田大臣

そういうことはもう中村先生中心に戦略を練ってもらったらいいんじゃないでしょうか。

堀社長

英語を喋らないといけないっていう風潮があるかもしれないですけど、日本語だけしか喋らない人でも仕事できる人はいっぱいいますからね。英語ができるかできないかよりも、自分の意志が伝わるか伝わらないか。

学生には絶対英語を習えって言っているんですけれども、僕らはもうこれから習うのは大変で、僕は全然喋れないけど、それでもなんとなく外国のアーティストたちとコミュニケーションはとれているし、ちゃんと仕事のディールは出来ているわけです。通訳入れればいいだけの話。これから先はオリンピックを機に少なくとも英語くらいは喋れるようになろうという必死にみんなでやろうということは若い人はやった方がいい。

中村

日本人って口下手で喋らないなんて思われていますが、今年2月にシスコシステムズが発表した結果によると、1人あたりのモバイルユーザーが発信する情報量って日本人は世界平均の5倍でダントツ世界一らしいですよ。みんなネットだとしゃべるんです。だからもうガンガン発信していきゃあいいんじゃないかと。これから7年間。

さて、ニコ生でコメントもたくさん寄せられています。「現地化こそがビジネスの鉄則だ」。「NHKオンデマンドを無料にすべきだ」。ぼく賛成。「あまちゃんを世界に売り込め!」うん、売り込むかな?

堀社長

でも、アニメーションは日本語のほうがウケるんですよ。本物の声優で聞きたいって言って。本物の声優がアニメフェスティバル行くと、もう大サイン会の行列です。で、うちのMay'nなんかも英語でMCをやってたら日本語でやってくれーなんて声が飛んだりとか。その為にみんな日本語の勉強をしているんですよ。

中村

うちにくる留学生も中国から来る子も韓国から来る子ももう日本に来た時には日本語ペラペラで、どうやって勉強したのって聞いたら、ネットで、アニメで見ただけっていうんですよ。

稲田大臣

やっぱり好きだとそうなるんですねえ。

中村

最後の質問、クールジャパン、どうすれば成功するのか。そのキーワードをフリップにお書き頂いてお示し頂きたい。

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堀社長

「個人の必死さ」。

企業もそうですけど、外国とは決定権が一人っていうので交渉をするわけです。個人が切り開いていったものに会社も行くし、ひょっとしたら政府も行く。同じ人がくるくる変わらないで、ずーっと世界中回っているわけです。

稲田大臣

「伝統と創造」。

日本の良き伝統は守られなきゃいけないけれども、それだけじゃなくて、そこにも新しいものをどんどん付け加えて、創造していかないと、伝統も死んでしまう。新しさも付け加えていくという意味で、伝統と創造がキーワードです。

中村

クールジャパンっていうのは、賛成する人もいるでしょうし、反対する人もいるでしょう。ただ、恐らく大事なのはご覧になっている一人ひとりが、自分がどうするのかっていう、ユーザーの問題という気がしております。ぼくらのための、皆さんのためのクールジャパンをどうやって作っていくのかということだと思います。ユーザー中心のクールジャパン、そのために「伝統と創造」を活かして「個人の必死さ」で作り上げて行くということなのかなと。無理矢理ですけど。

堀社長

日本でまだそんなに人気が出ているわけじゃないですけど、古川雄輝君というのが中国で大スターになっているんですよ。CSフジテレビでやっていたドラマ「いたずらなキス」が、アメリカ西海岸のケーブルテレビで放送されて、そこに留学していた韓国、中国、台湾の人達がもうぞっこんになって、本国にその情報が伝わっていった。ウェイボ(中国版Twitter)で85万人フォロワーがいるわけですよ。じゃあ試しにファンミーティングに行ってみたら、あっという間に1000人集まってこないだのファーストリテイリングの上海店のオープニングセレモニーにも呼ばれちゃった。

ネットでつい半年前から始まったドラマで、先月にはそのぐらいの人が集まっちゃうようなことが起きますよ。クールジャパンって日本人が知らないところから起こるもんなんだ、こちらが言うもんじゃない。相手がそういう反応をしてくれたらこちらが応える。それが一番だと思いますね。

中村

こちらが売りたいものよりも、向こうが欲しいものに、こっちがどう応えるかっていう、そういう心構えが必要ですね。ぼくら大人側から見たら知らないようなことが多分、あちこちでたくさん起きていて、それを拾ってくるアンテナをこっちが持ってるかっていうことなのかも知れません。

元々クールジャパンという言葉は日本が生もうと思って生んだものじゃなくて、10年ほど前にアメリカのジャーナリストが日本ってクールだねって言い出したとか、アメリカの学者がじゃあ日本はポップカルチャーを活かせばいいじゃないかと言い出して、それから10年くらい経って日本が気がついたということですからね。

稲田大臣

今日の議論も踏まえて、7年後の東京オリンピックはチャンスなので、このクールジャパン戦略で繋げていきたいです。自分でクールって言ってしまったら終わりで、みんなからクールって思われるようにその種を探していきたいと思います。

中村

マンガやアニメやゲームっていうのは海外でも日本すごいっていうのが定着しているんですけど、まだまだ知られてなかったものがあると思います。私もちょっと前に、外国人の方々とお話をしていて、こんなに色々な料理を家の中で作る国ってないって言われたんですよね。

稲田大臣

そうですね。バリエーションでは世界一じゃないですか?

中村

同じ主婦が和食だけじゃなくて今日はスパゲッティよ、今日はカレーよ、今日はラーメンとか、イタリア料理もフランス料理も中華料理も日本料理もいろんなものが同じ家の中で食べられるのはすごいよねってことです。言われてみれば、っていう当たり前に思っていることもまだまだたくさんあるようで、それをいかに引っ張りだして、ビジネスにしていく工夫も必要ですね。

今日は本当にありがとうございました。

(この記事は11月17日の「中村伊知哉Blog」から転載しました)