緊急:それでもクールか?

日本ポップカルチャーはかわいくてクールという評価を海外から得てはいるものの、ビジネスとしては縮小傾向です。コンテンツ産業の収入に占める輸出割合は5%で、アメリカの17%には遠く及びません。かつてフランスを席巻し、ドラゴンボールやセーラームーンなど人気がありすぎて社会問題にもなった日本のアニメは、この十年来、地上波では買われておらず、ほぼ姿を消しつつあるとか。

ニコニコ生放送「それでもクールか?」のオンエアが決定しました!

2013年10月11日(金)20:00~21:00。

稲田朋美クールジャパン大臣と、堀義貴ホリプロ社長/音事協会長に、ぼくが聞きます。

なぜ、今か。

政府も、民間も、本気だからです。

今年に入り、クールジャパン政策とか、ポップカルチャー政策といった言葉をひんぱんに聞くようになりました。てゆーか、ぼくもひんぱんに話すようになりました。安倍政権がこの分野に力を入れ、ぼくも議論に関わったためです。政府はクールジャパン担当大臣を置き、クールジャパン推進会議を設置。その下に置かれたポップカルチャー分科会の議長として、ぼくも海外展開策にモノ申してきました。知財本部コンテンツ専門調査会でも、コンテンツ政策の長期展開を「知財ビジョン」としてとりまとめました。

そして政府・経産省はクールジャパン基金(海外需要開拓支援機構)を設立、政府として500億円を拠出し、そのための法律も通しました。かつてない本気度です。

(参考)

政府の姿勢も一助となり、これまで内向き志向が強かったエンタテイメント業界も、海外展開に力が込められています。ぼくも体を動かそう。そこで「Tokyo Crazy Kawaii Paris」の実行委員長として、パリに乗り込みました。マンガ、アニメ、ゲーム、音楽、そしてファッション、食、雑貨。これら日本のポップカルチャーを持ち込み、ビジネスのプラットフォームを作るイベントです。2013年9月20~22日の3日間、パリ・ヴァンセンヌの森にて開催しました。民間も本気度を見せよう。

稲田クールジャパン大臣にもお越しいただき、ゴスロリ風の着物やドレスで会場を練り歩き、食べ、踊ってもらいました。ありがとうございます。フランスのロリータやギャル、まぁ元祖ですが、いまや本場はトーキョーでして、そこから逆上陸したファッションに身を包んだ連中から、ダイジン・カワイーっ!って声が飛んでおりました。ありがとうございます。もっとゴスロれ!という意見も、ゴスロるな!という意見も、違うことヤレ!という意見もありますが、右も左も刺激を受けております。ありがとうございます。

2020年、東京五輪に向けて、クールジャパンはどう立ち回ればいいですかね。元気が出てきましたよね。

なんてね。ダメなんですよね。足下に目を落とせば。

日本ポップカルチャーはかわいくてクールという評価を海外から得てはいるものの、ビジネスとしては縮小傾向です。コンテンツ産業の収入に占める輸出割合は5%で、アメリカの17%には遠く及びません。かつてフランスを席巻し、ドラゴンボールやセーラームーンなど人気がありすぎて社会問題にもなった日本のアニメは、この十年来、地上波では買われておらず、ほぼ姿を消しつつあるとか。自国アニメを重視し、閉め出されてるんだとか。

一方、韓国の攻勢はすごい。音楽もドラマもアジアを席巻しています。

政策に対しても、支援策に期待する強い期待がある一方、政府はポップカルチャーに手を出すな!いらんことするな!という声にも根強いものがあります。

さあどうする。

わからん。

そこで、ニコ生であります。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)のポリシープロジェクトがお届けする、クールジャパン政策について考える番組を始めます。10月から月1回放送で全12回、アウトバウンド政策、インバウンド政策、人材育成、産業構造問題といったテーマで議論していきます。

その第一回は官と民のツートップ。大臣と、エンタメ業界の若きドンにお越しいただきます。クールジャパンとは?何がクールなの? 500億円ファンドは有効なの?使い道って? オリンピックに向けたクールジャパン政策とは? -- クールジャパンの政策の現状から未来像まで討論します。

ぶつけたいコメントや質問を募集しますんで、ぜひお寄せください。

(この記事は10月3日の「中村伊知哉Blog」から転載しました)

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