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2014年、深化する日米同盟が日本を繁栄へと導く

2013年12月31日 23時14分 JST | 更新 2014年03月02日 19時12分 JST

NHKが伝えるところでは、アメリカ国務省のハーフ副報道官は、30日、クリスマス休暇明けの記者会見で靖国参拝には失望したが日米関係全体に影響はないという認識を示したとの事である。

「失望した」という表現を使ったことについては「選んだことばから、メッセージは非常に明快だと思う。ホワイトハウスとも調整している」と述べました。

一方で「日本は、大切な同盟国であり友好国だ。日米はさまざまな課題で緊密なパートナーであり、それは変わらないだろう。われわれは、意見が一致しない問題について、話し合いを続けるつもりだ」と述べ、日米関係全体に影響はないという認識を示しました。

ネットでは、今回の安倍首相の靖国参拝を厳しく批判した上で、アメリカは日本を見捨てる、日本は世界から孤立する、といった意見も散見された。しかしながら、アメリカに取っての日米関係の重要性から判断して、あり得ない荒唐無稽の話と思っていた。靖国参拝翌日に発表した、安倍首相の靖国神社参拝についてで、下記の展開を予想している。

アメリカの狙いは、日本が太平洋を挟んでアメリカと対峙し、拳で決着を付けようとして第二次世界大戦を引き起こした過去に対し安倍首相が反省の言葉を述べる事。そして、引き続き世界の平和と安定のために努力を惜しまない決意表明の再確認であったと思う。今回首相談話でそれがなされた以上、これ以上安倍首相の靖国神社参拝を追及する事はないと思う。後述するが日米には地球レベルで対処しなければならない問題が山積しているからである。

更にその二日後、2014年、日本が求められる事になるのは「一国平和主義」からの転換で、安倍首相の靖国参拝などは枝葉の問題であり、日本が今求められているのは従来の「一国平和主義」を排し、アメリカと協調して世界の平和と安定に目に見えた形で貢献する事であると説明している。

アメリカの日本に対する希望は「日本がアメリカに協力し、世界の平和と安定に目に見える貢献をする事」である。これを日本が着実に実行する限り、アメリカが日本に対し愛想を尽かすとか、或いは日本を見捨てるといった事態はあり得ない。別の表現をすれば、「2014年、日本が求められる事になるのは「一国平和主義」からの転換」という話になる。日本は戦後アメリカの軍事力にただ乗りし、只管経済的な成功を追及し今日の繁栄を得た。しかしながら、日本だけが平和で、日本人のみが豊かさを享受出来れば良いといった考えでは、これからの日本はやって行けないという事である。

従って、今回の安倍首相の靖国参拝が日米関係全体に影響はないというアメリカ国務省の確認を唐突とは感じない。また、タイミングとしても靖国参拝問題が年を跨ぐ事はないだろうと考えていた。

■ 4月のオバマ大統領訪日が日本に取っての分水嶺になる

オバマ大統領の訪日が4月に予定されている。アメリカ外交のアジアシフト、日本をPivot(軸、かなめ)にしての、外交、通商の展開は規定事実である。従って、4月のオバマ大統領訪日が交渉の開始などではなく、日米間の新たな体制の確認である事は明らかである。そして、オバマ大統領は訪日後アジア諸国を歴訪し、新たな日米体制の説明と、各国との関係強化を図る事となる。私は、これこそが今世紀日本の繁栄に向かう新たなスタートと理解している。従って、安倍政権としては2013年内に決着出来ず持越しとなった案件については今月27日に召集予定の次期通常国会でテンポ良く処理する必要があるという結論となる。

国内野党は4月のオバマ大統領訪日が日本に取ってどれ程重要か? 全くといって良いほど理解していない。しかも、何を? 何時までに? と現実的、実務的に考える事が習慣化していない。従って、テレビに映る事のみを意識して、「何か問題がありそうだ?」、「もう少し慎重に考えては?」と時間を浪費するだけの妄言を吐き、国会を趣味の悪い芝居小屋にしてしまう。安倍政権が丁寧な国会運営を心掛ける事に異論を挟む積りは毛頭ないが、優先すべきは、「4月のオバマ大統領訪日を念頭に置いたスケジュール順守」である事を強調したい。

■ 安全保障関連持越し案件とは?

日本の領土と日本国民の生命と安全、財産を守るために必要なNSCは活動を開始した。NSCが活動を継続するためにはアメリカを筆頭に関係諸国とのインテリジェンスの共有が必要となるが、その前提となる特定秘密保護法案も国会を通過した。従って、安全保障関連オバマ大統領訪日までに安倍政権が決着せねばならないのは、「集団的自衛権行使認可」の具体化と「沖縄、普天間基地の移転決定」の着実な実行という結論となる。

■ 安倍政権はTPP早期妥結を目指すべき

私は一貫して日本はTPPに加盟すべきと考えている。中国、韓国が対日批判を止め様としないのは、彼らが政権、権力を維持するためには国民の不満を日本に向けるのが手っ取り早い安直な方法であるからだ。従って、中国や韓国は対日批判を何時までも繰り返す事になる。結果、両国と議論しても得るものは何もなく時間の無駄に過ぎない。こういう経緯から必然的に国家間の関係が拗れている訳である。両国に対しては外交のドアはオープンにし、一方通商も民間が従来同様継続する事は必要である。しかしながら、安倍政権は中国、韓国への拘りを捨て、今世紀成長の期待が出来る唯一の地域である、アジア・太平洋に優先順位を移すべきと考える。そして、これは飽く迄抽象論であり具体的には安倍政権はTPP早期妥結を目指すべきという結論となる。そして、この事はアメリカの希望に答える結果となる。

こういう事を主張すると両国への輸出が減少すると危惧する人が出て来る。しかしながら、韓国を例に取り、韓国が世界1位を誇る分野ほど部品・素材の対日依存度が高い事を強調しておく。何度も繰り返し恐縮だが、中国、韓国の製造業は日本の生産設備、高度部品・素材がなくては立ち行かない。

日本の「経済的征韓論」が説得力を持つ分野はほかにある。部品・素材産業だ。日本財界の一部からは「部品・素材分野で日本企業が韓国との取引を一斉に打ち切れば、韓国という国そのものが危うくなる」との主張さえ出ている。



深刻なのは、韓国が世界1位を誇る分野ほど日本への部品・素材依存度が高いという事実だ。



世界でシェアトップを占める液晶テレビの場合、ディスプレーではサムスンディスプレーとLGディスプレーがそれぞれ世界1位、2位につけているが、主要部品となる偏光板用のTACフィルム市場は富士フイルムやコニカミノルタなど日本企業がシェア百パーセントを占めている。「日本製の素材がなければ韓国テレビ産業が危うくなる」(財界関係者)ほどの状況だ。

TPP加盟となれば国内農業関係者が反対する事は確実である。しかしながら、日本は何故TPPに加盟すべきなのか?で説明した様に、日本は農業政策の抜本改革を迫られている。国内農業は日本のアキレス腱であり、国家財政と国民の生活に与えている悪影響は計り知れないからである。

■ 国内農業の産業規模と補助金、農水省予算のアンバランス

農水省資料によれば今年度の予算は3.3兆円である。一方、産業としての国内農業の生産額は全体で4.7兆円に過ぎない。しかも生産量は右方下がりに下がり続けている。4.7兆円の農産物を生産するのに3.3兆円の国費の投入を続けるというのは、財政規律回帰に舵を切らねばならない日本政府には最早無理である。ちなみに、トヨタ自動車の売り上げは一社で20兆円弱である。国内農業を守るために、トヨタに代表される国内産業の未来を閉ざす様な判断を安倍政権が下さない事を期待する所以である。国内農業が今後TPP加盟の犠牲になるか、否かは定かではないが、日本の財政が国内農業の犠牲になっている事は間違いない。

■ 日本国民は税金を食べさせられている

世界の米(生産量、消費量、輸出量、輸入量、価格の推移)を参照すると、2011年ベース、為替が1ドル82.16円換算で10KG当りの米価は下記の通りと表示されている。

タイ米:431円

ベトナム米:386円

カリフォルニア米:690円

ちなみに、日本のスーパーで10KG入りの米は大体5,000円位と思う。タイ米、ベトナム米のざっと10倍以上という事になる。そして、これを可能にしているのが輸入税778%という、実質の「輸入禁止」である。これ以外にもバター(360%)、砂糖(328%)、小麦(252%)など、米への高関税を正当化した結果、日本で米、パン、麺類を食べる事は税金を食べる事に等しい。この状況は本来是正されるべきものであって、TPPの犠牲というのは筋違いというのが私の基本的な考えである。

■「安全保障」、「TPP」、「成長戦略」の全体最適化

「安全保障」、「TPP」共に決して簡単な話ではない。しかしながら、安倍首相や安倍内閣閣僚に取ってオバマ大統領訪日までに何をなすべきか? は既に可視化されていると思う。問題は、この両者を具体的にどうやって「成長戦略」に結び付けた上で全体最適化を達成するか? という事であると思う。

私としては、エネルギー安全保障と成長戦略、TPPで提案した様な施策を安倍政権に是非採用して貰いたいと願っている。老婆心ながら一言付け加えれば、「国土強靭化計画」の如き看板を掲げ、効率の悪い過疎地のインフラ投資の如き「バラマキ」を実行して財政を毀損さす事は絶対に行ってはいけないという事である。そんな事をしたら、財政規律回帰のために消費増税を支持した国民を裏切る事になってしまう。

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