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「クローズアップ現代」でNHKは自ら墓穴を掘ったのか? 

2014年07月12日 22時34分 JST | 更新 2014年09月11日 18時12分 JST

ハフィントンポスト記事、「NHK『クローズアップ現代』を首相官邸が叱責」フライデー報道 菅官房長官は否定を拝読。ポイントは下記に尽きるだろう。

7月11日発売の週刊誌「フライデー」が、「国谷キャスターは涙した 安倍官邸がNHKを"土下座"させた一部始終」と題して、首相官邸側が放送内容を巡りNHKを叱責したと報じた。これに対し菅義偉官房長官は「ひどい記事だ」と述べ、事実に反しているとの認識を示した。

この問題の本質は、安倍政権が当日のNHK『クローズアップ現代』番組内容についてクレームを付け、NHKが謝罪した、という記事内容が事実なのか?仮にNHKが謝罪したとするならば、権力に屈したのか?そうではなくて、番組の進行に瑕疵があったのか?といったポイントに帰着するはずである。

とはいえ、安倍政権を代表して菅官房長官が記事内容を否定し、一方の当事者NHKも沈黙を守るだろうからこの件は「藪の中」の展開となる事は必至である。「フライデー」は政府或いはNHKから告訴されない限り、「報道内容は正しい」とお経の様に繰り返しておけば良い。世の中が騒がば騒ぐ程、結果「フライデー」の宣伝となり好都合である。

滅多にテレビを観ない私だが、実はこの番組は事前に友人から教えて貰い興味あるテーマだったので当日ライブで視聴している。率直に言わせて貰えば番組内容に強い違和感を感じた。私は以前からNHKの体質について問題意識を持っており、ハフィントンポスト経由下記を公表した経緯がある。そういった背景があるので、今回当日の「NHK『クローズアップ現代』に一体何が起こったのか?を推論する事とした次第である。

NHK、受信料の全世帯義務化という詭弁

NHK、受信料の全世帯義務化は誤報?

BBCとNHK

NHKは日本に必要なのか?

NHK World Englishという伏魔殿

今回の事件で感じた印象は、NHK World Englishという伏魔殿で指摘した下記と同根である。

■誰が裏で糸を引いているのだ?

かかるNHK World Englishの誤った放送により日本は国際社会での評価を落とし、確実に国益を毀損する。一方、日本の揚げ足をとり、誹謗中傷に熱心な国に取っては自己の主張を裏付けてくれる極めて有力な支援となる。これは最早一種のテロ行為であり、警察・公安はNHK World English担当者の背後関係を徹底的に調査すべきである。

■NHK World Englishは当分サービスを停止すべき

NHK World Englishの現状はブレーキの効かない自動車と同様であり、極めて危険である。自動車ならブレーキを取り換え、安全が確認されて初めて再使用が可能となる。NHK World Englishの場合であれば、各担当者の身辺調査、管理・チェック体制、管理者の資質・能力の精査などが必要である。飽く迄私の個人的な推測であるが、NHK World Englishのケースは各項目で絶望的な状況にあるのだと思う。

私が感じた強い違和感とは?

全体として、国谷裕子キャスターの進行に「ギクシャク」したもの、不自然なものを感じた。本来切迫する(お尻に火が付いた)北東アジア情勢について政府見解を質した後に、その結果必然となる「集団的自衛権行使容認」やそれを可能とする「憲法解釈」に話をスムースに移行すべきであった。しかしながら、国谷キャスターの質問は「憲法解釈」のみに偏向し、これでは視聴者は問題の本質が一体何処にあるのか?の理解には至らない。

脱線したトークを本来の路線に戻そうと菅官房長官は努力を試みていたと思う。しかしながら、国谷キャスターは強引にこれを遮り、「日本から攻撃する可能性も...」などと終始妄言を垂れ流していた。現在の論点は飽く迄集団的自衛権行使容認に起因する「武力行使」である。我が国では、憲法第9条の第2項に「国の交戦権は、これを認めない」とはっきり規定してあり、この状態のままで良いのか(憲法改正する必要があるのか)の議論を一先ず横に置けば、日本からの攻撃などあり得ない。当日の国谷キャスターの質問のレベルは、国会周辺で「平和憲法を守れ」とか騒いでいる、頭の悪いデモ参加者と同レベルであったと理解している。具体的には下記内容だ。

国谷キャスター:密接な関係のある他国のために、もし集団的自衛権を行使した場合、第三国を攻撃することになって、第三国から見れば日本からの先制攻撃を受けたということになるかと思うんですね。戦争というのは、自国の論理だけでは説明しきれないし、どんな展開になるかわからないという危険を持ったものですから...

 

菅官房長官:いや、こちらから攻撃することはありえないです。

 

国谷キャスター:しかし集団的自衛権を行使している中で、防護...

 

菅官房長官:ですからそこは、最小限度という、3原則という、しっかりした歯止めがありますから、そこは当たらないと思いますよ。

結局、上記不毛のやり取りが繰り返され、時間切れで番組は終了してしまう。これでは、「NHKによる露骨な世論誘導」の誹りは免れない。

トーク番組に「進行表」、「シナリオ」は予め準備されている

それ程の頻度ではないが、私はテレビやラジオのトーク番組にメインゲストとして呼ばれ、出演した経験がある。一番最近のものは先月末の、経済評論家伊藤洋一氏がキャスターを務める東京FMの「Time Line」だ。番組出演や雑誌取材はハフィントンポスト経由公開した私の記事をベースに企画が立てられており、私の主張を企画立案者が正しく理解している場合に限り受ける事にしている。

テレビでライブは今迄なく収録のみ。ラジオはライブ放送だった東京FM「Time Line」のみの経験だが、何れの場合も番組出演の前日に「進行表」という名目で、局の方から事前に当日のシナリオがメールされて来た。如何なるものかといえば、キャスターからの具体的な質問の中身とそれに対する私の回答例である。私の回答例は私が公開した記事内容をベースに作成されているから、基本違和感はない。

そして、「進行表」の最後には※と共に、「飽く迄参考例なので当日はご自由にお答え下さい」と注釈があった。当日のNHK『クローズアップ現代』についても同様のものが事前に官邸に提出されているはずである。当日のテーマは何分国家の存亡に拘わる「集団的自衛権」であり、事務方が慎重の上にも慎重に菅官房長官の回答内容を精査したはずである。

仮に、事前に打ち合わせていた「進行表」から逸脱し、想定していなかった質問を国谷キャスターが執拗に続けたとしたならば、NHKによる菅官房長官、今少し広義に解釈すれば安倍政権への騙し討ちという理解になってしまう。ここらをしっかり検証しない事には、下記が政治権力によるジャーナリズムへの恫喝なのか?単に番組進行が事前打ち合わせと違う事への事務方秘書官のその理由への質問(勿論、応分の批判、抗議を含んだ)なのか判然としない。

番組終了後に菅官房長官に同行していた秘書官が「いったいどうなっているんだ」とクレームをつけたという。同誌は「国谷裕子キャスターの質問が鋭かったうえ、国谷さんが菅さんの質問をさえぎって『しかしですね』『本当にそうでしょうか』と食い下がったことが気にくわなかった」とした。

それでは如何に検証すべきなのか?

先ず、NHKは今回の事件は「集団的自衛権」に拘わる話であり、公共放送として「国民の知る権利」に答える必要がある事を強く自覚すべきである。その上で、事前に打ち合わせていた「進行表」内容と番組当日の質問の中身、番組進行、特に結論なしで尻切れ蜻蛉を比較対照し、その結果を国民に開示すべきである。

更には、「進行表」内容と違った質問を国谷キャスターがするに至った背景は是非とも調査する必要がある。国谷キャスターが自己の政治信条に従い、一存で「進行表」内容を捻じ曲げたのか?或いは番組を企画し、番組に責任を負うNHK上層部の指示に従っただけなのか?これにより事件の中身は大きく異なる。

国民はどうやってNHKを追い詰めれば良いのか?

理想をいえば、NHKが公共放送としての自らの立場を理解した上で、自発的に上記を進めて行く事が望ましい。問題は(間違いなくそういう展開になるだろうが)、例によってウヤムヤにして闇から闇に葬ろうとする残念なケースである。この場合は、国民が団結し、「受信料の不払い運動」でNHKを追い詰めるしかないのでは?と考える。

蘇る「NHK税」創設の悪夢

偶然なのかどうか知らないが、NHK改革:NHK税を創設し、業務・ガバナンス改革を断行せよ! 100の行動74 総務8 という記事が、今回の事件報道と同時期に公表され、その背景含め興味深い。NHKに取っては不祥事がある度に「受信料の不払い運動」などやられては堪らない。眼の上のタンコブといって良いだろう。罰則規定のない受信料をさっさとNHK税に転換し、後顧の憂いを断った上で、3千億円とも言われる豪華な新局舎の建設を始めたい意向と聞いている。

安倍内閣は今回の事件を良い教訓として、国民の意向は上記NHKとは全く真逆のところにある事を理解すべきである。大部分の国民は、そもそもNHKなど評価もしていなければ、必要ともしていない。従って、現在の放送法により強制的に徴収される「受信料」を排し、NHKを実際に視聴する視聴者が「視聴料金」として負担すべきと考えている。国民の声を聴くべく、次回の衆議院選挙の際にこれに併せ、「NHKの信任投票」、詰まりは現在の「受信料」制度を維持すべきか?或いは「受信料」制度を改め「視聴料」制度に転換すべきか?を問うべきと考える。

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