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「田中将大が毎日投げられたらなぁ...」米ESPNがぼやく

2014年06月06日 20時12分 JST | 更新 2014年06月06日 20時12分 JST

「いいところは特になかったんじゃないでしょうか…」

「僕はエースなんかじゃないです。早すぎます」

現地5月31日、本拠地でツインズ戦に先発したヤンキースの田中将大は、この日の試合を振り返ると、憂いを含ませながら語った。

結果はヤンキースが3-1で勝った。田中は8回4安打1失点(自責点0)の力投で8勝目を挙げている。序盤、エラーやミスが続き、得点チャンスも生かせないという嫌な流れだったが、「粘り強く、要所でいい球が投げられた」という田中の踏ん張りで勝利を呼び込んだ。

ヤンキースのフェイスブックには試合後、「真のエースだ」「田中が最高の投手!」「サイ・ヤング賞と新人賞を獲るぞ」といった投稿が溢れた。さらに米ESPNでは「田中が毎日投げられたらなぁ…」と題した記事が配信され、SNSでも同様の声が多数見られている。(ESPNの記事

田中がヤンキースのエース、と呼ばれるようになって半月以上が経つが、田中本人は今だにエースではないと固辞する。現地メディアも、ならば周りの証言から明らかにしようとばかりに、監督やチームメイトの声を集め、田中のエースとしての資質を伝えている。(参考:ニューヨーク・タイムズニューヨーク・ポストNewsday

ジョー・ジラルディ監督は、「田中はエースの役割を担う意気込みを持っているよ」とあくまで田中がエースになることを固辞しているのではないと説明すると、「彼自身も(エースになることは)大いに期待しているはず。(なぜなら)田中は7回を投げて1失点しただけでも、完投に及ばなかったと悔やむような投手だが、それはエースが担う負荷だからね」と語っている。

女房役のブライアン・マッキャンは、「田中がチームでナンバーワンの先発投手だよ」と言い切る。加えて、「どこそこでエースだなんて呼ばれる必要はない。ただ、彼は5日ごとにボールを持って、周りのみんなに衝撃を与え続けている」と、もはやエースとは言うまでもないことを強調している。

この日は伝家の宝刀スプリッターも、現地実況が「あり得ないほどえげつない」とこぼしたほど、キレがあった。ツインズのロン・ガーデンハイヤー監督は試合後、自軍の選手が「田中のボールは消える。スプリッターはあり得ない」と口を揃えていたことを明かしている。

連勝が途絶えた試合が大雨だったことから「弱点は雨か」と指摘されていた田中だが、この日は大雨に見舞われた4回からも、滑りやすくなったマウンドにもしっかり対応。しり上がりに調子を上げる投球で打者を抑えていった。

「また次の登板に向けてしっかりと調整をしていきます‼」

ツイッターで試合後の報告をした田中は、リーグトップの防御率2.06をマーク。8勝はリーグ2位、88奪三振は同3位だ。

誰もがエースと認める中、その呼び名を固辞する田中。指揮官やチームメイトが語る通り、 “エース”という称号すら無用なのかもしれない。

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スポカルラボ
MLBをはじめ海外スポーツに精通した英日翻訳ライター3人による メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多用な魅力を独自 の切り口で表現し、人生の選択肢はたったの一つや二つではない、 多様なライフスタイルを促進することをミッションに掲げて活動中。 Facebook→スポカルラボ

(2014年6月2日「MLBコラム」より転載)

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