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和田毅、全米中に存在感を示した

2014年08月04日 15時31分 JST | 更新 2014年08月04日 15時31分 JST
Harry How via Getty Images
LOS ANGELES, CA - AUGUST 02: Tsuyoshi Wada #67 of the Chicago Cubs pitches during the first inning against the Los Angeles Dodgers at Dodger Stadium on August 2, 2014 in Los Angeles, California. (Photo by Harry How/Getty Images)

オールスター明けの後半戦から、先発5番手の座を掴みつつあるカブスの和田毅。前回のロッキーズ戦でメジャー初白星を挙げた左腕は、この日も中4日で先発マウンドへ。敵地ロサンゼルスのドジャースタジアムで連勝を狙った。

ナ・リーグ最高勝率をキープしている強豪ドジャースは、ヤシエル・プイグ、エイドリアン・ゴンザレスの中軸をケガのためスタメンから外したラインナップを並べてきた。メジャー昇格からの3先発で右打者に被打率3割以上と打ち込まれている和田にとって、プイグの欠場はありがたかったに違いない。

幸先良く1回表に先制点をもらった序盤の和田は、4シームの速球が冴えた。一番ゴードンをオール直球で空振り三振に仕留めると、2番ターナーも直球オンリーで2ストライクと追い込む。結果的にウイニングショットの直球を2番、3番に連打され、1死1、2塁のピンチを迎えたものの、4番ケンプを再び直球で攻めたて、空振り三振。

依然として2死1、2塁のピンチが続いたが、5番バンスライクに対しては、スライダーを見せ球に、直球を挟んでこの日はじめてチェンジアップを投じるという、見事な投球術でサードゴロに仕留め、ピンチを脱した。リズムをつかんだ和田は2回、3回を三者凡退。3回まで打者11人に対して5奪三振、無失点と、全盛期を彷彿させるかのようなピッチングを見せた。

この日、唯一の失点シーンは4回。試合後に和田本人が「先頭打者のフォアボールからホームランと、一番やってはいけないパターン」と悔やんだ通り、3番ラミレスを歩かせると、4番ケンプに甘く入ったスライダーをスタンドへ運ばれた。

痛恨の逆転2ランを浴びた和田は続く5回、再びケンプとの対戦が巡ってきた。キャリア通算で左投手を.332と打ち込んでいるケンプに対して、前の打席で打たれたスライダーを見せ球に、最後は直球でショートゴロに仕留めた和田。初回といい、5回といい、対戦成績で分の悪い右打者に対して腕を強く振って投げ込む和田の速球は、とても手術明けとは思えないボールだった。

この日の和田は、6回2アウトまで投げ、球数が100球を超えたところで降板。惜しくもあと1アウトでメジャー初のクオリティ・スタート(先発して6回を2失点以内)は逃したものの、ローテーション投手としての役目はまっとうした。

2対2のまま延長戦にもつれた熱戦は、12回裏にドジャースのラミレスが自身初のサヨナラ3ランホームランを放って勝利。敗れはしたものの、カブスのレンテリア監督は「和田はダメージをミニマイズ(最小限に)してくれた。2失点なんて素晴らしい出来だよ」と、強豪相手に堂々のピッチングを見せた和田を高く評価した。

MLBで今シーズン2番目に多い53,354人の大観衆が詰めかけたこの試合で、和田は全米中に存在感を示した。そして何より、5日からシーズン最長の20連戦に挑むカブスにとって、計算できる先発左腕として目処が立ったことは何より嬉しいはずだ。渡米から3年。和田毅の熱い夏が、いよいよ始まりそうな予感がした。

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スポカルラボ
MLBをはじめ海外スポーツに精通した英日翻訳ライター3人による メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多用な魅力を独自 の切り口で表現し、人生の選択肢はたったの一つや二つではない、 多様なライフスタイルを促進することをミッションに掲げて活動中。 Facebook→スポカルラボ

(2014年8月4日「MLBコラム」より転載)