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日本もシリア難民の受け入れを

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日本に逃れてきたシリア難民の親子

2人に1人が住みなれた土地を離れ避難している。これは、第二次世界大戦以降最悪といわれる内戦でシリア人が置かれている現状である。内戦直後、多くの人が逃れた周辺国では、受け入れが限界以上に達している。当初は周辺国に滞在し故郷へ戻る日に望みをつないでいた人たちも、内戦が激化し望みが薄れるにつれ、命をかけて海を渡り、欧州、それもより希望が持てる国で「難民」になろうとしている。地続きである欧州へはすでに47万人が流入したとされているが、シリアから遠く離れたアメリカ、カナダ、オーストラリアでも1万人を超えるシリア難民の受け入れを表明している。

日本はこのままでよいのか?これまでの消極姿勢から一歩踏み出し、周辺国等に滞在するシリア難民を相当数受け入れることを提案したい。
これは日本にとって初めてのことではない。70年代後半、いわゆるボートピープルと言われたインドシナ難民を1万人以上受け入れた。81年の難民条約加入後は、日本に逃れてきた難民を数は少ないが受け入れ、2010年からは難民キャンプ等から受け入れる第三国定住をアジアで初めて開始した。翌年には難民保護を進める旨の国会決議が全会一致でなされ、国内受け入れのさらなる充実がうたわれた。

「難民」というとずっと支援が必要というイメージがあるかもしれないが、それは誤りだ。新たな土地で生きるために必要な支援を受けた後は、成人であれば働き、納税し、社会の中で自立していく人たちである。例えば、イランからのある難民は日本の切削工具を扱う会社に就職し、同社として初めての海外展開となる台湾企業との商談をまとめている。難民の採用を通じた取り組みが、経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」として表彰された企業もある。難民がもたらす多様性を日本社会の力にかえる途があるのではないか。

難民支援協会(JAR)で支援した難民の多くは、日本が安全であることに心からの賛辞をくれる。自由に発言できる、警察を見ても全力で逃げなくてよい。そんな声を聞く度に、私自身日本がいかに平和であるかに気づかされ、それが実は当然でないことを実感させられる。

シリア難民の解決にあたって、難民流出の根を止める取り組み、国内避難民や周辺国に留まる難民への支援は重要だ。しかし、明日停戦が実現したとしても、荒廃した故郷に戻ることができるまでには最低数年は要する。その間、安全な国が受け入れることも不可欠だ。結果として、一時的な避難ではなく、第二の祖国として逃れた先で生きていくことを選択する人もいるだろう。国連は様々な形での受け入れを呼びかけている。

日本でも、難民に安全や安心を提供することはできないだろうか。日本と地続きの課題として、国際社会の一員という視点をもって取り組んでいきたい。

認定NPO法人難民支援協会 
代表理事 石川えり

(プロフィール)石川えり
1976年東京都生まれ。上智大学法学部国際関係法学科卒業後、企業勤務を経て2001年より難民支援協会の職員となり、主に調査・政策提言の分野で国内外にて活動を行ってきた。難民問題にはルワンダにおける内戦等を機に関心を深め、同協会には設立前よりボランティアとして関わった。2008年1月より現職。共著として、『支援者のための難民保護講座』(現代人文社、2006年10月)、『外国人法とローヤリング』(学陽書房、2005年4月)ほか多数。二児の母。

国連総会での演説を9月29日(日本時間30日午前)に控えた安倍首相に宛て、シリア難民の日本への受け入れを表明してもらえるよう、民間団体で申入れをしました。詳細はこちら

ウェブサイト: https://www.refugee.or.jp/
Facebook: https://www.facebook.com/ja4refugees
Twitter: https://twitter.com/ja4refugees

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