定額制音楽配信の「Spotify」、動画、ランニング機能で次は「エンタメ生活の拡張」を狙う

定額制音楽ストリーミングサービスで今最も成功している「Spotify」(スポティファイ)が、日本時間5月21日にニューヨークでメディア向け発表会を開催、新しく進化したデザインや新サービスの数々を発表しました

これは期待できそう!

定額制音楽ストリーミングサービスで今最も成功している「Spotify」(スポティファイ)が、日本時間5月21日にニューヨークでメディア向け発表会を開催、新しく進化したデザインや新サービスの数々を発表しました。

これまでのSpotifyには無かった動画やポッドキャストが新たにコンテンツとしてサービスに加わることが、CEOのダニエル・エク(Daniel Ek)から発表された他、Spotifyユーザーが音楽を聴きたい時に聴くことができる「Spotify Now」スタートページ、走る速度に合わせてテンポを合わせてくれるなど、ランナー向けの機能を強化した「Spotify Running」、ViceやBBCなどメディアパートナーやTyler The Creatorなどクリエイター達と協力して展開するSpotifyだけのオリジナルコンテンツといった、全く新しいサービスやコンテンツの展開がSpotifyに加わります。

Spotifyは、今回の新製品で、これまでの何時でもどこでも聴ける音楽ストリーミングサービスから、ユーザーの生活を24時間音楽で楽しませてくれるエンターテイメント・プラットフォームに進化します。

ダニエル・エクCEOは

私たちは、さらに奥深く、リッチで、のめり込むようなSpotify体験をみなさんにご紹介いたします。あなたの人生のサウンドトラックとなるような、最高の音楽、Podcastやビデオの素晴らしいミックスを1日を通じてお届けしてゆきます。そして、これらは始まったばかりなのです

と今回の進化を説明します。

Spotifyが新機能で目指すのは、「生活のサントラ」の進化系と言えます。さらにSpotifyはその先のビジョンに音楽を「生活のパートナー」にするためにどこよりも先に未来へ向けて動き出していました。音楽だけでなく動画、オーディオショーといったコンテンツ、膨大なデータに基づいたアクティビティや時間帯別にカスタマイズされたパーソナル・レコメンデーション機能などは、音楽サービスの域を超えるコンテンツの情報ソースとなるための進化で、Spotifyが音楽ストリーミングの分野をリードしていくためのイノベーションです。

パーソナル化されたNOWスタートページ

Spotifyはこれまでもユーザーの好みのアーティストやアルバムに最適な曲やプレイリストをレコメンドする機能はしっかりと付いていましたし、使った経験のある方ならかなりこのレコメンデーションが便利だと感じている人も多いと思います。

Spotifyの新しいデザインでは、このソングマッチング機能をさらにアクティビティ情報や時間帯を過去に再生した楽曲と合わせて解析、より関係性の高くパーソナルな音楽を一日の適切な時間帯に合わせてレコメンドします。

Spotifyは2008年のローンチ以降、ユーザーの視聴時間は250億時間を越えて、作成されたプレイリストの数も15億個を突破するほど、大勢の音楽ファンのリスニング体験に関する知見とデータをすでに持っていることから、今回の高い関連性とパーソナル化の実現を可能にしています。

ユーザーはSpotifyの「Now」スタートページに表示される、プレイリストや音楽を気分に合わせてピックできます。例えば月曜の朝の通勤時間に気分を盛り上げたいプレイリストや、作業に集中したい時のプレイリストを、Spotifyがこれまでのユーザー個人のデータを解析して最適なプレイリストを提案していきます。Spotifyではこれらのプレイリストは専門家によるキュレーションと、機械によるデータ解析をミックスして届けます。

Spotifyが動画、オーディオショーを配信

Spotifyに動画、そしてポッドキャストが加わります。発表によると、Spotify内で再生可能な動画はフル尺ではなくクリップになる模様。一日の生活の中で音楽を聴いているときにふと最新ニュースが気になったり、面白い動画をチェックしたくなる時、何か新しいコンテンツを探したくなった時はこれからはSpotifyがそのガイド役を果たしてくれます。

Spotifyに当初参加するメディアパートナーはこちら。

・ABC

・Adult Swim

・BBC

・Comedy Central

・E!

・ESPN

・Fusion

・Maker Studios

・MTV

・NBC

・RadioLab

・Slate

・TED

・TWiT

・Vice News

・WNYC

ランニングのパートナー

これが凄い。テクノロジーのイノベーションですよ。

「Spotify Running」はスマホのセンサーを使って、ランナーのペースを認識、走るテンポにしっかり合わせたトラックを自動で組み合わせてくれます。走るリズムが乱れないように曲間もしっかりと繋いでくれて、次々にマッチする音楽を見つけてくれます。

例えばジムで一定速度で走りたい時や、長距離自分のペースで走りたい時、リズムが合わずに調子が狂って曲を変えるためにペースを乱される経験は、音楽を聴きながらランニングする人にとって悩みのタネ。Spotifyの新機能はランニング体験をさらにスマートに変えてくれそうです。

またSpotifyはミュージシャンと一緒にランニングに最適な音楽の制作を進めているそうです。発表会にはEDM界のスーパースター、DJ Tiestoが登場、Spotify Running用に独占でオリジナル・トラックを配信することを発表しました。

さらにSpotifyはナイキとRunKeeperともパートナーシップを発表しました。「Nike+」アプリからSpotifyにアクセスできるようになるなど、連携を強化していきます。

Spotify Nowなど新機能は米国、英国、ドイツ、スウェーデンのiPhoneユーザー向けに今日から開始。Spotify Runningは世界のiPhoneユーザーに今日からロールアウト。その他の市場とプラットフォームには今後投入予定です。

ソース

(2015年5月21日 デジタル音楽ブログ「ALL DIGITAL MUSIC」より転載)

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