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ALSと闘う父が教えてくれた、生きているうちにやりたい3つのこと。

2015年08月08日 00時55分 JST | 更新 2016年08月07日 18時12分 JST

もし数年前に、生きているうちに何をしたいかと聞かれたら、ヨーロッパへの単独航海や、(カリフォルニア州最大の湖)ソルトン湖でのウェイクボード、もしくは白いミンクのコートをはおって黄金のヘリコプターに乗って、世界中を旅したいと答えたかもしれません。

でも今聞かれたら、世界中を旅すること以外は別の答えになると思います。生きているうちにやっておきたいことは、単なるリストではありません。人生そのものです。医者や研究者が、早期に治療法を発見することがなければ、残された時間はなくなるでしょう。私はALS (筋萎縮性側索硬化症)なのです。

2年前、私は35歳でした。会社の経営者として世界中を駆け回り、2人の美しい娘と聡明な妻に――大切な家族に尽くしてきました。そして今、私は数本の指しか動かすことができず、自力で歩くこともできません。食事は、妻と娘のサポートを受けながら、1日中車椅子の生活をしています。まるで6カ月の赤ん坊ですが、見る人によっては王様のようにも見えるかもしれません。ほんの数週間で体調が悪化するので、食事も味わうこともできなくなるでしょう。栄養チューブを通して食事をすることになります。

でもそれは、もう悲痛を意味するのではありません。苦しみとともにある大きな喜びを経験したのだから。これは、どれほど早く人生が変化するか、人生が好転しているその瞬間を描き出すものなのです。

働き盛りのときに死を見つめる37歳の男が、死ぬ前にやってておきたいこと? と不思議に思うかもしれません。その答えはとてもシンプルで、もしかするととても安っぽく思えるしれません。それは、人生を愛で満たすことです。愛を定義することはほとんど不可能なので、3つのことについて説明させて下さい。人生を愛で満たすわかりやすい方法です。

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1.自分自身を受け入れること。

人間の最も立派なところは、向上せずにはいられないことです。私もかつてはそうでしたが、いつかあなたも目標と期待を達成することができなくなるでしょう。自分より成功している友人、より魅力的な兄弟を持つことになるかもしれません。死に直面したとき、すんなりと寛大になることを学びます。

死の病のほかに、最も素晴らしい瞬間と絶望の瞬間を、もう一度楽しみたいと願うことはありません。それは苦しみと罪悪感、愛と喜びを大いに楽しむということです。そのすべてを、この熱狂と面倒な人生を――もう一度楽しみたいと思うでしょう。私は人生のすべてを愛していますし、私自身を愛しています。数多くある人生で最も愚かなときであっても。

2.素晴らしい愛を与えること。

私たちは多くの愛すべき人々に囲まれています。迷惑な旧友や、口の軽いおばさんといった、まあちょっと変わった人もいますけどね。そういう人たちの周りにいると、愛することを忘れてしまいます。そういう人たちの影響を受けると、愛にフィルターがかかってしまいます。でもそのフィルターをかけることをやめたとき、愛は温かさと輝きを放ちます。そして、あなたの周りの人たちも、優しく、そして輝きを放つのです。

3.周りをよく見ること。

ALSと診断されてから、ときどき世界を見方がハイになった大学生のようになるときがあります。娘の泣き声や妻の笑顔、そして長くて熱いテキサスの夏まで、周りのすべてが美しく、そして愛おしく思えるのです。それぞれの瞬間がゆったりとしていて、細かなことを胸に刻みながら、区切りながら、私の記憶に残っていきます。今日も、一匹のトンボが腕に止まりました。簡単に振り払うことはできないので、腕にいるトンボを観察し、こちらを見つめ返す大きな目をじっと凝視しました。なんと美しく奇妙な生き物なのでしょう。

たしかに、やりたいことのリストはあります。でも、それを死ぬ前にやりたいことと呼ぶのはおかしい気がします。娘の結婚を見届けたいですし、孫が生まれるときには、夜中でも病院に駆け込みたいと思います。結婚20周年のためにとっておいたワインのボトルを開けたいですし、老いても妻を大事にしたいと思います。私は、治療に賭けています。本来なら多くの人が「生きること」だと感じる、このリストをなんとか成し遂げるために。

このブログはハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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