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「ジャーナリストキャンプ」は既存メディアでくすぶっている記者、編集者への挑戦状だ。

2014年02月26日 18時40分 JST | 更新 2014年04月27日 18時12分 JST

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もっとうまく表現したい。ジャーナリストがそう思っても、立場や組織の枠組みを超えた学びの場は、なかなかない。「ないなら、つくろう」。一般社団法人・日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)が「ジャーナリストキャンプ」を開催する原点だ。

これまでに3回開催し、新聞社やネット企業の記者のほか、編集者、フリーランス、エンジニア、研究者らが個人で参加している。JCEJが考えるジャーナリストは幅広い。最初は小さな活動だったが、思いを共有する仲間たちの協力によりプログラムを拡大してきた。前回から導入したデスクは、日本のジャーナリズムを最前線で引っ張る実力者が引き受けてくれている。

現在決定しているデスクは、ネットカフェ難民やブラック企業を追求する法政大学の水島宏明さん、朝日新聞の連載「プロメテウスの罠」を率いた依光隆明さん、著書「フクシマ論」で知られる社会学者の開沼博さん、毎日新聞とのネット選挙調査で注目を集める立命館大学の西田亮介さん、そして元ニコニコニュース編集長で弁護士ドットコム編集長の亀松太郎さんの5人。

新聞からネット、研究者まで奇跡的な顔ぶれが揃った。参加者は、これらのデスク陣とチームを組み、2泊3日の日程で、高知で取材と議論を繰り広げ、作品を仕上げる。

キャンプの取材テーマは「自由」。20年に1度の大雪の中で行われたデスク会議で決まった。

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「ジャーナリストキャンプ」の取り組みで大切にしていることの一つは、地方からの情報発信だ。ソーシャルメディアが普及しても、なかなか地方からの情報を得ることはできない。得ても東京視点で加工されたものが多い。

高知では、依光さんが高知新聞時代に取り組んでいた街ダネ企画「爆発Y2スタジアム(爆スタ)」を超えるような挑戦がしたいと考えていた。爆スタは「あなた注文できますか」と題した企画で「おっぱいどうふ」や「ちんたまあげ」など高知市内の珍メニューを紹介するなど、まさにギリギリに挑んだ伝説の企画。巨額投資で造られた新港のムダをジョークたっぷりの皮肉で批判する記事もあり、表現方法はとにかく型破りだ。

だが、同じでは面白くない。当初テーマがなかなか決まらず、重苦しい空気が漂っていた。高知と言えば... 龍馬、カツオ、遠い、田舎、維新、酒豪... ?「そのテーマで参加者来るのか」「なぜ高知でやる必要があるのか」。目の前の土佐料理に箸も付けず、どれほどのアイデアが飛び交っただろう。

ふと、西田さんが「自由」と口にした。自由? 確かに、高知は「自由民権運動」の発祥の地。発行禁止処分を受けた高知新聞が1882年、「新聞の葬式」を二度も営んだほどの自由な批判精神とユーモアあふれる筋金入りの土地だ。そして、どこか不自由さ、息苦しさを感じる時代状況にも合う。

高知市内の公園にある石碑には、「自由は土佐の山間より出づ」と記されている。キャンプの会場である土佐山は同市内の山間部だ。

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決めたはいいが、よく考えれば、とても難しいテーマだ。にもかかわらず、デスク陣はひるむどころか「これは、面白くなるな」「本番が楽しみ」と盛り上がり、雪の中を消えて行った。

高知で「自由」を考え、新しい表現や切り口に挑む。まさか、これだけのデスクが揃ってどこかの新聞で見たような自由に関する表現が出てくる事はないだろう。参加者にとってハードルは高いが、チャレンジにはデスクも必ず本気で答えてくれるはずだ。3月には特設サイトで申し込みを開始する。キャンプの作品はハフィントンポストで紹介して行く予定だ。本気の挑戦者を待っている。

http://jcej.info/jc2014/