BLOG

2014年は変遷の年

2014年01月11日 16時56分 JST | 更新 2014年03月12日 18時12分 JST

2014年は変化が急激に発生する年になりそうだ。

最も著しい変化とは携帯端末による消費だ。メディアのこれまでの歴史の中でも最もスピードが速い変化といえよう。

過去10年間で、携帯機器の所有数が5倍になったばかりか、携帯機器を使ってできることや、消費や通信の行動パターンが大きく変わっている。

今年は携帯機器の数が人口を上回るだろう。前年よりも10%増のスピードで増えており、よりスマートな機器へと利用者が移動している。

米国では成人の3分の1がタブレットを所有している。年末には50%近くにまで上昇する見込みだ。2011年と比較すると6倍の伸びになる。

英国では昨年、デジタル広告の5分の1がタブレット上で発生した。今年中に3分の1になりそうだ。新聞や雑誌の出版社からすれば、大きな機会が出現している。

そのほかにも、今年注目する点がいろいろある。

例えば、印刷物(プリント)と視聴覚のコンテンツの区別が消えてゆく。「コンテンツ」とは動画であり文字情報でもある。ブログは10秒の動画であるかもしれない。

ジャーナリストは自分が何を商業的に提供できるかを示す必要があるだろう。そうしないと、絶滅の危機に瀕する。

新聞業界の一部では、ジャーナリストがいらなくなるという声がある。 さまざまな情報源から情報をアグリゲーション(集積)し、これにブログ、コメント欄をつけて「自分たちのコンテンツ」を作れてしまうからだという。真剣にそんなことを考えているのだとしたら、笑ってしまうしかない。私は、ジャーナリストを減らすどころか、増やすべきと思う。

今やほんのちょっと指先を動かすだけで、ビッグデータを手中にできる。画像検索の技術はもう何年も前から存在してきた。今年は広く使われるようになるだろう。

 

折りたたみが可能な画面の技術も注目だ。携帯電話の画面は視聴には小さすぎる。タブレットはポケットに入れるには大きすぎる。しかし、縦長の画面がついた携帯電話があって、その画面をくるくると巻いたり、折りたためるようになっていたとしたら、完璧ではないか。

新聞は、このようなさまざまな技術が生み出す機会を利用できるはずだ。障害となるのは、想像力と余裕だろう。

想像力を使って、行動を起こしたのがアマゾンのトップ、ジェフ・ベゾスやイーベイを作ったピエール・オミダイアだ。今後、大きな革命を起こすかもしれない。ベゾスは米ワシントン・ポスト紙を買収し、オミダイアは新しいニュースメディアの発足に2億5000万ドルを投資している。

新規の参入者に対し、どうせ失敗するだろうとたかをくくっている人がいたら、あることを指摘しておきたい。伝統ある新聞の米ニューヨーク・タイムズは米国では37番目に人気があるウェブサイトだが、新規サイトの米ハフィントン・ポストは18番目なのだ。

昨年は、誰が新聞を所有し、どのように経営するべきかについて幅広い議論が発生した。家族経営の新聞の多くがビジネスを成功させていた。米メディア・ファースト社やスウェーデンのシブステッド社などのメディア企業はイノベーションと利益を生み出すことを両立させながら事業を拡大させている。

読者や広告主の利益よりも株主の利益を優先させている新聞社が多いことは確かだ。株主たちは地元の起業家にビジネスを売却し、投資を回収したらどうかと私は言いたい。

地元コミュニティーに情熱を持ち、現実的な資本収益を実現することに意欲的な起業家たちのほうが、イノベーションにもっと取り組み、柔軟なサービスを地域に向けて提供できるのではないか。政府が「誘引」や「支援金」を提供するべきだという声もあるが、そうなった場合に、報道機関は言論の自由を維持できるだろうか。

2014年の最後の予想は、多くの人にとっては不快かもしれないが、そのほかの人にとっては当たり前すぎるほど当たり前のことだ。

つまり、成功するためには、私たちは自分たちの技能や職務同士の境界についてのこれまでのやり方をすべて手放す必要がある。そして、組織全体でのイノベーションやビジネスの成功例に見返りを与えることだ。

ジャーナリスト、編集者、販売担当者、リサーチャーなど、職務上の役割はますます重なってゆくだろう。

しかし、例えばこんな実例がある。私の同僚の一人が、2-3週間ほど前に、地元のコミュニティーのために動画を制作するよう、ある新聞社の編集室に頼んだことがあった。

すべてがうまく進んでいた。私の友人が台本と絵コンテを持って編集室に入るまでは、だ。ジャーナリストではない友人は現場の抵抗にあい、プロジェクトは中止されてしまった。

2013年でさえも、一部では、ジャーナリストではない人が文章を書いてはいけないことになっているのだろう。私もここら辺でペンを置いたほうがよさそうだ。

米国紙の部数ランキング

IT企業の創業者画像集