「政治腐敗」と「国防軍」の組み合わせほど、恐ろしいものはない

最終盤に差し掛かった参院選。安倍政権がひた隠す真の争点「憲法改正」が大きくクローズアップされています。

最終盤に差し掛かった参院選。安倍政権がひた隠す真の争点「憲法改正」が大きくクローズアップされていますが、この問題は「政治腐敗」と組み合わさることにより、国民に最悪の結果をもたらすおそれがあります。

ザル状態。何の歯止めにもなっていない「政治資金規正法」

写真は、舛添要一前都知事の追及一色となった都議会第2回定例会最終日で討論を行う、板橋区選出の宮瀬英治都議です。

都議会解散までにおわされた大荒れに荒れた都議会でしたが、舛添前都知事の辞任により、一応の沈静化を見ました。

しかし、決着したわけではありません。

このような事態を生んだ大元である、ザル法と呼ばれる「政治資金規正法」を改正しなければ、「第2・第3の舛添」が生まれることを防ぐことができません。

都議会民進党では、国に対して政治資金規正法の改正を求める意見書の提出を都議会総務委員会理事会で提案しましたが、これが自民党・公明党によって否決されました。

政治資金の問題を自ら正そうとする姿勢が見られません。

より深刻なのは、甘利明・前経済再生担当大臣のあっせん利得疑惑です。

これは、舛添さんのような「政治資金の私的流用」よりも、政治的にはるかに大きな問題をはらんでいます。

現金の授受は甘利氏本人が認めているというのに、東京地検特捜部はこの件を不起訴相当としてしまいました。

権力者がおカネをもらって、それによって政策の内容や、政策実施の優先順位を変えるようなことが横行したら、どうなるでしょうか。

政治がお金持ちのいうことばかりをどんどん聞き入れ、お金のない人々、弱い立場の人々がどんどん後回しになります。

すなわち、あっせん利得だけではなく、企業献金も問題になってきます。

企業が政治家に献金する目的は、企業の利益になることを政治家にやってもらうこと以外にありません。

企業献金の横行を放置していたら、常に大企業の都合が優先される政治になってしまいます。

この点も政治資金規正法はザルでして、「政党支部」に対しては企業献金が可能なため、自民党は都議・区議まで含めたすべての議員がそれぞれ「政党支部」を持っており、ここに企業が献金を出せるようにしています。

これでは個々の議員が企業献金をもらえるのと何らかわりなく、何の歯止めにもなっていません。

「国防軍」や「緊急事態条項」が「カネの力」で歪められたら、いったいどうなる...?

カネによって政治が歪められる「政治腐敗」は、「軍事力」と結びつくことで、最悪の事態を迎えます。

お金持ちの都合で、軍が動かされることになるわけです。

例えば、アメリカはイラク戦争の際、イラクが大量破壊兵器を所持しているという"疑い"だけで攻め込んだ(しかも実際には見つからなかった)のに、北朝鮮という、堂々と核兵器所持宣言をしている国には攻め込みません。

これ、なぜでしょうか。

答えは簡単。イラクには「石油」がありますが、北朝鮮にはないからです。

そして、このとき日本政府もイラク戦争を支持しました。

もしこのとき、日本が海外派遣可能な軍隊を持っていたら、確実にイラクに出していたことでしょう。

利権と軍事は切っても切れない関係にあり、戦争が起こると「めちゃくちゃ儲かる人」がいるということを忘れてはいけません。

ましてや、わずか数十万円・数百万円積まれただけで政治を歪めてしまうようなモラル崩壊状態の現政権で、憲法改正によって「国防軍」や「緊急事態条項」を実現させたら、いったいどんなことになるのか。

寒気がします。

絶対に忘れてはならないのは、腐敗した軍事力はしばしば「自国民」に向けられるということです。

そんなことは起こり得ない?

はたしてそうでしょうか。

戦時中、日本は「特高」によって政府方針に反対する人々を弾圧してきた実績があります。

「緊急事態条項」を使えば、自民党憲法改正草案に基づく憲法それ自体も「まるごと無効化」できてしまうということを忘れてはいけません。

何よりよく考えてほしいのは、「いまの政治は、あなた自身のための政治になっているでしょうか」ということです。

自浄作用のない与党に憲法改正をさせて国防軍など作らせては、絶対にいけません。

よくお考えの上、この参院選、間違いなく投票に行っていただきたいと思います。

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