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堀潤が監督 映画「変身 Metamorphosis」がインターネット映画館で公開へ

2014年03月10日 23時54分 JST | 更新 2014年05月10日 18時12分 JST

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皆さんは、米国原子力災害史上最悪規模と言われたメルトダウン事故を起こした、スリーマイル原発の今を知っていますか?

そして、カリフォルニアでは1959年の事故以来、半世紀以上に渡って放射能汚染の実態が住民に知らされなかった実験用原子炉のメルトダウン事故があったことをご存知でしょうか?それらの地域では、今も現在進行形で事故の検証や対策、放射性物質が環境や健康に与える影響についての調査が続けられています。

私は、NHK在職時から東京電力福島第一原発事故の取材はもちろん、アメリカで発生したこれらのメルトダウン事故について現地で取材を続けてきました。米国で初めての商用原子炉の実験を続けてきたサンタスサーナ野外実験所では、1959年、43本の燃料棒のうち13本が溶け出すというメルトダウン事故が発生しました。当時、国は「深刻な放射能汚染はない」と発表、メディアも深くこの事故を伝えることはしませんでした。しかし、時が経つに連れて実験所周辺の施設では健康被害を訴える住民の声が聞かれるようになり、地元の女性達が中心となって情報公開と速やかな除染を求める運動を本格化させていきました。そして、事故発生からおよそ50年後の2009年。カリフォルニア州議会は放射能汚染の実態を3年間かけて調査し、速やかに除染を行うことを決議、ようやく国が本格的な調査に乗り出しました。

結果は実験所の一部からプルトニウムやストロンチウム、セシウム137などが見つかっています。特にセシウム137はバックグラウンドレベルの1000倍という濃度で見つかった場所もあり、半減期32年を過ぎても今なお、環境への影響が強く、当時の状況が如何に深刻であったかを物語っています。

私が制作した映画「変身 Metamorphosis」は、日米の原発事故のその後を追ったドキュメンタリーです。6割が堀の取材で残りの4割が一般の人達がスマホや小型のカメラで撮影してYouTubeにアップロードしたもの。中には原発作業員(当時)自らが小型のカメラで第一原発の内部を撮影したものもあります。男性の発信によって、東京電力以下6社の下請け企業などが連なる、多重下請け構造の実態が浮かび上がってきました。日本の原発事故への対応や将来に対する不安な検証する際に、海外で蓄積されてきたノウハウや知見を参考にしない手はありません。

きょうは3月11日。私が制作した映画をもっと多くの方に見ていただけらと思い、インターネット上の映画館「TEATRE TOKYO(シアタートーキョー)」で午前11時から5回に渡って本編映像を公開します。

私がNHKを退職するきっかけとなった作品でもあります。去年秋に京都で開かれた、京都国際インディーズ映画祭で特別賞を頂きました。ぜひ、これを機会にご覧になってみて下さい。日本の原発事故の30年後、そして50年後に何がおきるのか。米国で発生した事故のその後を追う事で浮かび上がらせています。

ぜひ。

ドキュメンタリー映画『変身 - Metamorphosis』予告編