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『ルパン三世』― ダイヤモンドは永遠に! /宿輪純一のシネマ経済学(57)

2014年09月03日 22時03分 JST | 更新 2014年11月03日 19時12分 JST

(2014年/ルパン三世)

筆者が小学生のころ、『ルパン三世』(1971年~)のテレビアニメが始まった。さすがにモンキー・パンチの漫画の原作(『漫画アクション』連載)は読んでいなかったが、かなり大人のムードで好きだった。その後、視聴率を上げるために、コミカルなテイストを強くなり、若年層をターゲットと変更し、人気が出てきて今の設定が確立した。

『ルパン三世』は特にキャラクターが良い。ルパン三世、次元大介、石川五ェ門、峰不二子、銭形幸一(銭形警部)など、キャラが立っている。しかも、彼らは皆、良い人である。

映画化もされており、7本に加え、番外編も製作されている。特に第2作目のルパン三世 カリオストロの城』(1979年)は名作として誉れ高い。ストーリー(脚本)も大変良くできていて、筆者も大好きである。

今回の映画化は実写版である。怪盗のルパンの孫とされるルパン三世といつもの仲間が、世界最高の警備の「要塞型金庫」から秘宝のダイヤモンドを盗み出そうとするいつもの展開。(なぜに、彼らをそこまで駆り立てるのか)

破られたことがない最強のセキュリティーシステムの超巨大要塞型金庫「ナヴァロンの箱舟」(『ナバロンの要塞』(1961年)の影響か)。手にした者は世界を支配できると神秘的に伝えられる秘宝クリムゾンハート・オブ・クレオパトラがそこで保管されている。

それを知ったルパン三世は、天才怪盗として強奪不可能をうたったセそこでキュリティーを突破してやろうと決意。なぜか警視庁に所属するはずなのに海外までも追っかけてくる銭形警部は当然追跡!いつもの展開になる・・・・

小栗旬、玉山鉄二、綾野剛、黒木メイサ、浅野忠信となかなかの布陣だが。最近、『ガッチャマン』『映画 妖怪人間ベム』『愛と誠』『映画 ひみつのアッコちゃん』『あしたのジョー』『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『映画 怪物くん』『ワイルド7』『カムイ外伝』『デビルマン』『キューティーハニー』『CASSHERN』などなど、筆者が子供のころ人気があったアニメが実写化されることが多い。残念ながら、あまり大ヒットした話がないような気がする。本作はヒットすればよいのであるが。

ダイヤモンドや金などは、宝飾品としてのほか、投資対象としても扱われている。金は、昔は基軸通貨としえても取扱われた。現在でも無国籍通貨として、有事のような地政学的リスクが高まると買われることになる。原油と同様に商品取引の代表でもある。国の外貨準備としても蓄えられている。鉱物としての金は、大変、高度な性質を持っている。熱や電気の伝導性が高く、大変伸びる。そのため、現在でも、精密機械やロケット・ミサイルにも使用されている。そのため、景気が良くなると鉱物としてニーズが高まり、価格が上がるといった面もある。

金を大量に身に着ける伝統がある方々がいる(栄養にならないが、食用にする人もいる)。もちろん裕福であることの象徴である。また、何かあった時に、財産を身につけていた方が、避難するときにも都合がいいということもあるようである。

筆者は現在、ニューヨーク滞在中であるが、ニューヨークの47丁目あたりには「ダイヤモンド街」がある。これは1940年頃にナチス・ドイツ軍がベルギーやオランダに侵攻したこときに、ダイヤモンド業を営むユダヤ人が逃れてきたもの。聞いてみると、ダイヤモンドは金よりも価値がある(大きさ対比もっとも高価である)ため、より多くの財産として逃げるときも持ち運びできるから、とのことであった。何といっていいかわからないが、歴史の重みを感じた。黒いコート・黒い帽子・長いモミアゲのユダヤ人の方々を見かける。ダイヤモンドには永遠の輝きがあるが、さすがに通貨にはならないだろう。

「宿輪ゼミ」

経済学博士・エコノミスト・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・映画評論家の宿輪先生が2006年4月から行っているボランティア公開講義。その始まりは東京大学大学院の学生さんがもっと講義を聞きたいとして始めたもの。どなたでも参加でき、分かり易い講義は好評。「日本経済新聞」や「アエラ」の記事にも。この2014年4月2日の第155回のゼミで"9年目"に突入しました。

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