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『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』―スター・ウォーズは"戦略的なお祭り"である/宿輪純一のシネマ経済学(90)

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STARWARS
LEON NEAL via Getty Images
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( STAR WARS:THE FORCE AWAKENS / 2015)

いよいよ『スター・ウォーズ』(エピソード7)が10年ぶりに帰ってくる。12月18日に一斉公開される。1作目が77年(日本公開は78年)であって、なんと37年前である。筆者が中学2年生の時であった。「これがアメリカ映画だよなー」と思い、(マニアほどではないが)それ以来のファンである。ちなみに当初の邦題案は、まさに直訳の「宇宙大戦争」であった。

今回、また新たな3部作がスタートした。これまでは公開が3年おきだったのが、2年おきとなった。今後の予定を聞いてみると、2017年に『エピソード8』(米国5月26日/日本7月公開)、そして2019年に『エピソード9』が公開される。その間を縫って、2016年に派生作品『ローグ・ワン(原題)』(米国12月16日/日本12月公開)、2018年にもまた派生作品を公開するなど、ガッチリ予定が組まれている。

スペースオペラ(宇宙の冒険物語)にはマニアが多く、『スター・トレック』のマニアは「トレッキー」と呼ばれる。(ちなみに最近の『スター・トレック』のJ・J・エイブラムス監督が本作の監督も務める)スター・ウォーズにはマニアが特に多く熱狂的で知られる。

それは単に「宇宙」ということだけではなく、そのベースとなるぶれない考え方にある。具体的には、基本的に誰もが好きな「騎士道・冒険」、最近、失われつつある「家族・愛情・成長」、悪と正がはっきり分かれている「スッキリした分かり易さ」、最近のCG技術で引き立つ宇宙船の「斬新なデザインや動き」。

キャラクターになり易い「象徴的な登場人物」、子供も大人も誰が見ても大丈夫な「健全性」、アメリカ映画の特徴である(途中では大変なことになる)が「正義は必ず勝つ結末(主人公は大丈夫)」、そして、これが特に大事なのであるが「ファンを大切にするという姿勢」などではないかと考えている。皆が楽しめる現代の「おとぎ話」なのである。

そして、ファンを裏切らず、信用していて良いので、皆で盛り上がれる「お祭り」となるのである。筆者は企業戦略も教えてきたが、まさに良くできた「経営戦略」なのである。

『スター・ウォーズ』には"日本"が多数取り入れてられている。それもそのはず、創設したジョージ・ルーカスは、黒澤明の大ファンというか、マニアだった。「ジェダイ」という言葉も「時代劇」の時代から来たといわれている。本来は黒澤明の作品の宇宙におけるリメイクをしようとしたが、例えば『隠し砦の3悪人』などの版権が高すぎて買えなかった。

そのため、『隠し砦の三悪人』の登場人物と似たキャラクターを取り入れている。ストーリーも仕方なく自分で書いた。スペースオペラで原作を自ら作っているのは『スター・ウォーズ』ぐらいである。戦闘シーンも黒澤映画と極めて似ているのはもちろんだが、刀を両手で持つのは日本だけ。ヘルメットは伊達政宗の兜をベースとしている。

ルークが来ているのは柔道着。オビワンのオビとは、黒帯のオビ・・・上げだすとキリがない。そして、当初の作品ではダーズベーダー役に、三船敏郎に強烈なオファーを出していた。

さて、本作品は一般向けの試写会もなく、ネタバレは厳禁であり、あまり書けないが、オリジナル3部作の最終章『エピソード6/ジェダイの帰還』から約30年後が舞台となっている。「フォースの覚醒(THE FORCE AWAKENS)」という題名からも分かるように、"またも"フォースに目覚めていくのである。覚醒とは「覚醒剤」のイメージが強すぎるのが少し残念であるが、意味は、目が覚める、不活動の神経などが活動を開始する、迷いから覚め、過ちに気付く、といったものである。

いつか再び逢える家族を待ち続けながら、砂漠の惑星ジャクーで暮らす孤独な女性レイ(主人公)の運命は、ある出会いによって一変する。またエピソード7では帝国軍は「ザ・ファースト・オーダー(The First Order)」、反乱軍は「レジスタンス(Resistance)」と呼称される。結局、ダースベーダーを軸とした血縁の問題なのである。

しかも時代を表し主人公も女性で、他にも重要なキャラクターは女性である。「フォースを巡る新しい" 家族の愛と喪失の物語 "」なのである。ストーリーの軸となるのは新しい本体が転がるロボットBB8である。C3POやR2D2や、Xウィングファイターやミレミアム・ファルコン号などももちろん登場する。

 この『スター・ウォーズ』を生み出し、製作・監督してきたジョージ・ルーカスも71歳(1944年生)となった。最近、ウォルト・ディズニーが彼のプロダクションであるルーカスフィルム『スター・ウォーズ』を40.5億ドルで買収した。(ガッチリした公開予定もディズニーらしい)

ウォルト・ディズニーはCG製作スタジオのピクサー、アメリカンコミックス(ヒーロー)のマーベル、そしてルーカスを買収することになり、映画業界における集中(独占)状態を訝(いぶか)しがる向きもあった。

『スター・ウォーズ』は出演する俳優はトップクラスではないが、特にCG等に莫大なおカネが掛る。おカネの問題だけではないが、その『スター・ウォーズ』を継続して製作することは大変なことである。そういう意味で、継続的にディズニーが製作してくれることは、映画ファンにとっては、実は有難いことなのである。お陰で、また今後も『スター・ウォーズ』を見ることができる。

出演はジョン・ボイエガやデイジー・リドリー、オスカー・アイザック、アダム・ドライバー、それに加え、旧シリーズのマーク・ハミルやキャリー・フィッシャー、そしてハリソン・フォードなどのいわゆるレジェンドの出演にも涙である。

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