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「司法の独立」の裏で書類偽造、犯罪者を逃がすナイジェリアの判事たち

2015年10月10日 00時50分 JST | 更新 2016年10月08日 18時12分 JST

積荷を盗んだナイジェリア税関らを訴えた裁判は、3年前には終わろうとしていたのですが、イスラムの判事にすげ替えられ、規則違反の延期を続けられています。彼を送り込んできた主席判事は、軍政時代、冤罪の人権活動家に死刑宣告し、世界的なナイジェリア制裁につながった人物で、私達に対する加害勢力のムスタファが副知事をしているボルノ州の出身。

窃盗から放火まで、公金横領で太ったイスラムの政治家が出資して、私達の息の根を止めようと、裁判所も利用していることに気づいてから、国内外にアピールしてきましたが、裁判には介入できないのです。

ただ、アピールの効果か、ムスタファが8月に毒物と見られる不審死をしました。しかし判事は、証拠書類を採用するかどうか、その場で決められる事に、まだ「決定文が用意できてない」と逃げ続けています。法廷での議論から1年。3ヶ月以内という裁判所規則も無視です。

法治国家だと思っていたナイジェリアで、最初に遭遇した異常は、警察で税関らの窃盗を認めているのに、ラゴス州の検事が不起訴にしたことでした。公務員の汚職を捜査する委員会ICPCに告訴したところ、なんとその検事は著名な元判事である委員長の姪で、委員会は調査せず。

検事局では、直訴に行った夫が毒を盛られたこともあります。オフィスの外で毒物を調合するローカル・ドクターを目撃し、治療した医師も毒物だと断言しましたが、毒物の蔓延するナイジェリアでは泣き寝入りです。

その他、遭遇した判事や裁判所職員の無法ぶり:

違反行為ないのに「人権侵害」

窃盗で告訴した通関業者が、警察と弊社を人権侵害だと提訴。警察の手続きに違反はなかったのに、30万円相当の賠償金を払えという判決が出ました。警察の弁護人は「こんなムチャクチャな判決は聞いたこともない」と絶句。この判事の夫は、私達に対する加害勢力の知事(当時)でした。

管轄外の訴訟を扱う

その通関業者は仕事を完了せずに逃げたのに、残金を払えと行政裁判所に弊社を提訴。後で分かったのですが、その裁判所は本来、民間人が提訴できる所ではありませんでした。腐敗した判事が勝手に受け付け、通関業者側は請求の根拠を証明できないまま、訴訟を放置。

「書類焼失」と称して棄却

多額の横領をした従業員と、盗品を売り捌いた男(拙宅に放火した女の兄弟でした!)が起訴されたのですが、「検事のファイルが焼失した」として棄却。ファイルは復元可能なはずで、判事と検事が窃盗犯を逃がしたのです。

架空の裁判で「執行命令」

偽の「執行命令」でラゴス州裁判所の執行官が、弊社の倉庫にあった在庫をすべて、連絡もなく、明細もないまま売り捌き、「残金があるから請求するように」。その後、執行官は所在不明。主席判事に解決を求めましたが、返答ないまま定年退職。後任は妹でしたが、妹も沈黙です。

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知事と主席判事姉妹(ニュースサイトInformation Nigeriaのスクリーンショット)

偽の訴訟書類を本物の裁判所職員が配達

自宅への放火犯は保釈後に逃走、保証人も所在不明。その保証人が出頭もしてないのに、警察と告訴人を人権侵害で訴えたという「訴訟書類」を、本物の職員が届けてきました。偽造だと突き返すと、職員は「気づいてくれて嬉しい」と言って帰りました。

奇策を弄して凶悪犯罪者を無罪放免

警察が庇った放火犯を2年後に起訴に持ち込んだのですが、行政裁判所の判事は、また放火犯を保釈した上、棄却するべく、奇策を繰り出しました。検事が(故意に?)欠席し、告訴人に発言の機会がないまま「告訴人不在につき棄却」と宣言しようとました。告訴人である夫が発言すると、判事は「しゃべるな!」と激怒。別の日、「今日の法廷はない」と宣言して、告訴人が帰った後、法廷開始。ある関係者が電話してくれて夫が法廷に戻ったため、また棄却に失敗。被害額が大きいので、高等裁判所でするか裁判管轄を検事局に問うとして引き延ばし、「証拠不十分で不起訴」という不審な検事局の意見書が提示されて、判事は嬉しそうに棄却しました。

架空の執行命令で預金「差し押さえ」

②の訴訟を装った偽造の執行命令で、口座のある英系銀行から預金残高を「差し押さえ」られました。これも判事の関与がなければ不可能なことです。

⑥の棄却については、ラゴス州政府に不服申し立てをし、警察が「起訴するべき」という意見を出した後も、州政府は起訴しようとしません。嘆願書が回された部署に行くと、丸々と太った担当者が 「司法の独立により行政は介入できない」 など、苦しい言い逃れをしました。

その後、放火の証拠を握る消防士に、放火犯側が500万ナイラ(300万円)を提示して、陳述を撤回するよう持ちかけたことが分かりました。金回りのよくなった刑事も「500万ナイラは大きい」と、収賄を示唆。「放火犯は終身刑だ」と言っていた、司法長官の職員も電話に出なくなり、収賄を暗示しています。

概して、ナイジェリアの司法は不正がまかり通っています。アフリカへの日本企業進出が促進される中、ナイジェリアでも邦人が増え、トラブルに遭って裁判に臨む企業の方もいるそうですが、ここの司法には正義が期待できないことを警告したいと思います。