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報道されないナイジェリアの素顔 --- 凶行を引き受け、犯罪を揉み消した教会が副大統領とラゴス州知事を獲得

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日本の中古車販売会社が何社もナイジェリアでトラブルに遭っていると聞きました。アフリカ最大の人口があり、中古車販売が儲かるという内容のテレビ番組もあったそうですが、ただ明るい面だけが強調され、当地のリスクは触れられません。「多くの邦人や企業がトラブルを抱えている」(領事部)というのに。

ラゴス在住の私にも、日本のテレビ局から取材の問い合わせがありましたが、税関で積荷を盗まれ、犯人が処罰されないので民事で訴えると、裁判をエンドレスにされる一方、ラゴス州政府が架空の執行命令で在庫をすべて持ち去り、毒物や放火で殺されそうになったという現実は、視聴者に受けないのか、採用されませんでした。

ナイジェリアは詐欺が多い、テロや誘拐など治安が悪いといった表面的な問題だけでなく、イスラム政治家の指示の下、犯罪を幇助、実行犯を不起訴にし、拙宅に放火した教会が副大統領とラゴス州知事のポストを獲得するという、黒い裏側を目の当たりにしました。

かねて、Redeemed Christian Church of God*(神が贖罪されたキリスト者の教会、以下「贖罪教会」)という、選挙時には現職大統領も協力を頼みに行く大手教会の信者が周囲に多いなと感じてはいたのですが、就職や昇進に有利なのかなくらいに、軽く考えていました。

夫の民族イボを抑圧する風潮の中、イスラムの有力政治家が利権を持つ日本メーカーの船外機と競合したために、次々と凶行を仕掛けられてきたのですが、実行部隊としてこの教会が大きな役割を果たしていたのです。

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拙宅に放火された際、現場にいたリーダー格の男が、贖罪教会の施設(写真)に入っていくのを目撃し、身辺を見回すと、犯罪者を処罰しようとしない警察や検事、不服申し立てを担当した州の職員、行政区の区長、車や発電機に細工しかねない修理業者などなど、その教会の信者に囲まれていたのです。

思い返せば、贖罪教会は十数年前から、私達に忍び寄っていました。父親が殺されたという少年を取引先の人が連れて来て、住み込みで雇ったのですが、横領がバレて逃走。連れ戻そうとした取引先の人は毒物らしい不審死をしました。逃げた従業員は現在、贖罪教会の牧師をしていると母親が言っていました。

税関での窃盗事件でも、空のコンテナを配送する日に合わせて、贖罪教会の信者が地方で結婚式をお膳立てし、夫に出席を懇願しました。欠席したところ、新郎側が現れず、式は行われなかったそうです。夫が出向けば、予め買収した従業員にコンテナを引き渡し、窃盗はうちの倉庫内で起きたことになる段取りだったのです。結婚式をお膳立てした男は一昨年、バラバラ死体で発見され、死体の上に妻の電話番号を書いた紙が置いてあったそうです。

税関職員(イスラム)ら容疑者が犯罪事実を認めたのに、ラゴス警察のトップであるコミッショナーは起訴しようとせず、州検事局に送検し、検事は1年近く放置した後、不起訴にしました。コミッショナー、検事局トップ、その下の担当検事も、贖罪教会の信者でした。

コミッショナーはこの後、昇進して国家警察ナンバー2で退職しました。検事も、不当な不起訴について各所に嘆願書を送ったのに、ラゴス州高裁の判事に栄転。私達が告訴した事件をまともに処理しようとした刑事は、何人も「強盗」に射殺されたり、爆破で亡くなったのに、犯罪者に便宜を計った人達は昇進していきました。

税関らに損害賠償を求めて提訴した弁護士にも接近されていました。提訴した時、弁護士の娘は学資がなく、進学を諦めていたのですが、贖罪教会の大学の奨学金が出たと通い始めました。そして、判事が税関側の非を認めて和解を勧めた頃、娘は牧師のあっせんで、イスラム教徒の税関OBと結婚。弁護士が逆らえないよう、娘は人質ということです。実際、弁護士はあの手この手で裁判を妨害し、依頼人である夫に毒を盛りました。

弁護士の毒盛りと平行して、出入りの印刷業者の紹介で来た住み込みのメイドも、致死性の毒物を持ち込みました。保証人の兄が毒物を買ってきたと自白しましたが、彼は贖罪教会の学校勤務でした。

さらに、放火事件で収賄を拒否し、法廷で証言すると言い続けた消防士にも、贖罪教会の手が伸びていました。無職だった息子2人が相次いで就職。一人は放火のバックにいる政治家の出身母体、海軍へ。もう一人は大手銀行に就職し、結婚した相手は贖罪教会の信者でした。息子2人も人質です。

火元である隣家には、拙宅との境の壁でガスが爆発するよう、シリンダーが埋め込んでありました。嫌がらせや証拠書類を焼くためでなく、私達一家を殺す目的だったのです。こちらの弁護士も放火を事前に知っていたそうです。

放火事件は2年がかりで起訴に持ち込んだのに、判事が贖罪教会の信者である検事と茶番を演じて棄却。放火の証拠があると各方面にアピールして、再捜査に持ち込んだのですが、またしても被疑者は放火場所を提供した隣家の女主人だけで、贖罪教会の信者らは対象外とされ、その後、警察や州政府の担当者は多額の収賄を仄めかし、凶悪犯を泳がせたままです。

私達が放火の証拠を提示して、州政府がやむなく再捜査を決定した頃、大統領選のキャンペーンが始まったのですが、返り咲きを狙うイスラムの元軍人大統領のランニングメイト(副大統領候補)は、政治家歴のない牧師でした。関係者によると、贖罪教会だということが選ばれた理由だったそうです。

これまでずっとイスラムの牙城だったラゴス州知事も、与党候補は贖罪教会の信者でした。そして、票の偽造や、外国人子供の動員が報道されたのに、彼らは当選してしまいました。

放火事件については、警察と州政府内で、事件の担当に信者が配置され、揉み消し工作が整っていたのです。担当者の収賄を上層部に訴えても、誰も処分されないはずです。刑事本部で「起訴するように」と言っていた法務部長は左遷されていました。

私達が遭遇してきた凶行の半分もしないうちに大勢死んだと、警察署長が言っていました。北部のイスラム政治家の意向の下、組織的に行われてきた凶行のどこまで贖罪教会が関わっているかは分かりません。

知事には直接、損害賠償の請求と放火犯の再起訴を求めていますが、信者が実行犯である放火については就任以来ずっと沈黙し、執行官の窃盗については「損害賠償の請求は主席判事に出し直すように」と責任転嫁しようとして失敗、それっきりダンマリです。

教会本部に連絡してもシラをきるだけなので、facebookで贖罪教会の信者が関与した事件を挙げて、救済を広く訴え始めると、「教会の名前を出さず、個人名だけ並べるように」と言ってきた人が複数いました。同時に、隣の放火犯宅に出入りしていた信者や、出先で偶然を装って接触してきた牧師などが姿を消しました。あまり声を大にすると名誉毀損で訴えてきたり、脅迫、あるいは犯罪をでっちあげて逮捕など、ナイジェリアではありがちですが、教会も知事も沈黙を続けています。

大統領やラゴス州知事は外国からの投資を呼びかけていますが、政府機関が犯罪を働き、提訴すれば弁護士を買収、民間人も使って被害者の口封じを謀る。被害者が生き延びて不法行為を糾弾しても、沈黙して被害者が諦めるのを待つ。これがアフリカの大国、ナイジェリアの素顔なのです。

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今年1月、州庁舎で宗教儀式に向かう贖罪教会のトップ(中央)。知事は脇役。
州営ラゴスTVのスクリーンショット

* 1952年にラゴスで設立されたペンテコステ系教会。
https://en.wikipedia.org/wiki/Redeemed_Christian_Church_of_God

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