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「怒り」を原動力に、おかしいことには声を上げる。そんな大人に僕はなりたい。

国際協力に携わる僕の原動力は「怒り」なのかもしれない。

2017年11月05日 16時11分 JST | 更新 2017年11月05日 16時11分 JST

思い返せば、国際協力に携わる僕の原動力は無力感、いや「怒り」なのかもしれない。

代表を務める国際協力NGOでの定例会議を終え、帰りの東海道線でBBCニュースを読んでいた。その記事では、アフリカのコンゴ民主共和国で起きている紛争が書かれていた。

BBCによれば、コンゴ南部のカサイでは現在、昨年8月に再燃した紛争が原因となり、約300万人もの人々が飢餓に瀕している。適切な支援が届けられなければ、今後数カ月で数十万人の子どもが餓死する危険性がある。

家を追われた約150万の避難民のうち、そのほとんどがまだ幼い子どもたちだ。記事に使われている今にも亡くなりそうな子どもの写真が、僕の目をひきつけて離さなかった。その様子は「DR Congo's Kasai conflict: 'Millions face starvation without aid'」を見てほしい。

シリアやイラクがメディアで注目される一方、コンゴ民主共和国で起きている紛争を知っている日本人は一体どれくらいいるのだろう。そもそも、「コンゴ」という国が2つあることすら知らない人も多いのではないだろうか。

第二次世界大戦以降に起きた紛争で最も多くの犠牲者を出しているのは、シリアでもイラクでもアフガニスタンでもなく、コンゴ民主共和国。実に540万人以上もの人々が犠牲となっている。さらに、この国の東部では日々数百人の規模で集団レイプが横行しているとも言われており、その様子は「女性にとって世界最悪の場所」と形容されるほどだ。1998年以降、推定20万人の女性と少女が性的暴力の被害を受けている。

(関連記事:4歳の少女をレイプ、女性にとって最悪の場所-アフリカ最大の紛争コンゴの性暴力を考える

僕は今年、4カ月にわたって南スーダン難民の支援に現地で携わってきた。多くの難民が厳しい生活状況に置かれているが、やはりコンゴで起きている"それ"と比べてしまうと、「自分が今本当にするべき活動は何なのだろう」と葛藤する。そんなことを考えながら電車を降り、自転車をとめている駐輪場に向かった。頭からは、さっき目にした子どもの写真が離れない。

そんな時だった。僕のすぐ傍を、酔っぱらった若者たちが大きな声を上げながら通り過ぎていった。

普段だったら、いちいち立ち止まって気にすることはしない。でも、疲れていたからだろうか。「どうして僕らが生きるこの世界は、こんなにもアンバランスなのだろう」。さっき目にした子どもの写真が思い返され、無力感というか、「怒り」に似た気持ちを感じてしまった。

きっと、酔っぱらった若者たちへの「怒り」ではない。不条理すぎるまでに格差が広がってしまった、この世界に対する「怒り」。力不足な自分に対する「怒り」。その気持ちをどこにぶつければ良いのか、分からなかった。だから今、こうやって記事を書いて、読んでいるあなたに語り掛けている。

この世界は、間違いなく不条理なんだ。食べる物もなく死んでいくアフリカの子どもたちがいる一方で、腹一杯食べたり飲んだりできる日本の僕たちがいる。戦後すぐの話ではない。今はもう、2017年だ。

でも、ほとんどの人たちはそんな"世界の不条理"を頭では理解していながらも、「自分には何もできない」と思い込んでしまう。「それはね、仕方がないことなんだよ」と諦めてしまう。

僕は、ずっとそれが悔しかった。諦めてしまうのが悔しかった。世界が不条理だって分かっているなら、どんなに小さな一歩だって、それに抗いたい。立ち向かいたい。大学1年生の春、フィリピンで物乞いをする少女と出会った時から、ずっとそうやってきた。だから今、その想いを現実化するための手段として、コンフロントワールドを起業している。

国際協力に携わるための原動力は、人それぞれだろう。楽しみたい。ワクワクしたい。困っている人の力になりたい。

でも、僕にとっての一番の原動力は、「怒り」なのかもしれない。

怒りを原動力に、おかしいことには「おかしい」と声を上げる。そんな大人に僕はなりたい。

(2017年11月2日「原貫太オフィシャルブログ」より転載)

記事執筆者:原貫太

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